仕事でなぜか標高2000mの美ヶ原高原へ行った。我がロードスターは秘密の作業のため入院中である。気持ちいいワインディングを走れないのは残念だが、もう一つの相棒、ジムニーで向かう。
インタークーラーターボが付いているとはいえ、550ccのエンジンに、ロードスターとそれほど変わらない車重で、当然遅い。ギア比で加速力を稼いでいるので、1、2速はあっという間に吹けきってしまう。しかも、調子が悪くてブーストが掛かるか掛からないかの領域でぎくしゃくと息付きをしてしまうのだ。だから、長い坂道を駆け上るには、いかにパワーバンドから外さないようにシフトをして運転するのかが重要となる。
湯水のように金と時間をつぎ込んでいるロードスターであるが、ジムニーにはほとんど手をかけていない。洗車もしていない。そういえば、スタッドレスタイヤのままであることに気が付いた。いくら仕事用の車とは言え、少し不憫に思う。
遅いジムニーではあるが、高回転を維持して走れば、当然、一般車のペースよりは速くなる。松本市の三城牧場へ上がる道で、ホンダのキャパに追いついた。
家族満載ののろのろ運転の車であるが、ジムニーのパワーとギア比だと上り坂ではかなり長い直線でないと抜くことはできない。この車の後ろについて行かねばならぬのか、と観念しかけたところ、道路の少し先まで見渡せる場所に出たので、ごめんなさい、とつぶやきながら、ゆっくり追い抜きをかけた。
ようやく自らのペースで調子よく走れるようになったと思ったら、今度はBMWに追いついた。こいつは譲ってくれそうにもないな、と思っていたら、案外とあっさり道を譲ってもらう。軽自動車がものすごい勢いで追いついてきた上、倒れそうなぐらいのロールでぴったりと後ろを付いてくるので怖くなったんだろう。
ビーナスラインに至るとさすがに交通量が多く、のろのろのペースで走ることになった。ギア比が合わない速度でコーナーを曲がると、一気に前の車に置いていかれる。いらいらが募る。
美ヶ原の「美しの塔」の前にたどり着き、約10分ほどそこにいただけで再びジムニーに乗ってとんぼ返りした。次の予定があったからである。
マフラーからときどき「ポン」という音がするし、どうも点火系の調子が悪いのかな、と思った今日のジムニードライブであった。