月: 2009年6月

6月29日

 新型インフルエンザ患者が遅ればせながら、富山県でも確認された。こういうところでも流行に乗り遅れる富山県、というか、実はもしかしたら感染して発症した人がいたかもしれないが、周りの視線が厳しい富山県だから、だまって寝て治した人がいたりして。「1人目」となったことが公に分かったら、何を言われるか分からない。

 アメリカから帰国した人、ということなので、県内で発生したわけでも、横へ広がっているわけでもないのだけれど、ドラッグストアでようやく姿を現しはじめたマスクがまた消えることになるんだろうか。それにしても、日本の公衆衛生は優秀で、発生患者数をほぼ実数で把握している国なんて、他にはないんじゃないだろうか。

 「弱毒性だ」と言われていると、風邪程度かしらん、と思うかも知れないが、普通のインフルエンザと変わらない、ということだ。壮健な人であれば、39度ぐらいの熱が出てシンドイ思いをしてから治るけれど、お年寄りや小さな子どもにとっては命取りになるかもしれない。ま、今回の新型インフルエンザはなぜか10代への感染が多いというので、やっぱり、普通に知られているインフルエンザとはちょこっと違う部分があるのかもしれない。

 マスクをして外出する姿が一時期普通になったが、今回の新型インフルエンザでは、マスクは感染を拡大を防止する効果はあっても、マスクを着けている人自身の感染は防げないと、専門家が言っていた。普段、「マスクを着けて」などと喧伝している者としては、ドキッとする説なのだが、弱毒性で呼吸器に影響を与える今回のウイルスの場合、小さすぎてマスクの繊維で捕捉できない、ようなことを言っていた。

 いくら、小さくてもマスクがあるのとないのとでは、かなり違いそうだと思うのは素人考えか。ま、説はいろいろあるのだろうけれど。ウイルスを防ぐ「N95」と呼ばれる規格のマスクなんかは「まともに着けてたら窒息する」なんて言う人もいて、あながち外れてはいないな、とおかしかった。

 話がずれたが、鳥インフルエンザ由来の、全身を侵すような強毒性の新型インフルエンザは、マスクが感染防止に有効なんだって。そちらの鳥インフルエンザが散発ではなくて、まん延するぐらい人類に広がるのか、と言われれば良く分からないのだけれど。

 要するに、抗ウイルス薬が効く(耐性が出てきたというニュースもあるが)ので、怖がる必要はないけれど、せきをするときにはハンカチで抑えるとか、手洗いうがいをするとか、みんながちょこっとずつ気をつけた方が良いというのは、間違いない。

6月28日

 オレンジ号に付いているバネを借りて雅久号の足回りをアップデート。バッテリーの付いていないオレンジ号をよいしょと押してリフトに載せて、うわっと作業して足回りを取り外し、元々の足回りを取り付けてオレンジ号をごろごろ転がして、元々の駐車場所に戻す。オレンジに付いていたFUNCITION
Xは、柔らかいバネを組んで、雨になったとき用のスペア足として確保。なんと贅沢な!

 昨日よりは暑くはないけれど、やっぱり真夏みたいな気温なので、ちょこっと動くだけで汗だく。暑い、暑い、とぶつぶつ言っていても進まないので、淡々とやらねばならない作業をこなしていく。とりあえず、雅久号の足回りは取り付けて完成したので、来週のレースに向けてあとはブレーキを組むだけ。

 時間が余ったので、ISCVの配線をしていない雅号をいじることにする。テスターで配線が通じているかを調べたけれど、電気が来ていたり来ていなかったりとよく分からない。もともと、6年ぐらい前に4連スロットルを取り付けた際に継ぎ足した配線がごちゃごちゃしていて良く分からないのだ。

 いろいろばらして、不要な配線を詰めたり、どんな感じで配線がつながっているかを確かめたり。無事、ISCVが動くことも分かった。Freedomの設定をいろいろ変えたら、ごく、普通のロードスターになった。ごちゃごちゃした配線をきれいにまとめて、配管を取り付けて完成。ついでに、マイナス3000何度を示していた吸気温センサーも、配線の中のギボシ端子をいじったら復活した。

 たぶん、Freedomのバージョンが古いためだろうと思うけれど、アイドル接点なしではまともにアイドル検出をしなくて、エンジンはかかりにくいわ、エンストしまくるわで、ぽんこつ車みたいだった我がロードスターも、NA8Cのスロットルを付けて、ようやくまともな普通の車になったのだった。

6月27日

 インプレッサは1500ccなのだけれど、オートマのギア比とか制御とかいまいちで、「POWER」ボタンを押していてもけっこう遅い。

 それでも、加速しないのは走り方で何とかなるもので、キックダウンなんかも使いながらがんばって走っている。で、今日、仕事で立山黒部アルペンルートの玄関口の立山駅へ行ったので、裏道でちょっと飛ばし気味に走ってみた。

 足回りは柔らか過ぎるけれど、ブレーキやアクセルで荷重を慎重にコントロールしていれば自由自在に走る。コーナーに飛び込んでも変なアンダーとかも出ず、FFなのにけっこうニュートラルな感じで走ってくれる。

 が、やっぱりロードスターとは違うのだ。ロードスターが大好きな狭い道での左、右、左、といったようなワインディング。すいすいっとロードスターが走っていくのに対し、インプレッサはよいしょ、よいしょってな感じ。何よりもボディの重さを感じ、ブレーキの過熱が怖いので、それだけで攻める楽しさが半減してしまう。

 これで4駆になって、ブレーキやタイヤが大きくなってとさらに重くなったときのことを考えると。いくらハイグリップ、大容量のブレーキでもやっぱり、ロードスターの楽しさとは別の次元の話なのだな、と何となく理解した。

6月26日

 「夜になっても暑い季節になりましたよ」と、体育会系の後輩が生ぬるい殺気を送ってきた。

 確か、1カ月か2カ月前、後輩がビアガーデンのオープンの話題を聞いて「行きませんか」と、相変わらず生ぬるい殺気を送ってきた。が、4月か5月、昼は確かに暑いぐらいのときもあるけれど、夜になると一気に気温が下がって肌寒いぐらいになる。肌寒い中で、ビールを大量に飲むのは、けっこうキツイ、ビアガーデンの季節は、夜になっても気温が高いぐらいのときじゃないとだめだ、と力説していた。

 それを覚えていて、そんな季節になったときに話題を振られたものだから、断るわけにはいかない。あきらめて、引きずられるようにしてANAクラウンプラザホテルへと向かう。

 時間は午後8時半。僕らの仕事ではまあまあ早い時間に仕事を切り上げたつもりだったのだが、ホテルについてビアガーデンのポスターを見ると、午後9時半まで。しかも30分後の午後9時がラストオーダーで一人4000円だと。飲み放題だから、これくらいかもしれないけれど、30分でさすがに4000円分は飲み食いできないから、これはいけない、と別のお店で飲むことにした。

 後輩とともに午後7時ぐらいからビアガーデンで飲むには、昼のうちから気合いを入れて仕事を片付け、あとは何も起こらないことを祈って、ちょっと仕事をさぼるような気持ちで向かわないといけないのだな、と再認識した。

6月23日

 お休みをもらっていたので、工場に出掛けておもむろに雅久号をジャッキアップ。今回ブレーキパッドを新調するので、まずはブレーキローターを研磨するために取り外す。

 現在付けているのが1ヒートあたり1ミリ弱しか減らないエンドレスのレース用パッド。NA6CEの小さなブレーキで1時間、全開走行をしてそれだけしか減らないというのは正直驚異的だ。下手なパッドを入れると、2ヒートぐらいで燃え尽きる感じになる。

 ヘタをすると3レース=1年間もつかもしれないのだけれど、レース以外にも練習や、おわらサーキットでの走行もあるので、2レースで寿命を迎えた。まだ、おわらや間瀬の練習に行けるぐらいに残っているのだけれど、新品のパッドを入れるのなら、ローターを研磨しておきたい。

 なぜならスペシャルな性能に対応したスペシャルなお値段がするから。さすがに攻撃性も多少はあり、少しでこぼこしたローターは研磨しておかないと、高いパッドをでこぼこに合わせて削ってしまうことになり、もったいない。

 ブレーキをチェック。シール類も燃えずにきちんとしているので、OK。リアはまだ半分は残っていて、本来ならばフロント側だけ変えればよいのだけれど、エンドレスがブレーキのラインナップを変えてしまい、まったく同じパッドが手に入らないという。利き具合が違うと困るので、念のため、前後同時交換する。もったいないけれど、レース前にチェックできないので仕方がない。

 リアの足回りも組み替えのために取り外す。夜中の大雨がうそのようなかんかん照りで、汗だく。

 2時間ぐらいで作業を終えて、まだ時間があるのでふらふらっとロードスターで開幌して出掛ける。西に向かって走って日光がかなりつらい感じだったので、おとなしく幌を締めてエアコンをがんがんにかけて走った。

 向かったのは金沢。山の上の方にあるカフェ・シャルマダイニングヒルでお茶をして、ひがし茶屋街かいわいに車を止めて、街歩き。遠くに見えた坂道が気になったので、卯辰山方面へと歩き出す。花菖蒲園ではショウブが見ごろを迎えていた。金沢っていろいろな場所にお金が使ってあるなあ、と感心しながら歩く。

 ひがし茶屋街は、午後6時すぎだったこともあって、がらん、としていた。国の重要伝統的建造物群保存地区になっていることもあって、お金を使ってちゃんと街並みが整備してあり、情緒たっぷり。

 ひがし茶屋街を抜けて、西へと歩く。普通の街並みなのだけれど、景観がきちんとしている場所も良いけれど、生活が感じられる街を歩くのも楽しい。ぐるりと浅野川沿いを戻って主計町茶屋街。ひがし茶屋街近くでごはんを食べて富山に帰ってきた。

6月21日

 背筋をももの裏側が激筋肉痛でよちよち歩きしかできない。やっぱり、3回もタイミングベルト回りをばらすのは素人にはきついらしい。あ、おっさんなだけか。

 駅周辺で仕事があったので、車だとかえって煩わしいのでカメラをぶら下げてよちよち歩いていく。朝までの雨がウソのような陽気で、蒸し暑い初夏の通りを汗をかきながら。駅にある地鉄ホテルの11階に上り、エアコンがばんばんに効いていたので一気に汗が引っ込んだ。

 11階から景色を見せるようにしているので、ガラス越しに富山平野が広がる形。足下にはJRと富山地鉄の線路が東西に走っていて、鉄道好きにはたまらない構図。立山連峰は残念ながら厚い雲に覆われていたけれど、黒部の辺りからぐるりと上市あたりまでの山の連なりが見えて、その手前に平野が広がる。西は呉羽山まで。富山湾側は海がちらりと見えるぐらいで、工場地帯が広がっている。日本の行く末について難しいお話をする講演会だったのだが、そっちのけで景色に見とれていた。

 富山は本当にきれいな土地。晴れていれば、3000メートル級の立山から海まで見られる富山の景観って、なかなかほかの土地では見られないものだと思う。田んぼの真ん中に屋敷林を持つ家が点在していて、富山ならではの風景がある。富山県民はそんなきれいな土地を心から愛している人たちなんだけれど、県外の人が来ると「なーん、大したことないっちゃ」(いや、それほどのものじゃないですよ)と謙遜してしまうので、なかなか良さが全国に伝わっていない。

 一気に3000メートル級の山に行ける立山アルペンルートも良いのだけれど、これからは、その土地ならではの風景や、何を作ってとって食べているか、人々の営みみたいなものに価値が出てくる時代になる。「宣伝下手」さえ、何とかすれば、富山ももっとメジャーになるのに。

6月20日

 この間、間瀬で練習してRS Factory STAGEに寄ったときのこと。「この車、クーラント臭いよ」と指摘された。「そうがけ?(富山弁)」と、答えたのだが、冷却水がだだ漏れしている感じでもなかったので、意外な感じ。

 「冷却水減っているかも〜」というおおとろ監督の指摘もあり、やっぱり、次のレースまでにはウオーターポンプ周辺をチェックしなければならないよな〜、と思ったので、休みの今日、ばらしてみた。きちんとチェックしようとすると、吸気管を外して、ヘッドカバー外して、前側全部外して、とけっこう面倒だけれど、横着してトラブルを見逃し、サーキットでトラブルが出ては意味がないので、腰を据えてばらしていく。

 T氏によれば、ウオーターポンプにがたがある、ということだったので、プーリーを外してチェック。クーラントが漏れた形跡もないし、大丈夫じゃないかな、とそのまま戻そうかとも思ったけれど、がたがチェックしてみたら、微妙に軸が動く感じ。新品のウオーターポンプが届いていたので、こちらのがたをチェックしたら、まったく動かない。交換決定。エンジンをオーバーホールして、12000キロぐらいしか使っていないけれど、使い方がまともじゃないので、不安があればさっくり交換してしまう。

 カムの辺りからオイル漏れがあって汚れていた。良く観察してみると、カムのオイルシールではなくて、カムカバーのパッキンか、液体ガスケットでシールした場所から漏れているみたい。オイルシールはいいかなーと思ったけれど、せっかく開けたなので交換した。

 あちこち清掃して確認してまた組み立てる。一番の重労働がヘッドカバー。あれだけのねじを締め付けていくのに、体勢が厳しい。

 余ったねじもなく、水を入れてさあ、エンジン始動。ぎゅぎゅーっ、ばおーん、ぶぶぶぶとなんか異常に調子が悪い回り方。勝手にエンストしたので、これはもう、やっちまったなとあきらめてまたばらし始める。タイミングベルトのかけ間違いだ。初めて、やっちゃった。

 吸気管やら、液体パッキンすら乾いていないヘッドカバーをまた外し、バルタイをチェック。あれ、あっているぞ、と思ったのだが、良く見たらクランクプーリーの白い汚れを切り欠きのマークと見間違えていた…。10数度、タイミングが遅れている感じ。そりゃ、まともに回るわけないよね。

 おおとろ監督に手伝ってもらって正しいバルブタイミングで組み付け。2、3度確認して、これで大丈夫、馬鹿だったね、と再び組み付けていく。何が大変かって、半乾きのパッキンを掃除することだったりする。

 まあ、夕方には終わって再び水を入れてエンジン始動。ぶーん、と普通っぽい。っぽいって何よ、と思われるかもしれないが、やっぱりいつもと違う回り方をしていることが直感で分かるのだ。

 嫌な予感を確実なものにするために、タイミングライトで点火時期を見ると、ちょうと0度で点火してた。いや、実際何度で点火しているのか良く分からない。

 ロードスターのマイナーじゃないかもしれないトラブル、クランクプーリーのずれ(T.O.Racing
Factory
のコラムを参照)が発覚。ずれているクランクプーリーに合わせてタイミングベルトを掛けてしまったので、バルブタイミングは滅茶苦茶。ばらす前に点火タイミングを調べればプーリーに異常があるかどうか分かるんだけれど。

T.O.Racing
Factory

 高いクーラントを入れちゃったので、きれいな容器で受けて再利用(笑)。すでに工場を閉める時間になっているけれども、今日中にやっておかないと次の予定が立たなくなるおそれがあるので、照明の中、ばらして別のクランクプーリーを付けて、タイミングベルトを掛けて、半乾きの液体ガスケットを掃除して、とちまちま作業を進める。

 おおとろ監督にも手伝ってもらって午後8時前に組み上がった。水を入れてエンジンを掛けると、ぶーーん、とまったくもって普通にかかった。お互い顔を見合わせて「うん、普通」と合点。3度目でようやく組み上がった。

 疲労困憊だったのだけれど、おおとろ亭にてビールを飲んであれこれ作戦会議。そのうち、意識を失った。

6月19日

 昨日、仕事をちょこっとさぼってロードスターに乗り換えて工場へ行き、ネクタイだけ外しておもむろにスロットル交換作業を始める。

 たぶん、Freedomのバージョンが古いこともあって、アイドル接点がないNBのスロットルポジションセンサーでは何ともならないと判断。一時期はNA6CEのインマニに交換しようと考えていたのだが、NA8Cのスロットルさえ用意すれば、アイドル接点があるし、リニアスロポジだ、ということで交換作業。スロットルは、RS
Factory STAGE
にて調達。ありがとうございます!>T氏

RS
Factory STAGE

 シリーズ1のスロットルだけれど、NB用のアクセルワイヤもそのままに、スロットルだけ交換すれば大丈夫そう。NA6CEのスロットルは、インマニとの間のガスケットが金属じゃなくてプラハンで叩いて取り外した後にへばりついたガスケットをスクレーパーで取り除かないといけないのだが、NA8Cからは金属製でぽろっと取れる。水回りも別になっているので、より簡単だ。

 さくっとスロットルを交換し、スロポジセンサーの配線をする。NA8Cのカプラーが用意できなかったので、NA6CEの廃車からクランク角センサーのカプラーをもらってきて、外側を破壊して中身の結線部だけ利用する。4本ある線のうち、一番下がアースでその上がアイドル接点だと分かっていたので、あとは勘で配線したら一発でただしく結線できた。

 次は、ISCVの配線。こちらは2本だけだから簡単、と思ったらはまった。AE101のISCVを付けていた関係で、車体側には3本の配線が来ている。どれかを適当に結べば動くはずなのだが、なかなかうまく行かない。全通りを試してみたけれど、動かない。いい加減な配線でエンジンを始動したときに、Freedom側のプログラムが落ちてしまった(リセットで復活する)か、Freedomがメカニカルに故障したか、ISCVがもともと壊れていたか、のうちどれか。仕事に戻らなければならなかったので、ISCVは放置して、アジャストスクリューで適当にアイドル回転を決めて、工場をあとにする。

 アイドルを検出するってFreedomにとってとても大切なことで、不調だとエンジン始動がしにくかったり、アクセルオフの燃料カットでがくがくしたりと、車を捨てちゃいたくなるのだが、スロットル交換ですべて解消。ただ、現状ではアイドルアップができないので、信号待ちのときとかはエアコンは切らないといけない。

 それにしても、NA8Cの「非線形スロットル」にファイナル4.1にと、NA型ロードスターの「不人気パーツ」が2つも付いてしまった我が愛車を見て苦笑するしかない。スロットルについてはレスポンスが良すぎてかえって乗りにくいぐらいだったので、ちょうど良い感じだ。

6月18日

 立山町もホタルがけっこう出るという話を聞いて、3度目のホタルツーリングに出掛ける。スロポジの問題でエンジン始動があまり調子よくないロードスターは置いておき、インプレッサで向かう。

 昆虫王国付近の水田に到着し、車を止めてみると、普通にホタルが水田横の農業用水沿いに1、2匹飛んでいた。山側に車を向け、カーナビの電源も切って、車幅灯だけの光を頼りにのろのろと道を走る。橋を渡ったので、期待を胸に車を止めると、川沿いに無数の光が点々と瞬いていた。午後9時ぐらいが一番元気が良い、という話を聞いていて、ちょうどそのぐらいの時間だったためか、飛んでいるホタルが多い。

 土手沿いをホタルの近くまで歩く。人が歩いていっても「我関せず」な感じで逃げないどころか人なつっこい感じで近くを飛んでいく。飛ぶ様も、ゆったりとたゆたう感じで、ぼうっと明るくなって、すっと暗くなる様子と合わせ、幻想的な光景をつくりだす。

 橋の欄干に白岩川とあった。その光景だけでかなり満足だったのだが、山手に向かって車を走らす。ちょこっとだけ山に入ったところで再び川があったので車を止める。

 川に数匹が。それよりも、隣の水田のちょっと高いところにホタルがいくつも飛んでいるのを発見した。見渡すと水田に隣接した山側の木々の間にたくさんのホタルが。

 水辺にいるホタルがなぜ、森の中に?と疑問に思って、何かあるに違いない、と山手に向かって歩いていくと、分かった。農業用水が、山の斜面に沿って少し高いところを流れているのだ。土手をよじ登って水路沿いを歩く。たぶん、地元の人もホタルを見るのか、雑草が刈り倒されていて、青臭くふかふかの草の上を歩く。

 山の斜面を少し削って水路が築かれていて、左右には木が生えているから水路沿いが木々のトンネルになっていた。草木の葉に、無数のホタルが止まっていて、携帯電話の照明を消すと、真っ暗闇に光だけが浮かび上がってホタルのトンネルになった。狭い空間のあちこちにホタルが止まっていたり、相変わらずのろのろと飛んでいたりして、違う虫ならば恐怖を覚えるかもしれないのだけれど、光を放つホタルだとなぜか「かわいい」と思った。

 あてどもなくホタルを探すドライブに、また行きたくなりそうだ。

6月17日

 Googleのアドセンスを張って数日間。アクセス解析もあってそれを見ているだけでけっこう興味深い。

 やっぱり、張った直後は物珍しさもあって広告へのクリックがあったのだけれど、ここ2日間はぱったりクリックもやんでしまった。最初は「おお、これはお小遣いになるかしら」なーんて、一瞬だけバラ色不労収入生活を夢想してしまったのだが、世の中うまい話なんてあるわけもなく、こんなサイトに見に来ている人は固定された人たちなのだから、飽きちゃったらそれで終わりになるに決まっているのだ。たぶん、マニアックなサイトすぎて、マニアックなコンテンツに対応する広告を出す業者も少なく、表示される広告もあまり代わり映えしないに違いない。

 それでも、使ってみると、ネットで隆盛のアフィリエイトの仕組みとか、どうやってお金が発生しているのかが具体的に分かって興味深い。こりゃあ、無意味なブログとかが無慮数万発生するのもうなずける。どうも、1クリックに対する単価がいろいろ違うみたいなのだけれど、そこら辺の仕組みは企業秘密なんだろう。

 見せ方の問題なのかな、と広告の張り方を微妙にマイナーチェンジしているのだけれど、日を追ってクリック数が減衰していくので、やっぱり固定された人たちが飽きてしまっているだけなのだな、という気がする。自分のところに張ってみると、さまざまなブログや掲示板にたくさん同じようなアフィリエイトがあるのが目に入る。すみからすみまではびこっている感じだ。

 もしかしたら、「クリックしないで!」なんて書いちゃったから遠慮しているのだろうか。許可しますので、興味深い単語が出てたらクリックしてみてください(笑)。