愛知県知事選挙が地味に繰り広げられている。宮崎県ではそのまんま東が知事になり、新しい時代を予感させる雰囲気だが、知事選挙って県によって事情が違うので、そのまんま全国に波及するとはとうてい考えられない。
1つの県で1人の候補を選ぶ選挙はなにが起こるのか分からない。市町村長レベルの選挙であれば、組織を固めれば当選が可能なのだが、県知事選ぐらいに選挙区が広がると、ブームを起こせば、実績も基盤もなにもない人が突然、知事になるチャンスがある。当然、知名度が高ければ断然、有利なわけで、青島幸男とか横山ノックとか田中康夫が当選したのも、ブームになっちゃったからである。おのおのの知名度を利用し、ブームをしかけて当選できた選挙は評価できるけれど、知事としての実績はと聞かれると「?」なのがこれまでのブーム知事である。
そのまんま東さんは、たけし軍団に頼らない選挙戦を狙って仕掛けたところが玄人。「宮崎のセールスマンになる」という言動が田中康夫に似ていて不安なところもあるが、かなりましに見える。行政改革は仕組み作りであって、その知事がいなくなっても仕組みが機能しなければならない。「あの人がいたから良かった」という一時代となってしまっては意味がないのだ。実のある知事になってほしい。
で、愛知県でブームが起こっているかと言えば、やはり「?」なのが現状。万博を起爆剤に中部国際空港だとか道路だとかをばりばり造り、トヨタが好調なのと相まって経済の調子が良い愛知県。市町村を見ても、地方交付税を受けないで財政的に自立している自治体がなんと多いことか。こんなに調子が良いのに、トップを代えてしまおうという判断を有権者がするかどうか。
江南市の裏話をいろいろ知っていると、神田知事にガチンコ勝負を挑んだ元犬山市長、石田候補の市長時代の評判がいろいろ聞こえてくる。なので尾張部では良い話が聞こえてこない。逆に三河部では評判が良いらしい。
あれこれ書いているけれど、結果の予想がまったく立てられないのが県が1つの選挙区になる県知事選挙。事前の世論調査では現職優位だが、現時点でその差だということは、挑戦者が寄り切るシナリオもあり得んじゃないかと思う、今日この頃。