4月3日

 職場にNikonのD3が転がっていたので、勝手に持ち出して使ってみた。

 カメラはNikonのF90Xから始まって、デジタル化に伴い、Canonに乗り換えた。2005年当時、今使っている20Dは、NikonのD70と比べても20Dが優れていたし、何よりもカメラマンの同期が「キャノンにせよ」と言ったので、素直に従った。

 当時びっくりしたのが、ISO800常用でもまったく問題のない画質。さらに、手ぶれ防止のISレンズは8分の1秒でシャッターを切ってもほとんど失敗がないくらい。じーじーと迷うF90Xのオートフォーカスはいざというときに切れなかった困ると信用できなかったので、マニュアルフォーカスで使っていたけれど、一瞬で決まるCanonのオートフォーカスにもびっくりした。

 で、D3。F90Xに付けているAi AF Zoom Nikkor 24〜120mm F3.5〜5.6D(IF)という10年前のレンズを取り付けて、DXフォーマットのモードになっていたので、FXモードに切り替えてみる。20Dに比べてでっかく広大なファインダーにびっくり。10年前のレンズでも関係ない素早いオートフォーカスにびっくり。巨大な液晶ディスプレーにびっくり。連射の速さにびっくり。露出の的確さにもびっくり。絞り優先にしてどうやって絞りを決めるのかが分からなかったけれど、右手人差し指のところにダイヤルがあることに気がついて、操作したら指がつりそうになった。

 巨大サイズのファイルを操作しているのにさくさくとプレビューとか拡大できるし、自由自在な操作感。シャッター音もしびれる感じ。こりゃあ、欲しくなるなあ、とあれこれ撮影する。20Dはぎらぎらした感じの画像が得られて、それはそれできれいな感じで良いのだけれど、D3は落ち着いて見たままの感じで、空気感も再現しているようで、こちらも好印象。

 何よりも高感度だ。ISO6400が普通に使えるってことは、すでに感度ではフィルムカメラを凌駕していて、僕の仕事にはそれが一番ありがたい。体育館の中の競技とか、夕暮れ時のサッカーや野球とか、スポーツにはもちろん、隠れて撮るとかフラッシュがたけない場面や早朝、深夜帯の事件などなど。愛知県にいたときは立てこもり事件があったねえ。あんな場面で、規制線の外から超望遠で狙うときに6400があったら、すごく楽だったと思う。あとは、花火とか夜イベントとか。

 センサーの面積はあまり関係ないかな。クリアな絵を求めるので、同じシャッタースピードでできるだけ絞り込むという使い方をする。お花とかの写真でも見ている人を写し込むことがほとんどなので、若干絞り込んだ絵を撮ることが多い。強調した表現を狙った写真ではボケが必要なこともあるけれど、DXのぼけで十分というか。画素数は800万もあれば十分すぎるほどなので、こだわらない。ま、トリミングできる幅が増えるのはありがたいけれど、撮り方でカバーできる。

 D700ってこれとほぼ同じ性能なのに20万ちょっとなんだよなあ、と考えると、猛烈に欲しくなる。キャノンの5D MarkIIを待っていてかなりずっこけたので、輪を掛けてほしい。

 んが、今の僕の持ち場では、このカメラが必要になるシチュエーションがなくて宝の持ち腐れになってしまう。おっさんたちが集う場面の撮影は、20Dで十分すぎるどころかコンパクトデジカメでもOKなぐらいだ。どうせ使わないし。

 ということで、カメラ買い替えは踏みとどまっているのが現状。こんなすっごいカメラの後継機はしばらく後になるかもしれないが、もし出たとして高感度側の性能がD3やD700よりも劣っているようならば、在庫処分品を即ゲットな感じ。たぶん、Nikonであれば高画素に走った機種を出したとしても、一方で、よりすごい高感度、画質に振ったカメラを出してくる気がするので、心配はいらないだろうけれど。