4月25日

 ロードスターのオイルを全然変えていなかったので、久しぶりに交換した。これまでRSファクトリーSTAGEで買ったCALTEXのハボリンを入れていたのだが、在庫が切れてしまったこともあり、違うオイルを試してみる。

 レースのエントリーネームにも入っている「アップワード」のオイルだ。どうやったら手に入るのかは知らないが、聞くところによれば流通経路を通った場合、4リットルで1万円はくだらないらしい。添加剤が贅沢らしく、使っているうちにエンジンの回り方も変わってくるという。

 とりあえず、ジャッキアップして、廃油捨て箱にオイルをぶちまけておく。オイルが落ちている間、ある作業をした。

 AE101の4連スロットルの口径は43mmぐらいだったか。NBのインマニが可変機構を持っていて、低回転と高回転で吸気管の長さを変えて低速トルクと高回転のパワーを両立させようとしていることを引き合いに出すまでもなく、吸気管の長さと太さってエンジンの特性にかなり関係しているらしい。どうも、僕のエンジンの場合、43mmの口径だとちょっと大きすぎる気が、最初からしていた。「低速トルクなんていらないぜ」と極論を言っていたから別に良かったのだが、低回転でなるべく燃料を使わない運転をしてガソリン代を節約したいので、もうちょっと低速トルクをなんとかしたい。吸気管の長さを長くしてもちょっと変化があるかもしれないが、スペース的に難しい。カムを変えてバルブタイミングを見直せば良いのだが、カムをもっていない。一番手っ取り早いのが、吸気管の口径を変えることである。

 マツダスピードの4連キットに付いていた口径を絞るプラスチック製のカラーを手に入れていたので、それを装着する。ファンネルを外してはめ込むだけのとってもお手軽なものである。

 この上にファンネルを装着する。このまま装着すると、吸気の経路に思いっきり段付きができてしまい、ファンネルの意味が半減する気がするが、今回は気にしないことにする。

 とりあえず、エンジン側からの吹き返しでスロットルが真っ黒に汚れていたのでキャブクリーナーで綺麗にする。かけるだけで面白いように汚れが落ちる。が、あまり揮発しないので、スロットル上流にクリーナーの水たまりができてしまった。清掃の邪魔だったので、エンジンを始動する。

 きゅきゅ、ぶうおおおおおおぉぉ

ぶうおおおおおおぉぉ

変だったので、2秒ぐらいですぐエンジンストップ。そういえば、ISCVの配管を付け忘れていたので、そこからエアを吸ってアイドルが高くなってしまったのだ。いじるの、久しぶりだから忘れていたよ…、と、ISCVの配管(写真の青いパイプ)をねじ込む。ぎゅぎゅっと作業しながら、重大なミスをしていたのに気が付いた……。

 オ、オイル交換の最中だった…

オ、オイル交換の最中だった…

 エンジンオイルを抜いた状態でエンジンを始動しちゃったのである。ま、2秒ぐらいだけだし、大丈夫だろう、とアップワードの高級オイルをぶち込む。ハボリンに比べて粘度が柔らかい感じ。名古屋弁で言うと「しゃびしゃび」である。

 が、エンジンを暖機してみて驚いた。ばんばん油圧がかかるのだ。さすが高級オイル。固いオイルの方が油圧が上がるという固定観念があったのだが、改めなければならないらしい。

 キャブクリーナーで洗浄したせいでアイドリングの回転数が上がってしまったのでアジャストスクリューを全閉にして調整。ファンネルとエアクリーナーも取り付けてみて、最初に分かった違いは吸気圧である。平均520mmHgぐらいだったのが、490mmHgに変わった。

 簡単にカラーを差し込んだだけの吸気系路の変更でさえ、これだけの変化が出てしまう。吸気圧でエンジンを制御するDジェトロの場合、スロットルを閉じたときの吸気圧の変化が致命的でセッティングがぐちゃぐちゃにずれてしまう。このエンジンを組んでから、一度もバルブタイミングを変えていないのだが、それもバルタイを変えたら一からセッティングをやり直すのが面倒だからである。スロポジ制御ならこんな悩みはないのだろうけれど。

 変化があるのか半信半疑だったのだが、やっぱり低速トルクが出て扱いやすくなった。これまで高速道路を5速で100キロで巡航するとき、走れないことはないのだが、少し上り坂になっただけでつらかった(ぬうわキロぐらいだと調子が良かった)のだが普通に走れるようになった感じ。ついでにスロポジのアイドル接点をきちっと出したこともあり、ぎくしゃくしなくなって街乗りがかなり楽になった。

 カラーを入れることによって、狙い通りの効果があった。もちろん、高回転でのパワーは犠牲になっているだろう。が、しばらくロードスターでは全開で走らないから、これで良いのだ。