朝7時に富山を出発。昨日まで白い人たちがいた場所近くに向かう。プライベートな用事と仕事をドッキングさせてしまう僕の得意技である。本当なら昨日は作業を早めに切り上げて帰宅しなければならなかったのだが、帰り道に仕事を作ってしまえば、帰る手間と仕事へ行く手間が省けるという寸法だ。これで会社に仕事の往復分の交通費を請求してしまう、という話はやばいのでここでは言うまい。
国道41号に抜けるまでの新しいルートを発見。何回か信号に引っかかる場所を通らなくて済むようになり、10分は時間が短縮できるようになった。また、富山が近くなったぜ。
高山と郡上八幡を結ぶせせらぎ街道という道をひた走る。街道の名の通り、川の横を走るとても気持ちの良い道で、ジムニーで走っているのがとても残念であった。標高7、800メートルぐらいでまだ午前9時ぐらいだったから風が冷たく、肌寒いほど。1枚多めに着こんで、ヒーターを付けながら、ひんやりとした風と斜めから照りつけるお日様の暖かさを感じながら走るのが、ロードスターでもっとも気に入っているシチュエーションである。夏の午前5時ぐらいも気持ちが良いが、8時ぐらいになった途端に空気が重苦しく暑くなってきて、不快だからやはりこの時期の午前中がよろしい。
なぜか、とあるワサビ田に行った。長靴を履いて、けもの道を歩き、岩を伝って川を渡り、400坪ほどの広さのワサビ田に至る。脱サラした人がやっている場所で、話を聞いているといかに自然を愛しているかが伝わってくる。営業成績を競う生活から、ガマガエルやアオダイショウ、イノシシ、猿、カモシカ、イワナとおつきあいする生活に飛び込んだのである。なかなかできることじゃないね。
山菜のレクチャーを受けた。周りの斜面を歩いて、トウキチロウと岐阜では呼ばれているモミジガサという山菜をぷちぷちと採って回る。木下にたくさん生えているから木下藤吉郎。豊臣秀吉の若いときの名前をもじったしゃれたネーミングである。このほか、山ウド、フキなども採って全部もらった。
恐縮なことに栽培していたワサビも、もらってしまった。配っちゃったら商売にならないのに。