月: 2007年6月

6月6日

 3時間だけ寝て、おもむろに身支度を調える。マレーシアのFreedom使いに会いに、東京の小金井市まで行くのである。

 3時半すぎに出発。もちろん、下道で行く。早朝に出るのは、通勤時間帯になるまでの道が空いているときに、できるだけ距離を稼ぎたいから。春日井から国道19号に乗って、木曽福島。普通なら塩尻、岡谷、諏訪と抜けるのだが、市街地を通って効率が悪く、エプソンの通勤ラッシュにも巻き込まれるかもしれないので、権兵衛トンネルで伊那へ。伊那から国道152号、杖突峠、茅野へ。なぜか、つい最近通った覚えがある。

 国道20号に入ってしまえば、あとは谷を抜けて東京まで行くしかない。甲府から先の国道20号はまだ走ったことがなかったから、楽しんでドライブ。甲府周辺の通勤ラッシュに巻き込まれつつ、大月、上野原、相模湖と抜けると高尾山。八王子に入ると、突然都会になった。

 午前10時ぐらいになって、がまんできなくなったので、エアコンを付ける。そうしたら妙に空燃比が濃くなったので、Freedomをいじりつつ、府中市。小金井街道を通って、午前11時すぎ、武蔵小金井駅付近に到着した。ここまで400キロ弱。

 弟のFaiezさんに携帯メールを送り、アパート付近まで行くと通りまで迎えに出てくれていた。兄も弟もRahmatさんらしく、お兄さんはNizamさんと呼んで区別した方が良いみたい。おみやげを持って行くのを忘れたのに気が付き、軽井沢でSTAGEさんから買ったエンジンオイルの「ハボリン」をそのままプレゼントする。

 TOYOTA COROLLA KE70にAE86の駆動系がすべて移植してあるということで、かなりマニアックな人だと思ったら、父の車のエンジンが壊れたので、ハチロクのエンジンを積んだのだという。そうやって大切に車を使い続けていると聞き、10年ぐらい前までは3年おきに新車に買い換えるのが一般的だった日本の車文化の底の浅さを知る。

 FreedomをコントールするFCSSはすべて日本語なので、日本の大学に留学している弟が翻訳して何とか使っているらしい。とはいっても、セッティングに必要な知識やFCSSの使いこなし方を見て、びっくり。Dジェトロやスロポジ制御の違いやセッティングの勘所もきちんと押さえていた。相当な時間を費やしているに違いない。

 燃費の悪さに悩んでいるということなので、マップを見ると、かなり濃い感じ。「これだと、アクセルを踏むと黒煙が出るでしょう」と聞くと、まさしくその通り。僕のロードスターのデータを元に、当てずっぽうでデータを書く。AE111エンジンはノーマルで、古い車だから触媒はついていない、ということなので、マージンも考えて、ちょっと濃いめにする。たぶん、きちんと走るはず。点火時期も多くのFreedomのデータと同様、かなり進みすぎていたので、適切な数値を入力した。

 名古屋からやってきたお礼にと、お昼ごはんをごちそうしてもらう。弟に通訳を頼んで、あれこれと車談義。ホットバージョンとかが英語の字幕が付いてマレーシアでも見られるらしく「ドリフト」「ドリキン」「峠」という言葉が飛び出しながら話し込む。「なぜFreedomは英語版を作らない? 売れるのに」というもっともなことを話していた。「たぶん、外国からの問い合わせに対応できないからじゃないか。英語にするだけならたぶん1日も作業すれば簡単にできると思う」と答える。

 弟がマレーシアに持って帰るために買ったアルテッツァに乗せてもらう。なかなか楽しい車だが、弟が「重さを感じる」という通り、ロードスターのダイレクトさに比べたら、ちょっと物足りないかもしれない。エンジンは高回転型で、街中ではかえって使いづらいのかな?

 ロードスターに乗ってもらう。小金井のごみごみした街中だから、思う存分走ることができなかったのが残念。本当は、山道での速さを伝えたかったのに。

 5時間ぐらい滞在して、引き上げる。行きは山側を通ってきたので帰りは海側を。まったく土地勘がない場所なので、ノートパソコンでgoogle地図を見ながら移動する。町田に出て、太平洋まで出てしまうと都会の中で込んでいるに違いないから、相模原から津久井湖に抜け、谷を山中湖まで抜ける道志みちを突き進む。

 山名湖から富士山麓の自衛隊演習場を横切って西に向かう途中で、ガス欠でエンジンが止まる。ここまで500キロちょっと。満タンで45リットル入っていたとすれば、燃費は11km/Lは超えていることになる。山梨あたりまではそれこそ13km/Lぐらいの勢いだったのだが、東京都に入ってがくんと燃費が悪くなった。

 トランクに積んだタンクから20リットルを給油し、富士山麓から富士市方面へ下ろうと思ったら、道を間違えて沼津方面に下りてしまう。仕方がないから国道246号から国道1号に抜け、ひたすら走る。静岡、藤枝、島田、掛川、磐田、浜松と抜けて、ようやく愛知県へ。

 すでに午後10時を回り、体力的にかなりつらい。迷いながら国道23号バイパスを探し出して、名古屋まで。庄内川か木曽川まで出て堤防道路沿いを帰ろうかとも思ったが、すでに日付が変わっていたので、あきらめて名古屋高速へ。小牧から江南。

 全部で820キロぐらい。1日の走行距離としては過去最高。しかも、大部分が下道。変態だ。

6月4日

 マレーシア人のRahmatさんという学生からFreedomについて質問メールが届いたのは確か昨年の1月だった。

 AE101のエンジンにFreedomが付いていたんだが、使い方が分からないという。自動翻訳で僕のサイトを読んでSOSを発してきた。

 海の向こうの車仲間の質問に、なんとか答えようと、こちらもWEB翻訳を駆使してあれこれ回答を試みた。パソコンとの接続やFreedomについているスイッチの意味など。1カ月ぐらい何通かやりとりしていて、メールも来なくなったからちゃんと動いているのかな、ぐらいに思っていた。ちなみに、彼の車はカローラKE70
4ドアにAE86のデフやミッション、足回り、5バルブ4AGが付いたかなりマニアックな車である。

 つい最近、再びRahmatさんからメールをもらう。何と、日本に来るという。彼のブラザーが東京の大学の学生で、家族で訪問するという。「会いたいと思うがどこに住んでいる?」と。

 僕は愛知県に住んでいて東京から新幹線を使って2時間のところだよ、と教えてあげる。ついでに6月3日にクラブマンレースを見に鈴鹿へ行くから、来るなら3日においで!と誘う。

 が、やっぱり往復の交通費を考えると現実的でないので、「また、次の機会に」という返事が来た。せっかく、マレーシアから来て僕に会いたいというのだから、これはやっぱり会っておかねばまずいだろうと思い、僕がロードスターで行くことにした。東京都小金井市。下道で8時間ぐらいかな? ま、きちんとFreedomで動いているロードスターを見せびらかして、自慢するだけなんだけれど。国際的な自慢。

 6日に休みを取って早朝から出かけることにした。6日昼頃、小金井市周辺で時間がある人は連絡ください。

6月3日

 鈴鹿クラブマンレースに出かけてきた。ちょうど3年ぶりの鈴鹿。休みの日はあまりカメラを持つ気にはならないが、やはり知り合いが出ているとなれば、ばしばしと撮ってしまう。

 久しぶりにFJを見て、やっぱり格好いいなと思う。スバルの水平対向エンジンってとってもコンパクトで低重心。ゼッケンの「17」の下に見えているのがエンジンのヘッドカバー。背中に2つ出ているファンネルがキャブである。エントリーフォーミュラとしては完璧なパッケージング。

 さすがにEA71がもう生産できない、ってことになり、FJ1600の後継になるのがスーパーFJ。なぜかスバルではなくHONDAフィットの1500ccが選ばれた。しかも羽付き。

 まるっとそのままフィットのエンジンが乗っかって妙にでかい。オイルパンも含めて丸ごとフィット。オルタネーターもVTECも付いて、とにかく重そう。重心も高い。組み合わされるミッションは、レース用の戸田ドグミッション。樹脂インマニの後ろ側にファンネルが付く。走っている音を聴くと、やっぱりこっちの方が相当パワーが出ていそうである。シリンダヘッド1mm面研にバランス取り、FJ用ECUだそうな。タイヤが同じだからコーナー中は、重心が低いFJの方が少し有利みたい。

 ドライバーは集中していて話している場合じゃないので、グリッドでできることと言えば写真を撮ることぐらい。メカニックたちとともに追い出されると、自転車で1コーナーまで激走する。フォーメーションラップの速度が遅かったらしく、何とか間に合ってスタートから撮影。同じような写真を淡々と撮るのみ。

 近くのおしゃれなカフェで自然食なランチを食べて帰る。もちろん、下道で。

6月1日

 この春の忙しさを乗り越えようと食いまくっていた分、いま食事を削っている。とりあえず、1日1食。見た目の体重は減ったが、筋肉も落ちているかもしれないから、注意していないといけない。

 で、寝る前はきちんと淡麗を好きなだけ摂取。さすがに、これだけはなかなかやめられない。

 そして、ふと思う。いま、命をつないでいるのは、もしかして淡麗なのかもしれない、と。