5月2日

 朝、6時前に気が付く。オイルだだ漏れのロードスターのエンジンに火を入れ、出発する。朝はまだ寒いので革ジャンを着込む。急いでいるので、幌は閉めたままだ。

 向かったのは霧ヶ峰高原である。諏訪の某氏が東京に引っ越してしまう前に隠れ家に宿泊しているので、仕事が始まる前に一緒に走ることにしたのだ。待ち合わせは6時半。ちょっと間に合いそうもない。

 松本市入山辺から三城方面に駆け上がり、今年から無料になったよもぎこば林道を経て、同じく無料になったビーナスラインに至る。まだまだ花が咲く季節ではないためか、道にはほとんど車がおらず、快調に飛ばす。松本の平らでちょうどよい燃調に合わせたのに、標高1500mでは11台前半を示す。ノーマル燃調だと、9とか8ぐらいまで濃くなるかも知れない。空気が薄いとGTウイングも効きが悪いんだろうか。

証拠写真

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 霧ヶ峰に至ると諏訪の某氏とすれ違い、合流する。時計を見ると6時40分。少々遅れたが、ぎりぎり間に合ったことにしておこう。車を走らせたり、写真を撮ったり、歩いたりしながら過ごし、8時前に解散する。オイルをチェックしたら果たしてレベルゲージに少し付く程度にまで減っていた。車を止めている場所にくっきりオイル染みができるぐらいの漏れ方なのだから、数十分の全開走行でかなり減ったに違いない。オイルをたれこぼし、環境を破壊しながら走っていることに罪悪感を感じる。早く締め付けないと。

 オイルを足して、帰りもいいペースで帰った。ただ帰るのではつまらないので、台上の駐車場を目指す。駐車場に到着した途端、駆け下りて、写真を撮ってすぐに走り去ったから、同じ駐車場にいた人たちはかなり怪しく感じたに違いない。

 ここで異変に気付く。いや、異変じゃなくミスだ。燃料計の針が「E」にぴったりと張り付いている。出発したときには半分より少し少ないくらいだったのに、山を駆け上がったため、ほとんど空っぽになってしまった。やばい、と思って走っていると、果たして、がくん、と燃料の噴射が一時的に止まったかのようにエンジンが息付きをした。標高2000m付近にJAFも来てくれないだろうし、ピンチである。すぐ止まるかと思ったら、普通にエンジンが回っているので、焦る気持ちを抑えつつ、省燃費運転に努める。

 下り坂に差し掛かると、またエンジンがストールしそうになった。やはりおかしい。ガソリンがないに違いない、と考え苦肉の策に出た。必殺、エンジン停止である。キーをひねってエンジンを止めたら、重ステなのでハンドルは大丈夫なのだが、ブレーキの利きが悪くなった。急な下り坂だし危ない。インマニの負圧さえあれば、利くようになるはずなので、キーをOFFにしたまま、ギアを入れ、エンジンブレーキを使う。ブレーキも利くようになった。

 タコメーターも油圧計も、水温計も「0」になったままひたすら惰性で転がっていく。燃焼していなくても、排気音はするし、水温はそれほど下がっていかない。試しにアクセルを踏んだら、排気音が変わった。燃焼していなくても、音が変わるんだねえ。

 上り坂や平地に差し掛かると、キーをひねってエンジンに火を入れてやる。下り坂に差し掛かったら、再びキーをOFFにする。

 それにしても、燃料計を見てみると、あと数十キロぐらい走れそうな位置にある。燃料切れになるときは、前兆があってから間もなくエンジン停止するらしいし、どうやら様子がおかしい。とりあえず、下界まで下り、エンジンを始動して走りだすと、普通に走るものの、ときどき燃料が噴射されなかったように、がくがくっとエンジンが息付きする。タイヤが鳴くほどのエンジンブレーキがかかるぐらいである。故障か。

 どうやら、スロットルポジションのセンサーが不良なのかも知れない。そう思って回転を上げ、アクセルOFFにする。空燃比計をにらみつけると、燃料の噴射が止まっていないよう。1800回転(だったか?)以上回っていて、アクセルOFFすれば燃料カットをするのが通常の制御。よって、スロポジセンサーの不良に決定だ。空燃比計は、トラブルシューティングにも役に立つのである。

 予備のスロポジセンサーはあったかな、などと考えながら、家に戻って車を止め、センサーを見ると、なんだか様子が違う。あるべき配線がない! あれっと思って下を見ると、オルタネーターのベルトに接触してぼろぼろになった無惨な姿の配線があった。そういえば、エンジン積み替え時に、カプラーの脱落を防ぐ金具をなくしてしまったことを思い出した。スロポジの配線がすっぽ抜けていれば、そりゃあ、エンジンもおかしくなるはずだ。

 配線は中の銅線が剥き出しになった悲惨な状態だが、断線はしていない模様。ビニールテープを巻けばなんとか復活できそうである。

 金具をなくしたのなら、きちんと配線が外れないように処理しておくべきだった。事故につながらなかったのが幸いだ。激しく反省。