土曜日に富山の車屋さんに向かった。間瀬サーキット走行会の反省会へ出席のためである。こう書くとなんだか固い行事のようだが、ようは飲んで騒ぎにいったのである。
背中の痛みは相変わらずで、肝臓への不安をかかえながらの参戦であったのだが、「ちょっと今日は飲めません」などと野暮なことは言えないから、背中をさすりながら、大量に飲んじゃった。いや、ただ自分が飲みたかっただけであるのだが。
ビデオで自分が走っている姿を見た。ライン取りはまあまあ良い、とのことだったので安心する。だんだん酔いが回り、車談義に花が咲く。仲間とこうした時間をすごせるのは、本当に幸せなことだと思う。
泊めてもらって翌日、みなさんは糸魚川へツーリングに出掛けていった。生憎の雨模様だったのが残念。僕と車屋さんが残り、おもむろに作業を始める。
突風で倒れて凹んだボンネットや、これまでさまざまな傷が付いてきた前後バンパー、トランクを塗り直してもらうことになったのである。いくら14万キロ近く走っているとはいえ、やはり愛車はきれいに乗っていたいのである。代わりに改造中でどんがらになっている車屋さんのロードスターのパネルを貸してもらう。同じVスペ・ネオグリーンだからできる技だ。快く貸してもらえた車屋さんの心意気に感謝することしきりである。
この車屋さんのロードスターは、近くのサーキットのあるカテゴリーで一番時計をたたき出すほどの異常な速さ。GTウイングにフロントバンパーのカナード、黄色いセンターストライプ。形だけ同じになっただけだが、なかなか誇らしい気分になるものである。午前中で付け替えて作業をお願いし、夕方から用事があったので、隣町の豊橋市に向かう。
豊橋は富山から見ると、岐阜県をはさんだ愛知県の南端の街である。日本海側から太平洋側へ突き抜ける形。おもむろに国道41号を走り、高山へ。国道156号を走って東海北陸道飛騨清見インター。名神に至り、東名豊川インターで下りる。目的地までドアツードアで300km。近い。
ここの道中でGTウイングの威力を知る。雨降りで路面は完全ウエット。コーナー中に感じる不安感が違う。ステアリングの手応えも違う。思わず顔がにやけてくるのである。これはすごい、と。間瀬のバックスストレートでもう少し踏んでいられる余裕ができるに違いない。ストレートスピードが若干殺がれることを考えても、1秒くらいは上がりそうである。
日曜夜の松本までの250kmほどの高速道中はもっと感動した。完全ドライなので多少の無理が利く。走った人なら分かるだろうけれど、恵那山トンネルを抜けた後のコーナー連続区間で違いがはっきり分かる。ハンドルの手応えが違う。いつもなら接地感がなくて怖くなり、アクセルを抜いているところでがんがん踏めちゃうのである。
ああ素晴らしきGTウイング。