月: 2006年6月

6月14日

 シャッチョーさんのお誘いで、岐阜の長良川河畔にあるステーキのお店に連れて行ってもらう。岐阜城を望むなかなか風光明媚な場所に立つ、古い料理旅館の建物を利用したお店。連れてきてもらわない限りは行けないお店である。経費でいろいろなものが落とせる人はうらやましい。

 飛騨牛と思いきや松阪牛という。どっちもあまり口に入れたことがない僕にとっては違いは分からない。分厚い鉄板の上で、厚さ3センチぐらいあるヒレ肉とロース肉が一体化したTボーン肉が焼かれる。牛の脂肪とにんにくを合わせた物体を片側に塗りつけて鉄板に置き、ふたをかぶせたら、焼いてくれるおばちゃんがどこかへ消えた。

 15分ぐらい放置され、その間に僕は生ビールを3杯くらい飲まされた。空腹のためアルコールがあっという間に体内を駆けめぐり、舌までしびれたぐらいのときに再びおばちゃんが現れて、肉を切る。せっかくの分厚い肉が小さく切り刻まれて僕の目の前に取り分けられた。すでにふらふらなので、若干脂っこい肉ということぐらいしか分からなかった。もったいない。

 岐阜というと、岐阜城よりも南側しか知らなかったが、北側にも街が広がっていたと初めて知った。戦災に遭っていないらしく、古い町並みがそのまま残っている。いい街だ。

6月11日

 ロードスターに付けているネオバが限界。内側のワイヤが出ている始末で、安心して乗れない。玄関先に転がしておいた14インチBBSの旧ネオバをチェックする。スリップサインは出ているが、ワイヤは出ていないのでOK。あと1万キロぐらいは乗れるかしら。溝があってもウエットで危なかった旧ネオバ、溝がないと絶望的だ。

 ちょちょいと交換したら、タイヤがものすごく引っ込んで見えてずっこけた。ノーマルってこんな姿だったのか。

 旧西春町の酒屋さんに呼ばれて、日本酒の試飲会に顔を出す。まだ25歳の「2代目」なのだが、とても頑張っていて、おもしろいイベントをたくさん企画している。試飲会も会費2500円なのだが、食べ物がこれでもか、というほど出て、20種類ぐらいの日本酒が試飲できて、さらに名前入りの焼き物付きという豪華さ。

 僕は招待されたので、ただ召し食って、ただおみやげをもらったのだけれど…。んが、ロードスターで行ったので、試飲はできず、口に含むだけの本当のきき酒会になってしまった。 

6月10日

 同期の結婚式の2次会。「結婚新聞」が印刷されて配られていた。異常に気合いが入った新聞に、印刷屋さんが感激し、注文した以上の枚数を同じ値段でコピーしてくれたらしい。心意気はありがたいのだが、大量に余ってしまったのを見ると、ちょっと複雑な気分。

 2次会が終わり、本番の3次会へ。4次会、5次会に行ったら午前6時。すっかり明るくなっちゃった。

6月7日

 なぜか、いろいろなことに巻き込まれる仕事なので、明日は「シンドラーのリスト」作り。

 今は、江南市という、愛知県でも碧南市とどっちがどっちだか分からないぐらい、存在感がないところに住んでいる。一宮市の東側、岐阜県境にあるベッドタウン。なんとも特徴がないのが特徴なのだが、最近、おもしろい会社に出かけた。

 江南特殊産業という会社。ここの得意技は自動車のダッシュボードやドアトリムの表面の型作り。電気鋳造(電鋳)という技術を駆使して、自由自在に作る技術を持っているのだ。

 型作りの流れはこんな感じ。メーカーからダッシュボードの形のデータと表面の皮が送られてくる。コンピュータでその形を起こして、そのモデルの上に皮を張る。いわゆるシボ張りという技術である。職人さんが、ぴたっと完璧に皮を張っていく。

 それの表面に電気が流れる加工をして、40度の水槽にどぼんと放り込まれる。そこで、モデルに厚さ5ミリぐらいのニッケルのめっきを施して、モデルをはずすと、モデルの表面に張った皮がそのまま転写された「型」ができあがる。これをダッシュボードの表面の成形に使うのだ。

 ここまでならどこの会社でもできるのだが、この会社がすごいのはこれから。電鋳に一工夫加えた「ポーラス電鋳」という特殊技術を持っているのだ。

 普通、ダッシュボードの表面のようなプラスチック成形は型をあたためて材料となるプラスチックの粉末みたいなものを流し込んで溶かして成形するのが一般的。が、ここが作る型には光に透かすとようやく見えるぐらいの小さな穴が無数に開いている。空気だけを通すので、裏側を真空状態にすると、材料を吸引することができる。なので、型ではなくて材料側をあたためてシボを転写できるのだ。

 型をあたためるのと比べて14分の1のカロリーで加工ができるというからすごい技術。さらに、生産にかかる時間もかなり短くなるというから、省エネ、低コストの車作りには欠かせない技術になりつつある。

 社長のセルシオの助手席に乗せてもらい、試しに「この部品の型も江南製ですか」と聞いたらそのとおりという。工場のショールームに行くと、インプレッサやらサーフやら、カムリやらのダッシュボードがずらりと並べられていた。フォードが採用してから海外メーカーの採用が相次いでいるという。実際、工場内を見学したら、韓国車の新型車のダッシュボードの型が作られていた。車種はもちろん、教えてくれない。秘密だらけの工場なのだ。

 シボ張り技術は国内でもトップクラスらしく、例えば東京モーターショーとかで出品されるコンセプトカーの内装の皮張りをしたりするという。おもしろいと思ったのは、新型車が発売されるとき、発売の1年ぐらい前にすでにパンフレット用の写真撮影があるそうな。だから、パンフレットに載っている新型車のダッシュボードとかは、大量生産品ではなくて、職人さんがモデルに皮を張ったものでとりあえず撮影するという。ここら辺は業界の関係者に聞かないとまったく分からない世界。

 で、ここの会社の重役さん曰く、コストを抑えていかに質を高くしていくか、という最近の車産業のトレンドの中で、やっぱりトヨタが一番の技術を持っているらしい。

 強い企業にはちゃんと理由がある。

6月5日

 夜にパーティーがあるので休みを取った。

 んが、やっぱり仕事をまったくしない、というわけにはいかず、朝から岩倉の小学校に。子どもがお花を植えている写真を撮る。

 10日に結婚式を挙げる会社の同期のために「結婚新聞」を作ることを引き受けた。すでに3週間が経過したものの、原稿は半分以上できあがっていない。やばい、と後ろめたさを感じつつ、せっかくの休日だから散髪に行くことにする。独身時代、1回1500円の床屋に年4回ぐらいしか行かなかったのが、ここ1年は美容院に1カ月ちょっとの間隔で通っている。この落差。

 夜は飲むから電車で名古屋市西区の美容院に行き、髪を切ってもらう。1時半すぎに終了。すてきなランチタイムを求めて江川線を浅間町まで歩くが昼飯を食べるお店が見あたらない。仕方ないから、浅間町のマクドナルド。昔は「貧しい食生活の源」などと毛嫌いしてマクドナルドには行かなかったが、お小遣い月3万円時代になって通うようになっちゃった。1週間に1回は食べている気がする。

 バーガーやポテトを食べながら、同期の結婚新聞の記事をぱちぱちと書く。今日、原稿を出さないと10日の結婚式に間に合わないから、こちらも必死。頼まれたのに完成できなかったら「人でなし」と言われてしまう。なんとか書き終えて、本社に。一緒に新聞を作っている同期と昼過ぎに会う約束だったのだが、子どもが熱を出したからと夕方まで顔を出せないという。

 仕方ないので、書いた原稿をレイアウトできる形に加工したりしてすごす。夕方、同期に合流し、原稿などを渡す。レイアウトは僕の範疇じゃないから、げたを預けて金山のホテルで開かれているパーティーへ。

 日本ソムリエ協会東海支部が主催する「ワインとジャズの夕べ」。なぜか知り合ったシニア・ソムリエのおじさんから1枚、チケットをもらったのだ。1枚8000円!

 さまざまなワインを試飲し、おいしい料理をわしわしと食べて満腹。僕らと違って、回りはなんとなくセレブな雰囲気を持った大人ばかりだった。こういう場に顔を出すのも、たまにだったら悪くない。

 パーティーが終了し、同期に電話したらまだレイアウト作業中だという。お手伝いのために本社へ。校閲作業などをお手伝いした。

 努力したかいあり、結婚新聞ができあがった。プロが本気を出すとこんな感じになる、というぐらいのすばらしい出来栄え。新郎新婦の喜ぶ姿が目に浮かぶようである。

6月3日

 軽井沢以来の休みだと思ってたら、朝っぱらから呼び出された。一宮で中学生がカッターナイフで切り付けられたらしい。幸い軽傷。そんなにややこしいことにはならなかった。

 休みなのにそれから仕事を2件こなし、行きつけのガソリンスタンドへ。2年半以上つけているネオバがそろそろ限界。「内側が減ってるからとりあえず、タイヤを左右入れ替えてよ」とお願いしたら、タイヤの状態をチェックしたお兄さん、タイヤをのぞき込んですかさず「ワイヤー出てます。使い続けるのはお勧めできません」だと。けち。

 新品のタイヤの見積もりを取ってもらうが、やはりガソリンスタンド。安いとはお世辞にも言えない。ブリヂストンが取引先らしいので、カタログを見る。サーキットで走るわけでもないので、RE01Rはオーバースペック。というか、減りが早すぎる。RE050を見積もってもらったら195/50R15は生産していなかった。RE01Rは工賃込みで6万ぐらい。Playzも微妙な値段である。デミオが1本1500円の中古タイヤだけに、10倍の差が。ギャップが激しすぎる。「また考えてきます」とごまかして帰ってきた。

 帰宅し、ブレーキの利きに疑問があったので、エア抜きをすることに。なぜか、ブレーキフルードの買い置きがあった。エア抜きのためのツールを買ってあったはずなのだが、道具箱をあさってみても見あたらない。困った。手伝ってもらう人がいない。

 さらに道具箱をあさると、燃焼室の容積を測ろうとして買ってきた注射器を発見する。ちょうど良い太さのゴムホースも発見。おお、これを使えば何とかなる、とさっそく作業開始。

 すでに茶色っぽく変色しはじめているブレーキフルードを見たら、全部替えたくなったので、おもむろに左リアのブレーキから始める。ブリーダーと注射器をゴムホースで接続し、抜けないようにホースをタイラップで固定。ブレーキペダル5ストローク半で50ccの注射器が満タンになる。5ストロークごとに注射器のフルードを捨てないといけないからかなり面倒だが、1人でフルードの継ぎ足しもやるならちょうど良いぐらいの手間かもしれない。

 4輪分繰り返して終了。たぶん、エアはかんでないと思う…。試乗にでかけるが、若干ブレーキの利きが良くなった感じはしたが、根本的な解決にはなっていない。やはり、パッドを替えるしかないのか。