月: 2005年8月

8月10日

 使えるICレコーダーが欲しい。

 これまで仕事で録音が必要なときには、MDウオークマンを使っていた。外部マイクを付け、電池が弱ってきたので単三乾電池2本を外付けで取り付けていたのでけっこう重いしかさばる。録音した音はMDのメディア単位で管理していた。そのうち、中にどんな音が入っているか分からなくなってしまうこともしばしばで、今後も取っておくべき音源かどうかも分からずそのまま消してしまっていた。

 ICレコーダーならば、常に持ち歩いていてもかさばらないし、必要な音源ならばパソコンにコピーして永久保存できる。消費電力もたいしたことがないから、電池がなくなるかどうか心配することもない。

 で、どのICレコーダーを買おうか、ヤマダ電機やコジマを回って物色していたのだが、隣のコーナーでiPodを皮切りにブレイク中のデジタルオーディオプレーヤーが大量に並ぶ。ボイスレコーダーが付いているのが半数ほど。が、簡単なマイクが付いているだけで、マイクの外付けにも対応していないみたい。録音する機械を買いたいのだから、もし録音機能が貧弱だったら本末転倒である。

 あちこちのコーナーでうろうろしながら、やっぱり決められなかった。この優柔不断。

8月9日

 カラーセラピーという技を持っているおばちゃんに会った。着色されたオイルと化粧水が入っているボトル105種類から4種類を選ぶことで、その人の性格や生い立ちなどを読みとるという。はっきり言ってオカルトなのだが、こういうのはけっこう好き。別に何かを売りつけられたりするわけじゃないので、結果を聞いて、自分のためになると思うことは心に留めておけばよいのだ。

 セラピーを実演してもらうようお願いすると快く承諾してくれた。おばちゃんの家に連れていってもらって遠慮なく上がり込み、「セッション」を受けた。机の上に、上下で2色に分かれた四角いボトルがたくさん置いてある。その中から、好きな色のボトルを4本、「左手」で取るように、とのこと。105本のボトルは青や赤、黄色などなど鮮やかな色で見た目はとてもきれい。好きな色、と言われても上下で2色に分かれているのだから組み合わせは無数で、はっきりいって迷ってしまう。しばらく悩んで眺めているうちに、なんだか知らないが、気になるボトルが何本か出てきたので、気になった順番に左手で4本取った。

 4本取った順番と、色の組み合わせに意味があるらしい。ボトルのキャップに番号が付いているので、どんな色を取ったのか間違いなく知ることができる。さすがにものすごい組み合わせになるのでおばちゃんもすべてを暗記しているわけではなく、本を片手にその色を取ったことの意味を読みとっていった。

 結果は、当たっているような当たっていないような感じ。セラピーというぐらいだから心の傷を癒すものだと思うのだが、現状では癒さなければならないような傷はないようだった。

 この単細胞ぶりは自分でも感心するぐらいだ。

8月8日

 郵政民営化法案が参院で否決。そうなる情勢だということは知っていたが、その通りになると改めて緊張が走る。

 仕事中なのにテレビを見て、永田町の動きに注目。やっぱり解散、ということになっちゃった。

 22日から3週間、愛知万博に出張する予定だったのだが、総選挙のおかげでそれもぶっ飛んでしまった。隙をみてまだ見ていないパビリオンを攻めようと思っていたのだが、もう会期中に万博会場に足を運ぶこともあるまい。

 これから1カ月が忙しい。

8月7日

 合併してできたばかりの清須市へ。清洲市だと吸収合併みたいだから、清須。それでも「きよす」という響きを残したのは偉い。

 で、なぜか新川町長だった人が万歳しているところにおじゃま。一宮に戻ると、なぜか酒盛り。おつまみを買い出しに行き、2時すぎぐらいまで缶ビールをがぶ飲みしていた。

8月6日

 岩倉の山車を見に行った。春の桜まつりのときと装いを変えて、提灯をごてごてと取り付けて華やかに岩倉街道を巡行するのだ。

 山車というと犬山祭の方が有名だが、岩倉の山車は犬山よりもちょっと早くできたみたい。今でこそ、人口で犬山に負け、祭りの華やかさも圧倒的に劣っているけれど、400年近く前のことに思いをはせてみると、興味深い。山車があるということは、それだけ商業が発達していた、ということだから、犬山よりも先に山車を持った岩倉はやはり尾張地方でも盛っていた土地だったんだろう。

 まちなかのとある場所に3台勢揃い。それぞれ自慢のからくり人形を披露した。からくり人形も良いのだが、山車はやっぱり動いているときが一番華やか。男臭いけれど。

 

8月5日

 江南の七夕まつりが始まった。先週あった一宮の七夕まつりは、3大七夕まつりの1つとして自称するだけあって、アーケードの商店街に飾られた七夕飾りはさすがにきらびやか。一方、江南はぶら下げるアーケードはないので、ロープなどを使って飾り付けをしていた。

 以前「もはや江南で七夕まつりなんてやる意味があるのかしら」なんて書いた気がするが、実際に飾り付けられているところを見ると、なかなか良いもんだ。普段、人通りがなくて死んだようになっている商店街も、飾り付けされると少し息を吹き返したようにも見える。

 で、七夕まつりの目玉がなぜか「阿波おどり」である。突拍子もないイベントのように思えるが、実は理由がある。

 阿波と言えば徳島。徳島藩の初代藩主蜂須賀家政は尾張の出身であり、江南の地ともゆかりがあるのである。古文書なんかを見ると、織田信長が無礼講で踊らせた踊りの様子が阿波おどりに似ているらしい。少なくとも戦国時代のゆかりがあるので、借り物なのだけれど、堂々と踊っても良いのである。

 名古屋の「どまつり」をはじめ、全国各地でよさこい踊りの祭りが盛り上がり、まちづくりのきっかけになっている。それこそ、一宮や犬山からも参加するぐらいのでっかい阿波おどり大会でもやれば良いのに。

 今日は、布袋の町で阿波おどり大会。明日は江南駅前。せっかくの祭りもちょっと離れた場所で2回に分けて開くとちょっと迫力が薄まってしまうが、まあ仕方がない。夕方にひどい雷雨が来て、間断なく空が光るような状況で中止になるかもしれないと思ったが、8時前になんとかできる状態になった。

 おどりでまちづくり、などとえらそうなことを言っているが、おどりが始まったら速攻で写真を撮って瞬く間にその場を立ち去り、市内のすし屋での宴会に突入したことは秘密である。

8月3日

 松本時代、さんざん飲みまくった紀伊長島の先輩が用事があるので稲沢まで来るという。来るなら一緒にメシを喰らうしかあるまい、と夜勤をほったらかして食事に行く。

 ぼちぼちと食べ始めたころ、携帯メールに着信。なんだろう、と思ったら不吉な文字が並んでいた。以前、巨大な炎が上がった廃タイヤ火災の現場でまた火事だとの知らせである。

 警察や知り合いに電話を掛けても状況がよく分からない。こうなったら、速やかに現場に向かうしかない。なぜか、一緒にいた先輩もデミオに乗せて現場へ行く。

 近くまでたどり着くと、夜なのに黒々と立ち上るあの煙が再び立ち上っていた。この前と違うことは、時間が2時間ばかり早いためか、野次馬どもが車で現場近くに近づいていたことである。ただの興味本位の軽い気持ちの行動が、消防団の人や関係者の通行の妨げになるってことが分からないのかしら。

 ほんの1カ月ちょっと前の火災のビデオを見ているかのような火柱が上がっていた。私服姿の署長がいたのであいさつすると、「タイヤはな、外側から火を付けようとしても付かないが、こうして内側に火種を入れると火が付くんだ」とタイヤを使って親切に解説してくれた。ようするに放火だということを言っているわけで、遠慮なくそう書かせてもらった。

 写真を撮って話を聞いたら、あとは見ているしかない。1時半までなんとなく現場で過ごし、一宮に戻る。先輩が紀伊長島に向かったのは午前3時。タフだ。

8月1日

 1階の事務所になぜか蟻がいた。窓際の壁を伝って、サッシのレールに入り込んでは引き返していく。見ることはできないがレールの隙間になにかごちそうでも入っているのかしら。

 まてよ、と思う。建物は2階立ての鉄筋コンクリート造りである。蟻なんか入ってくる隙間があるわけがない。蟻を観察していると、どうも壁と床の間が割れていて、そこから入ってきているらしい。この建物はどうも地盤が悪い場所になっているらしく、事務所の前にある掲示板が地盤沈下で傾いて一度直していると聞くから、建物も少しゆがんでいるのかもしれない。

 蟻の侵入を許しているわけにはいかないので、対策を取ることに。「蟻の巣コロリ」である。殺虫剤のスプレーで目の前にいる蟻を殺すだけだが、こいつは蜜のかぐわしい香りがぷんぷんする毒を巣まで持って帰らせて巣ごとやっつけるという、非人道兵器である。

 窓枠のところに置いてしばらく観察していると、なにも知らずにやってきた蟻が突然異物が置いてあることに一瞬とまどっていたものの、蟻の巣コロリの入り口でしばらく迷った挙げ句に中に入っていった。中のえさを発見すると、思わぬごちそうの発見に喜んだのか、狂喜乱舞のごとくえさの上を右往左往した後、じっとえさを食べている様子だった。

 次に来た蟻は迷うことなく入り口に入りえさにたどり着く。あっという間に10匹ほどが蟻の巣コロリの中に入ってえさを堪能。ものすごい効き目だ。

 その場で動かなくなることもなく、しばらくすると外に出て壁を下って消えていく。巣に戻って報告でもしているのかもしれない。次々に蟻が表れては消え、を繰り返していた。

 すぐに効いたことが分からないことが、この兵器の非道さなのかもしれない。