おやじが還暦を迎えた。さすがにいつもの誕生日のように知らん顔をするのも気が引けたので、兄貴と相談してプレゼントを買うことにする。
おやじがもらって喜ぶのはカーボン製品だ。カーボン、といっても愛車のクラウンのカーボンボンネットやカーボン調メーターパネルではない。アユ釣りの竿やゴルフクラブである。道楽おやじだから。
が、そんなものを買ったら10万、20万は軽くかかってしまうのでパス。まあ、無難に腕時計でしょう、と栄で物色する。
店員には自動巻の時計を勧められる。なぜか、TAG Heuerの自動巻の時計を着けているが、やっぱりクオーツの正確さにはかなわず、正確な時間を知りたかったら一週間に一度は時計を合わさないといけない。最初は進む方向に狂っていたのだが、1年着けていたら最近は遅れる方向に狂う。オーバーホールの手間も考えると、おやじには向かないな、と思う。電化製品か機械式かという違いに価値を見いだすような人じゃない。僕は狂う時計が好きなんだけれど。
で、いろいろ悩んだ。かっちょいいクロノグラフの時計はたぶんこれからのおやじの視力だと意味がない。それでも、日付ぐらい表示するとうれしいんじゃないだろうか。結果、SEIKOの時計を選択。電波&ソーラーパワーで10年はメンテナンスフリーらしい。なにもいじらなくても正確無比だから、おやじにぴったり。おやじでも知っているブランドであまりあか抜けないデザインもお似合いだと思う。文字盤の色ぐらい、青のおしゃれなやつにしようかとも思ったが、断然見やすい白文字盤を選んだ。
で、買って実家にもっていき、突然渡してサプライズ。喜んでいた。