明日の朝の最低気温は−4度らしい。昼は10度ぐらいまで上がるようになって、かなり春めいてきたのだけれど、寒波が来ればまだまだ雪が降る可能性が残る。
去年はこの時期、ひどい目にあった覚えがある。
3月上旬に、スタッドレスタイヤから夏タイヤに換えた。松本は寒いわりには雪が少なく、スタッドレスタイヤはあまり必要がない。しかし、高速道路の「チェーン規制」だけは逃れようがないのでこの年、初めてロードスターにスタッドレスタイヤを装着した。
それを去年の今ごろ、夏タイヤに戻した。夏タイヤのホイールは、ブレーキかすや油汚れでどろどろだったので、仕事が終わった午後11時すぎから洗った覚えがある。夜の気温は氷点下。雪もちらついていたと思う。そんな中、1人軒先にしゃがみ込んで、ごしごし洗っている姿は不気味だったかもしれない。1本あたり30分ぐらいかけて洗った。ぴかぴかになってうれしかったので、翌日に装着した。しかし、すべての失敗はここに始まったのである。
忘れもしない、ちょうど1年前、名古屋から松本へ帰ろうと、高速道路に向かう途中に目に入ったのは、電光掲示板にこうこうと光る「雪チェーン規制」の文字。駒ヶ根から先は雪が降っているらしい。チェーンなどつけるのはまっぴらだったので、高速を降りる。下道ならなんとかこのまま行けるだろう、となめていた。しかし、路面は圧雪。当時のFM901はまったくグリップしない。アクセルをほんのちょっと踏んだだけで、お尻を振る。ハンドルとは違う方向に車が進む。万策尽きて、吹雪のような雪の中、びしょびしょになりながら、インター入り口で初めてロードスターにチェーンを着けた。
松本に帰ったとき頬が濡れていたのは、雪で濡れたまま乾かなかったためではなかった。