5月19日

 軽井沢ミーティングの申し込み期限が明後日に近づいていたので、慌てて申し込みした。もちろん、会社のファクスを無断で私的使用して申込書を提出したのは言うまでもない。当日申し込みでも1000円多く支払えば入場可能だが、いちおう仕事がたまっていたとしてもそれをなげうって行くことに決めているのだから、あらかじめ申し込んでおくのがマナーというものだろう。封筒で届けられるミーティングの詳細とステッカーを眺めてにこにこするのも、楽しみの一つである。

 ミーティングは一人ひとりが楽しむものである。軽井沢みたいに大きなミーティングとなれば、あれこれ参加者を楽しませてくれる仕掛けがいっぱい用意されているので、なんとなくフラリと参加しても、そこそこ楽しめてしまう。このあたりの盛り上がりを、裏から支えているボランティアのスタッフの方々に頭が下がる思いである。僕らはたった3000円を支払ってわーいと遊んでいればよいのである。

 が、あれこれ仕掛けが用意されていても一人ひとりが楽しもうとがんばらなければ、「なーんだ、こんなものか」と独り、投げやりなせりふを吐いて、寂しい思いを抱きつつ、帰宅する羽目になってしまう。ミーティングなんてつまらない、なんて勝手に決めつけ、薄ら笑いを浮かべつつ、昼過ぎにはもう会場を後にして、寂しくハンドルにぎって軽井沢銀座を流しているのでは、あまりにも不幸である。

 ミーティングという名の通り、人と人が出会うイベントである。クラブごとに参加している人は、クラブ仲間との親睦を深めるであろうし、ロードスターの知り合いと年に1度会えるチャンスとなるかもしれない。人づきあいが疎遠になりがちな現代であってもやっぱり顔と顔をつきあわせて実際に相手の表情を見ながらお話しすることは、ネット上でのつきあいの何倍も有意義であって、日ごろのルーチンワークで疲れがちな気分も、一気に晴れるのである。

 誰かと会う、という目的がないと、やっぱりミーティングのおもしろさは半減してしまうものであって、そうなると、なかなか足が向かない気持ちもよく分かる。もし、このくだらない文章を読んでいて、軽井沢に行きたいけれど、何となく気が引ける、会う人もいない、という人がいるのなら、「変態」と呼ばれている僕のクルマを見て、一言でも良いから会話をする、という目的を作っても良いかもしれない。素人がいい加減に作ったエンジンの、どろどろと調子の悪いアイドリングの音を聞いただけで、軽井沢に行く立派な目的になると思う。

 えいっとがんばって足を運んで、いろいろ見聞したら、もっとロードスターというクルマのありがたさを実感するはず。