4月2日

 スーパーを回る機会があったので、消費税総額表示で店内の価格表示がどう変わったかを見ることにした。スーパーと言えば、チラシや店内のポップ表示に「148円」だとか「298円」とかいう、末尾に「8」の数字を使うのが特徴だ。どうも、100円じゃなくて98円、150円じゃなくて148円、200円じゃなくて198円とするのが消費者の心理的に、品物をかごに入れやすい数字らしい。高額の家電製品にしても同じで、39800円だとかそんな表示をよく見かける。

 市場近くのジャスコでは、ポップ表示に本体価格が併記されていた。たとえば、愛媛産のイヨカンであれば、赤字で大きく417円と書かれ、その下に少し小さな時で「(本体価格398円)と書かれている。グレープフルーツの609円(本体580円)みたいにこれまでの価格設定に消費税を上乗せしているものが多かった。逆に、熊本産とよのか(イチゴ)なんかは、397円(本体379円)と、400円を切るように設定したことが分かるものもあった。それでも価格の末尾が奇数だと、どうしても違和感を感じてしまう。これまでいかに「8」に慣らされてきたのか、ということを改めて実感する。

 もう一つ、目立ったのは独自開発の「トップバリュー」ブランド3月25日から値下げしました!というポスターだ。例えば、本体価格128円だったのを、消費税込み128円になるように122円に値下げする、といった具合。総額表示の割高感を解消して、競争他社に差を付けようという戦略か。いずれにしても、店内にレシートの見方だとかをきちんと張ってあるところ、まじめに取り組んでいる姿勢が伺える。

 迎え撃つのは、イオングループと同じ「勝ち組」・イトーヨーカドーで、こちらは4日まで消費税総額表示の割高感解消10%割引セール。レジで消費税込みの価格から1割引く、というのだから、思い切ったセールだ。

 店内の価格表示だが、緑区のイトーヨーカードーでは、アスパラガス199円、とちおとめ(イチゴ)399円などとの総額だけを表示する方式。末尾が「9」の品物か、100円、200円というようにキリがよい数字が目立った。これもちょっとこれまでと雰囲気を変えることで、総額表示による便乗値上げがないことをアピールしているのかもしれない。

 一方、ナフコやヤマナカ、ユニーなど名古屋周辺の地元スーパーでは、これまで通り、「8円」の価格設定が目立った。本体価格も書いていないから、総額表示前と店の雰囲気がまったく変わっていない。入り口付近に「総額表示に変わりました」というポスターだけ張ってある。

 面白いのがレシートで、ほとんどのスーパーが合計金額とは別に「内消費税いくら」という表示があったのだが、イトーヨーカドーだけは消費税がいくらかまったく記載がなかった。これはコンビニのセブン−イレブンやファミレスのデニーズなど、イトーヨーカ堂グループのお店も同じ。いくら税金を負担しているのか書かない、というのは、なにか裏に意図を感じてしまうのは僕だけではあるまい。消費税がいくら含まれているか書かない方式だと、将来、消費の税率が10%とかに上がった場合でも、実感が薄くなってしまうことは確かである。

 たかが価格表示なのだけれど、いろいろ見比べると、それぞれの企業の思想や思惑が出ていて面白い。