3月31日

 この世に発生した日であるなら、世間一般ではめでたいことになっているかもしれないのだが、問答無用で仕事である。

 とこの2年間、同じことを書いている。2年間、まったく進歩はない。

 発生日だから、というわけじゃないのだが、昼ご飯は仕事場の仲間で名城公園まで出かけてそろそろ満開を迎えている桜を見ながら弁当を喰らった。空は春霞で白っぽく、まぶしいほどの青い空の真下でというわけにはいかなかったけれど、とにかく快晴であった。

 よく考えてみると、名古屋城に訪れたのは小学校の遠足以来のような気がする。すぐ近くにあるのに、なかなか寄らないのはやっぱり、小学校のときにがっかりしたからだろう。姫路城をしのぐ素晴らしい建築だったのだが、戦災で焼けちゃった。昭和34年にできた今の名古屋城は、鉄筋コンクリート製。エレベーターまで備えた近代的な建造物なのである。松本城はいくら小さく、城内の階段が急で、内部は頭を打ってしまうほど狭くても、400年の歴史があるというだけで名古屋城に勝っている。当時のままの姿に再建すれば良いと思うのだが、今の名古屋市の財政状況では無理だろう。

 桜の木の下には青いビニールシートを敷いて夜の宴会の場所取りをする会社員の姿もある。彼らを横目にお花見弁当を喰らう。風があって上着無しではちょいと寒かったが、何となく春っぽい気分を味わった。