仕事が本格的スタート。で、何をやるかといえば、電話番である。わが社の商品を読んでいる人たちからの情報提供を受ける場。午前10時から午後1時までの3時間、拘束されて、春先には電波系の人からの電話も入るとか、いろいろ面倒なので敬遠されている仕事。それを、僕が最低1カ月は一人で電話番を引き受けることになった。ボス曰く「お前は奴隷だから」。
で、驚くほど電話の本数が少なくてびっくりした。3時間つぶして、たったの2本。どうも、今のボスが着任する前は、しんどい仕事は嫌だよね、どうせなら電話来ないほうが楽だよね、ということで情報提供ダイヤルの番号をあまり載せていなかったらしい。そういう姿勢で仕事をしていると、たぶん仕事のあらゆるクオリティーが下がっていって、商品価値も下がって商売が成り立たなくなるから、自分の首を絞めるだけなのだが。
この業界に共通して言えることなのだが、商品に掲載している文章というのはまったくもって独善に基づく価値判断をして掲載している。受け手が何を求めているのか、どんな記事が好まれるのか、なんてお構いなし。価値判断の基準になるのは行政が垂れ流した情報であったり、同業他社の商品に載っている文章であって、このネットの時代、印刷する前にネットに載るものだから、みんなそろって大体同じような内容になる。ネットの台頭で広告収入ががた落ちしていて赤字になった時代、はっきり言って、これまで通りを続けていったらジリ貧になって先が見えている。
富山の県庁にこもっていた2年半はそこらへんでうんざりしていたので、お客さんからの電話対応というのは結構新鮮な気持ちになる。何が求められているのか。どんな役割を果たしたらよいのか。自分で考えていたって答えはでないが、寄せられた声に素直に反応していたら、それで良い方向にはなると思う。
同じ部内からはしんどいだけの仕事を喜んでやっている、変わったやつだな、と思われているかもしれないが。