珍しく朝早く起きて、富山市内のマンモス私立高校へ。入試で机に向かう中学生たちの後ろ姿をカメラに収める。自分も、こんなときがあったな、と懐かしんでみる。高校時代から、何ら変わったつもりもなく1年1年積み重ねてきたつもりだが、彼らの倍の年齢になっちゃったらやっぱり彼らと僕の間には大きな断絶があるわけで。ほんの些細な出来事が冒険にも思えたあのとき。
若いときは若いままでいたいという思いが強かったのだが、歳を重ねていくのも、それはそれで楽しい。
試験開始時間ぐらいから雪が舞いだした。お見舞いに行った産婦人科の向かいにスタバがあるのを思い出して、朝食タイム。早起きした方が、何かと充実した日が送れることが分かっているのだが、夜型仕事なのでどうしてもずるずると遅くなってしまう。
富山の冬を体験してみて、いちばん閉口するのが太陽がないことだ。11月ぐらいから毎日空は鉛色。朝、太陽が差さないから朝になった感覚がない。昼をすぎるともう暗くなる感じ。夕方ぐらいには雷が鳴り出したりして、気分を滅入らせる。富山の人にとってはこれが当たり前なんだろうけれど。
太平洋側は冬、スカッと晴れることが多い。晴れた午後、部屋の暖房なんかつけずに、窓際の日だまりでくつろぐときに、太陽のありがたさを感じる。松本にいたときも、来たアルプスが雲を遮っているので、雪雲は到達できても大町あたりまで。松本の晴天率はすばらしく高く、空気も澄んでいるので、常念岳が迫って見えて気分が良かった。さすがにマイナス二桁の朝は厳しかったけれど。年末から正月にかけて何度か名古屋に行ったが、太陽がいっぱい。向こうからこちらに向け帰るときは、東海北陸道のひるがの高原あたりからだんだんと空模様が怪しくなっていく。
気温と路面温度が低い冬は、走るにはとっても都合が良い(待ち時間は寒いけど)から太平洋側ならがんがん走る季節。北陸は雪があるから、走りは封印される。代わりに、あきらめが付くからクルマをきっちり造ってから新しいシーズンを迎えようという区切りができ、プライベーターなんかはむしろメリハリが付いて計画的に物事が進められて良いかもしれない。