4月3日

 ガソリンの税金がいきなり25円安くなり、富山市内でもレギュラー150円前後から128円ぐらいに下がった。暫定税率期限切れ。ガソリンが安くなるのは車野郎としてはけっこううれしいものなのだが、はっきり言って、今回の値下げは政治家たちの怠慢というか、無責任さの表れであって、結局、つけを払わされるのは僕ら一般ピーポーだと思う。

 今回のガソリン値下げは民主党のパフォーマンス、人気取りに過ぎない。

 確かに「暫定」が際限なく続けられたのは政治の怠慢というか、取れるところから取ってしまおうとだらだらと惰性で続けてきた政治のつけなことは間違いない。税金に消費税がさらにかかるような税体系はやめて、もっとシンプルにすべきだと思う。が、少なくとも日本の地方の経済は暫定税率を当てにして回っていたのであって、突然ぷつりと無責任にやめてしまうなんて、大人のやることとは思えない。

 こう書くと、無駄遣いを肯定するのかと怒られてしまいそうなのだが、そうじゃない。道路特定財源って、都会と地方の格差をなくす所得の再配分の仕組みになっていたところがある。基幹産業がない地方で、土建屋に税金が回ってくることで、経済が回って発展してきた。たぶん、そんなことは20年は前にやめていなければならなかったのだけれど、一度はじめたことはなかなかやめられないのが日本の行政の特徴。仕組みだけが一人歩きし、最近ではお金があるから計画を立てたような道路もある。

 ガソリン税のあり方は良くなかったけれど、それをぷつんとなくしたらどうなるか。現在進行形で進んでいるけれど、ガソリンスタンドはただでさえギリギリのコストで競争しているのに、逆ざやで売らねばならないし、造りかけ道路は工事が中止された。忘れてはいけないのは、恩恵を受ける消費者の裏に、ガソリンスタンドや工事現場で働いていた一般ピーポーがいることである。理不尽な理由で職を失うかもしれない。風が吹けば桶屋が儲かる、ということわざもあるように、今回のガソリン値下げが思わぬところで問題を引き起こすかもしれない。実際、つぶれる土建屋だって出てくるんじゃないかなあ。ちょっと考えただけで迷惑がかかる人たちが多くいそうであるのなら、ぎりぎりのところで譲歩して迷惑がかからないようにするが政治じゃないのか。

 なんだか、ここ最近の民主党の振る舞いって手に入れたおもちゃをご機嫌に振り回す子どものようにしか見えない。参院選は地方で「一度はやらせてみても良いのでは」と票が入ったけれど、ガソリンの値段が下がったからって素直に支持に回るほど、有権者って馬鹿ではないと思う。少なくとも、富山では勝てないな。