子どもがザリガニ釣りと田植えを体験するというイベントが岩倉市で開かれていた。
ザリガニならば、実家から歩いていけるところにため池があり、そこにあった水槽のような施設に釣り糸をたれていれば、いくらでも釣れた。実家の前にはかつて幅、深さとも1.5メートルぐらいのどぶ川があり、目を凝らせばアメリカザリガニがのっしのっし歩いていた。カメや蛇なんかもいて、そんな溝の中に平気で足を踏み入れて、じゃぶじゃぶ遊んでいると、いつの間にかくるぶしのあたりに吸い付いたヒルに血を吸われたもんだ。
愛知の平野部だと、もうそうやって水場で遊べるような場所も少なくなったらしい。昔はいくらでも自然の中で遊んだもんだが、今は、自然と触れあえる場を用意しないといけない時代だという。やっぱり子どもは自然の中で遊ぶ体験もしないと心のバランスを欠いてしまうからと、40年前のちびっ子ががんばっていろいろとお膳立てしている。田んぼの中でいきいきとしているのをみると、どちらがちびっ子なのか分からなくなるぐらいである。
ふと思い返してみると、無断で田んぼの中に入って、泥の中を歩き回った記憶があるぐらいで苗を植えたことがないような気がする。偉そうに先輩面している場合ではなかった。