本番、というものは往々にして突然やってくるものなのかもしれない。エンジンを積み替えて間もない我がロードスターで昨日突然、長距離を走らねばならなくなった。まだ積み替えて30キロぐらいしか走っていない。
エンジンのアイドリングはとても静かだし、空燃比も安定している。あとはオイルクーラーの回路やどこかのシールの劣化によるオイル漏れだけが不安定要素である。油圧だけ気を付けていれば大丈夫であろう、と長野道に乗る。
高速でフル加速。中回転のトルクはまずまず出ているものの、高回転で頭打ちするのがいただけない。やっぱり遅いのじゃないかしら。油圧は安定している。今回はマツダ純正オイルをぶち込んだので、最近入れていた合成油に比べて、全体的に油圧は低めである。油圧なんて、掛かってりゃ大丈夫さ。オイル残り1リットルちょっとを体験したものの、実感。
全然問題ない、余裕だと、高らかに笑おうと思ったら、ふと水温計が目に入った。いつもよりやけに低いのである。70度の位置に張り付いてしまっている。何が余裕なんだ? どういうこと?
油温を見ると80度で安定しているので、冷却水漏れのようなトラブルではなさそう。少々精神的に悪い水温でしばらく走行し、サービスエリアに車を止める。
リザーバータンクは満タン。オイルも満タン。どうやら、サーモスタットの問題らしい。水温の上昇の仕方などを考えると、どうやらローテンプサーモが入っている疑いが濃厚である。春とは言え、夜の高地は一桁台の気温のはず。高速道路をしばらく走ることもあったので、ラジエーターの半分弱を間瀬走行会のゼッケンで覆って対策した。
走り出す。水温80度ちょっと。完璧である。が、高速を下り、愛知県境の急坂を低いギアで上っていたら、見る見る間に水温が上がり、100度を超えた。102度あたりで止まったので、気にすることなく走り続ける。下りになった途端、ぐんぐん針は下がり、70度台まで低下。なかなかアクロバチックな水温変化である。
今日は再びとんぼ返り。昼間にラジエーターに目張りをしたまま走っていたら、飯田市街に入ったところで100度より下がらなくなった。それでも103度止まり。大森の水温計は100度を超えると急に目盛りの幅が広くなるので焦るが、数値を読んでみればまだまだ大丈夫な水温である。それでも、最近95度以上の水温を見たことがないので、動悸息切れがすることは確か。仕方なく、コンビニでクールダウンする。
中央道に乗ればまたオーバークールになるだろうと思っていたら、なかなか水温が下がらない。仕方ないので途中で目張りを取ったら、今度は70度台。とっても難しい。
サーモスタットの陰ながらの大きな働きを、実感した走行であった。