4月29日

 正午ごろ目覚める。地球の自転を感じたので二日酔いが分かる。それほど睡眠をとったわけではないから、仕方がない。

 毎年恒例の飲み会が曼陀羅寺であるので、休みを取っておいた。曼陀羅寺の奉賛会の重鎮を務める素敵なおじいさんと、江南市の職員と、僕の会社の先輩とで飲むのだ。午後2時の待ち合わせ。

 のろのろと支度をしていたら、電話が鳴る。先輩が江南駅に来ているというので、タクシーで拾ってもらうことに。

 曼陀羅寺へ。フジが名物の公園がある。昭和29年に「観光の目玉を」とフジを植えることに決めて丹精して育ててやっと昭和41年ぐらいから「江南藤まつり」を開催できるぐらいまでのフジ棚を育てた。フジは房が垂れ下がる花だから「運気が下る」だとかあまり縁起がよい花と思われていなかったのだが、桜の季節の後、ゴールデンウイーク中に花を咲かせるということで導入。成功を収めたけれど、世の中の常、後発組にまねをされてしまい、往々にして後発組の学習をして良い結果を出す。

 愛知県の場合、津島市が天王川公園にフジを植えて、今ではこちらが有名になってしまった。現在、曼陀羅寺公園は名声を取り戻すべく再生工事中。塚本こなみさんという日本一の樹木医を呼んできて、フジ棚を1から設計しなおしてもらった。3年計画で大規模な工事をするうちの今年は1年目が終わったところ。メーンのフジ棚が手を入れられてしまったから、今年曼陀羅寺に来た人はさぞかしがっかりしたに違いないのだけれど、これも再生のためには仕方がない。

 万博のグローバルループみたいに板張りになった新しいフジ棚を案内して、庫裏へ。昭和29年にフジを植えた当時を知っている素敵なおじいさんらとともに昼間っから宴会へ。このおじいさん、「80歳はまだ花盛り」「わしゃ夜の帝王じゃ」などと、人を飲み会に誘っては毒を吐いている豪傑。僕も80になったらかくありたい。

 田楽やおでん、タケノコの炊き込みご飯など、いずれも絶品の味のおつまみに舌鼓を打ちながら日本酒をがぶ飲みする。越乃寒梅だとか上善如水、雪中寒梅などなど、新潟やら岐阜やらのお酒を次々に開けて、まるっと4升を飲み尽くしてお開き。

 まだ午後6時すぎだったが、家に戻ってすぐ寝たのは言うまでもない。