この土日はエンジン製作の詰めの作業をしていた。まず燃焼室容積測定。注射器ではお話にならないぐらい誤差があるのが悩みだったのだが、名古屋駅の東急ハンズで10mlのピペットを発見! 2回測ってもその差が0.1〜0.2ccだからかなり正確に測れているとみていいだろう。
シリンダーもボーリングが終了し、ピストンとともに届いている。ノーマル78mmから81mmのものを組み込み、排気量は1722ccとなる。出し惜しみをしようとも思ったのだがここで公開しよう。選択したピストンはこれだ!
エスコートというメーカーの鋳造ピストン。ピストンのスカートの形に注目。ピストン自体とピストンピンの軽量化を目指して、こんないかした形をしている。ピストントップはNB2のピストンのような形を想像していたのだが、思ったよりも出っ張りが少なかった。インテーク側の出っ張りがスキッシュの近くまで及んでいるので、ヘッド側燃焼室のスキッシュとの段差を削ったのは正解だったかもしれない。
このピストン、ピストンリング込みで40000円ちょっとだからとっても安い。ノーマルを買っても25000円ぐらいするから。トヨタやホンダの純正品を流用する手もあるが、ピストンやコンロッドの加工代がかかることを考えると、このピストンの方がコストパフォーマンスが高い。
燃焼室容積の平均は37.1ccだった。削りすぎて39cc近くになっていたと勘違いしていたのだが、正確に測れていないだけであった。容積の差は0.2cc程度で豪快に加工した割にはかなりぴったりとそろっていた。人間の勘も馬鹿にできない。
ブロック側の燃焼室の容積も計測する。ここで問題になるのが、ロードスターのB6エンジンはピストンがブロックからちょいと飛び出しているへんてこな設計になっていることである。エスコートのピストンがB6エンジンのピストンの寸法をそのままコピーしたのであれば、同じように飛び出してしまう。
1番気筒だけピストンを仮組みしてみたが、どう目を凝らしてもピストンがツライチより少し下がっている。指で触っても確認できる。飛び出しているとどれだけ飛び出しているのかを測る羽目になる。ガスケットも戸田レーシングの0.8mmの薄いものを選択していたから、まずは一安心である。あまりに隙間が狭いとカーボンをかみ込んで異音の原因になるのだ。
ピストンを3mm下げて、14.3ccほど入った。3mm下げた体積は15.45ccである。ガスケットは戸田の0.8mm分が4.17cc(81.5mm)。すると燃焼室の容積は、37.1+4.17cc-1.15=40.12cc。シリンダーの体積は430.57cc。すると圧縮比は(430.57cc+40.12cc)/40.12=11.73。誤差を考えても、11.5は確実に確保している。鋳造ピストンだし、これくらいがちょうど良いかもしれない。でも説明書にはピストントップで燃焼室容積が-2.8ccぐらい(うろ覚え)になると書いてあるんだよね。今回自分で計測して出した数値だが、説明書通りだとすると、燃焼室容積が38.47ccということになり、12.19という圧縮比になってしまう。ま、どっちでもよいけれど。
部品がそろうまでに、やることがなくなってきたので、ヘッドカバーを加工する。タイミングベルト剥き出しだぜい。