5月7日

 私事から選挙から、今年は始まりからどたばたしたが、富山の車屋さんに無理をお願いして、4連休をすべて富山で過ごした。途中、仕事の電話も乱入してきたけれど、まったく日常と離れた4日間、幌交換やレースを手伝いで過ごし、心身ともにリフレッシュ。と言いたいところだが、みそじーずになってからは休日は寝ていない限り体力的にすっきりリフレッシュできないところが痛い。

 メーンイベントはやはり5日の間瀬耐久レース。

 走ることに対する情熱は鈴鹿に置いてきてしまったので、最近はすっかりサーキット走行とは縁遠くなったのだが、仲間がレースに参戦するとあれば、できる限りのお手伝いはしたい。間瀬は走行後に各ラップのタイムがもらえないので、ベストタイムを覚えているぐらいのことしかできない。レースで勝つための走りを磨きたければ、これは致命的だ。

 ベストがどの周回でどんな走りをしたときに出たのかや、遅かった周回でなぜそうなったのかを後から反省することが大切。速い人がどうやって走っているかを外から見たり、言葉巧みにだましてテクニックを語らせてみたりと自分の走りと他人の走りを照らし合わせて、努力しつつ一歩一歩進めていく。

 と、分かったようなことを書いているけれど、僕も走っていた当時は何秒で走ったかにあまりにも無頓着で、自分だけの狭い世界であれこれと無駄な努力をしていた。車を降りてから反省して頭の中であれこれ考えて研究しているけれど、もう後の祭り。実践がないのだから、ただの脳内ドライブに過ぎない。

 で、第2戦に何かお手伝いをしようと間瀬に行くと、走行後にタイム表がもらえないみたいだったので、モニターに映し出される各ラップを記録する係を買って出た。ものはついでなので、富山チームの記録を取りつつ、ライバルの長岡チームのタイムも記録する。

 タイムは走りそのものをもろに反映するものだから、40数周の耐久レースを記録しているとなかなか興味深い。コースオフだとかスピンだとか、何かアクシデントがあればがくっとタイムが落ちるは当たり前だが、それ以外にも前走車に詰まっているときや、後ろから速い車が追いついてきたときなどに出るタイムの変化は、ドライバーの心理をもろに映し出す。それにライバルチームのタイムとリアルタイムに比較すれば、うまい下手も一目瞭然。

 

 今回はタイム計測システムの更新という事前の情報。各チームは車内でタイム計測できるラップショットなどのデバイスを導入していた。後からパソコンにつないでタイムを吸い出すことができるので、事実上記録はいらなくなる。トップとのタイム差だとか、区間タイムだとかを計測してより具体的なピットサインを出すことができるようになるはずだった。

 が、なぜか新タイム計測システムの導入は間に合わず、さらに旧タイム計測システムのモニターも見ることができないという。ピットインを交えるレースなので、一番に回ってきた人が速いとは限らない。競走しているのに何位か分からないという驚愕の状態。仕方がないから、富山チームのタイムをストップウオッチで計測し、記録する。普通のストップウオッチに加えて、ストップウオッチ機能が付いた腕時計を右腕にして、ドライバー交代の所要時間なども計測。

 書き取るだけから計測が増えて大変になった感じだが、1台に集中できるので、モニターを見る時間が長かった前戦までよりは楽で楽しめた。

 我が富山チームは、ドライバー交代のタイミングを工夫した1ヒートに見事3位を獲得。ロードスターはシビックなど別の車よりも1回多くドライバー交代をしなくてはならないというハンデがあるので、それを乗り越えての入賞はなかなか立派。が、2ヒート目はスピンもあって上位に絡めず、3ヒート目は他車とのアクシデントでわずかなラップでリタイヤした。レースだから車を壊してしまうことは仕方がない。

 小高い丘にあるパドックに戻って各車がZコーナーから最終コーナーまでをどう駆け抜けていくかをチェック。そういえば、耐久レースはほとんどピットから見ているので、各ドライバーの走りの違いは最終コーナーの立ち上がりぐらいしか分からなかった。

 速いドライバーはコーナー進入のヨーモーメントのコントロールが抜群にうまい。で、やっぱりコックピット内では忙しそう。ロードスターでトップ2台の車は、やはり見ていても迫力がある。長岡のおもちゃ屋ロードスター屋さんの走りは、特に忙しそう。はたから見ると危うく見えるのだがきちんとコントロールしていて、とっちらかるようなこともなく、しびれる。

おもちゃ屋

 ピットで見ていて思うのは、ドライバー交代が勝敗を分けているのがちょっぴり残念。各ドライバーの速さも大切だが、ドライバー交代をいかに早く済ますかが勝負の肝である。体格差などでシートやシートベルトの調整に手間取れば、ドライバー交代2回のロードスターはまず勝てない。なんだか走りとは違う部分で勝敗が決まるような気もするが、レースを面白くしている要素とも言える。

 ピットインしてきた車が完全に停車してから動き出すまでのタイムを計っていると、早いチームで10秒前半、遅いと、それこそ1分近くかかっている。それこそコース上では1分14秒台から16秒台の間でしのぎを削っている。トップチームは15秒台のタイムでそろえて走ってくるから、ピットで2、3秒違えば、いくら14秒台に入れて走っても、取り戻すのに5、6周はかかってしまう。致命的だ。

 勝ちたいならば、ドライバー交代は15秒以内で済ますよう、練習が必要。