6月23日

 名古屋市のすぐ北、来年3月に北名古屋市になる師勝町というところに、歴史民俗資料館という面白い場所がある。

 一歩足を踏み入れると、そこは昭和30年代。ホーロー製の看板やら郵便ポストやらバイクの「陸王」やら、駄菓子やらタイル張りのショーケースやら、これでもかというぐらい古いものが置いてある。

 最近でこそ、名古屋周辺には「昭和食堂」や「飯場」といったなつかしさを売り物にする居酒屋が増えてきたが、ここは10年以上前から「新しい日本の原風景」のコンセプトでものを集めているから迫力が違う。昭和30年代の駄菓子屋を再現しようと思ったら、3軒ぐらいは開店できるらしい。

 さすがに僕からしたら昭和30年代のものは初めて見るものばかり。それなのに、見ると懐かしさを感じてしまうのはなぜだろう。確かに、洗練されてはいないかもしれないが、温かみがあるデザイン。生活がちょうど電化されはじめた時代なので、メカヲタクにとっては初期の簡単な構造の家電製品を見るのも楽しい。

 愛知万博では、サツキとメイの家が人気らしい。子どもにとってはアニメに出てきた家がそのまま再現されているのが楽しく、大人にとってはとなりのトトロの時代背景である昭和30年代当時の生活を思い出すことができるのが懐かしく楽しいらしい。だが、1日800人しか入れないのでほとんどの人は入ることができない。

 「懐かしさ」を感じたいなら、こちらもお薦め。万博に来たとき、名古屋空港あたりに車を置いておき、帰りがけに寄っていくのにちょうど良い場所にある。