2010年はFJ1600からスーパーFJへと完全移行し、鈴鹿のFJ1600はまだレースはやっているけれども、JAFの主催ではなくなった。JAF地方選手権ではなく、サーキット主催という位置づけ。公式かどうかはレースの本質とは関係ないのだが、なぜか参戦台数は激減してしまった。第1戦が6台、11日の第2戦が7台。
ここ10年は、FJで成績残したところで、ステップアップをするのは難しかった。しかし、本格的なレースには違いがないのでプロのドライバーとして生きていくわけではないけれども、レースは楽しみたい、という人には最高の舞台である。車両も格安になった。エンジンもまだまだオーバーホールできるはずなので、イニシャルコストが下がった今、台数が激減した理由がよく分からないが、スーパーFJで走ってください、ということなのだろうか。
ようするに、スーパーFJにとっては一挙に市場が拡大するタイミングなわけであって、コンストラクターにとっては車両を販売するチャンス。昨シーズンから、あるメーカーの車が成績を残していて、これから参戦しようとする人はその車両を新車で買う選択肢となる。昨年、観戦したときにその車は音からして違う気がしたのだが、たぶん気のせいだろう。余計なことを書いたけれど、他メーカーにとってはよくない状況なわけで、あれこれどろどろとした動きが昨シーズンから続いていた。
メーカー同士が技術力とか、それ以外の部分でもやり合うのは勝手にすれば良いのだが、ドライバーがそのしわ寄せを受けているのがまずいところだ。「レギュレーション違反がある」という声が上がった結果、第2戦ではその車は出走できなくなってしまった。走れなかったドライバーも納得できないし、走ったドライバーもけっこうつらい立場に立たされた。だれもおもしろくない結果になってしまった。少なくとも、おもしろくないのはメーカーだけにとどめるべきだった。
同じようなことが上のカテゴリーのF4でもおこっていて、今年からレギュレーションが大幅に変わった。アルミフレームからカーボンモノコックになったのは時代の流れだから良いかもしれないけれど、排気量が1800ccから2000ccにアップ。吸気制限は同じ。最大のパワーは同じでもトルクの立ち上がりが全然違ってくるわけで、別のカテゴリーになるなら良いのだけれど、同じ土俵で戦うのだから、2009年までの車で走っている人にとったらおもしろくない。
メーカー、主催者の都合ばかりが先行してドライバーは置き去りな感があるのが残念。