統一地方選ということもあり、連日連夜仕事なので、せめて気持ちだけは休日気分でいたいときにはロードスターで出勤する。もう22万キロ近く走ったポンコツだけれども、部品を取り寄せてある幌さえ交換すれば、しばらくはぴかぴかの旧車として働いてくれるだろう。僕にとってはいつまでも「命の洗濯機」であって、どんなけぼろぼろになろうとも大切な車なのは言うまでもない。
あまり仕事仕事と根を詰めると病気になっちゃうので、ちょっとばかり、贅沢な時間を送ってみる。とりあえず、仕事が一段落してから午後11時ぐらいに後輩とブロンコビリー(遅くなると営業している店が少なくなるので)に行き、分厚いステーキを食べ、その後、ロードスターの助手席に後輩を乗せ、開幌してドライブへ。
信州・松本にいたときなら、あっという間に美ヶ原やビーナスラインで野生動物たちの王国へ分け入ることができたのだが、今は尾張平野である。走っておもしろい道と言えば、木曽川の堤防道路しかないので、尾西へ向かって堤防に出、おもむろに堤防道路を走る。
木曽川の堤防は「木曽川堤」の桜が有名。本当は河川の堤防に桜を植えると治水上は良くないのだが、地元の人たちが桜を愛でて、ゲリラ的に植えちゃって名所になった場所である。
5分咲きぐらいの桜のトンネルの下を走り、江南へ向かう。コヒガンザクラが植えられている場所を通り抜け、地元道を走って五条川へ。枇杷島から犬山までずっと桜が植えられている川である。
大口から岩倉と抜け、清須まで走る。愛知県境から名古屋市境まで南下したことになる。進路を西に向けて稲沢に抜け、再び木曽川の堤防に出て、旧祖父江町を北上して再び、スタート地点の尾西へ。2時間で尾張平野の北部を桜を見ながらぐるりと一周した。
忙しい日々の合間に、贅沢な時間の使い方をしてみた。同じ2時間でたまっている仕事を片づけることだってできるのだけれど、あえて無駄な時間をすごすことだって、健やかに生きていく上では必要なことなのである。