5月9日

 富山のこの時期は冬に続いてうまい季節だ。冬はブリをはじめ、魚がなんでもおいしい。冬に続く春は、ホタルイカやシロエビがとても安く出回って、気軽に季節感を感じることができる。

 ホタルイカはやっぱりイカなので、アニサキスという寄生虫がいる場合がある。なので、生でがぶりと食べると、アニサキスが胃袋の中で暴れたりするので、通常は加熱して食べることが多い。スーパーでは「生で食べる場合ははらわたを取ってください」と注意書きをして売っている。富山の新鮮さならまだ内臓だろうけれど、他地域でホタルイカを食べる場合、アニサキスさんが内臓から移動する場合もあるらしいので要注意だ。

 で、つまつまと内蔵を取るような技術を持ち合わせていない僕は、ホタルイカが出まわれば、ボイルホタルイカを買っていた。たいてい、酢味噌が付いてくるので、本来ならワケギとか今が旬の菜の花とかを添えて食べるんだろうけれど、僕はそのままホタルイカだけばくばくと平らげる。

 最近、おおとろ亭にて、生をさっとゆでたホタルイカを食べた。これがうまいのなんの。ボイルホタルイカはゆですぎなぐらいゆでてあって、ちっちゃく縮こまっているのに対し、さっとゆでたホタルイカは色もピンクで柔らかく、噛むとジューシーで内臓の香りが口に広がる。まったく別の食い物だ。調理もお湯を沸かして30秒ぐらいゆでるだけだから、ラーメンより手軽だ(後片付けはあるけれどね)。

 パスタなんか作ったら、うまいだろうな、と妄想することしきりな今日この頃。