4月15日

 富山では何てったって刺身がうまかった。居酒屋で出る刺身はもちろんのこと、スーパーにも多彩な魚種のキトキト刺身が並び、よりどりみどり。ブリの若魚「フクラギ」であれば年中、ワンパック398円(2人前ぐらい)で売っているし、富山でよく食べられている「バイ貝」も本当に安く売っている。カワハギの刺身にはちゃんと肝が付いていたりする贅沢さでそんな刺身が本当に安いばかりか、午後8時ぐらいにスーパーに行けば、それらのパックに「半額」のシールが張られるので、200円とかそれぐらいのパックを1つや2つ買えば500円程度でお腹いっぱい刺身が食べられたのである。

 で、名古屋近郊の北名古屋市(紛らわしい)に来て、やっぱり気になるのはスーパーの刺身ラインナップ。仕事を終えてスーパーに行くのは午後10時とかになるわけだが、そんな時間に行くと、まず、刺身は売り切れて買うことができない。あったとしても、ウニだとかイクラだとか、ネギトロとか、若干加工してあって賞味期限が長くなっているものばかり。

 早めにスーパーに行くと、刺身盛り合わせが並んでいたりするのだが、マグロとサーモンとイカみたいな組み合わせ。それぞれ解凍品だったりするわけで、「朝採れ」の富山と品質は比べるべくもない。

 「刺身食べたいな〜」とスーパーを回っても、そんな感じの商品しか並んでいないわけで、買う気にならない。舌が肥えるというのも、善し悪しである。

 この時期、富山湾に限らずホタルイカの旬だ。ホタルイカといえば、スーパーに並んでいるのはガンガンにゆでられたボイルホタルイカ。スーパーの店頭で酢味噌とセットで普通に並んでいる。

 これが富山であれば、生のままスーパーの店頭に並ぶ。ボイルされまくって小さく縮んだホタルイカはおいしいことはおいしいけれど、さっとだけ熱を通したホタルイカのうまさにはかなわない。

 生のホタルイカを使ったパスタを作りたかったのだけれども、愛知に引っ越してしまったいま、富山に買い出しでもいかない限り作ることはできないんだろうか。