月: 2003年11月

11月30日

 鈴鹿サーキットでレースに参戦する人から誘われたので、土日の2日間、遊びに行ってきた。僕が行ったところで写真を撮るぐらいしかできないんだけれど。ピット内に入ることができるパスをもらえると言うことなので、もう興奮状態。

 土曜日は、朝から大雨の中、鈴鹿に向かう。サーキット入り口に車を止め、参戦する人にパスを持ってきてもらって入場。そういえば、一昨年にF1見に来たときに歩いたなあ、という場所を抜けて、ピット方面へ。

 待機場所になったのは、ピットの一番端っこ。後でフェラーリの使っている場所だということを知る。おお、あのミハエルシューマッハが使っている場所か! すげえ、同じ場所で同じモニターを見ていたのか! ここにフェラーリが置いてあったのか! と叫んで暴れていたら、いや、たぶんそこはバリチェロだ、ルーベンスだ、と冷や水を浴びせかけられた。いや、バリチェロもなかなかいかしているんだけれど。

 この土日は今年の鈴鹿クラブマンレース最終戦だった。さまざまなカテゴリーのレースが同じ日にあるのでなかなか楽しい。が、観客はまばらで、カテゴリーによっては参加台数が極端に少なくて、レース業界の厳しい状況が肌に伝わってきた。やはり、景気が悪い。

 RSやネオヒストリック、F4のレーシングカーがいい音で走ってゆく。FFチャレンジやシビックレースのシビックの速さにはただただびっくりする。マシンの車高が高いので巨大な物体に見える。それが冗談みたいな速度で走り抜けていく。35台ぐらい参戦しており、それが一気にずらずらと走り抜けていくから、ど迫力である。ものすごい爆音に違いないのだが、鈴鹿のような場所では普通に聞こえるから不思議だ。間近で体験すると、自分の車も「いい音」にしたくなってくる。やっちゃったら、家に帰れなくなるけど。

 FJ1600が格好良かった。マシンの形がカッコイイかどうかは別にして、本物の勝負の世界がある。スバルの水平対抗1600ccに、細めのタイヤ、走っているだけで折れそうなサスペンションのアームなどなど。レギュレーション内で妥協なく車を仕上げて腕を競うことができる、身近な勝負の世界だ。参戦したい! と思うのだが、いくら身近とはいえ、マシンが250万円。1年フル参戦して、タイヤ代やメンテナンス、エンジンオーバーホールで250万円。さしあたって500万円は用意する必要があるという。用意できたら走りたい、がしがないサラリーマンには無理な金額である。いや、無理すれば何とかなるかもしれないが、人生をなげうって走るだけの勇気がないだけかもしれない。自分が遅いのは分かっているのだけれど、最後尾でもいいから、あんな世界に身を置いてみたい。

 レース屋さんにも連れて行ってもらった。大将にお話を聞いたのだが、なんだかレベルが高すぎてちょこっとも理解できない話ばかりだった。分かったことは、速く走るためにはやはりブレーキングができなければならない、ということと、イメージトレーニングが大切だ、ということ。さらに、やっぱりサーキットに足を運び、実際走っている車を見ることの重要性、ぐらい。

 この2日間で、レースの世界というものをちょこっとかいま見た気がする。レースしたいぞ!

11月28日

 フィルムで撮影した富山の走行会の写真を、フィルムスキャナで取り込んで配布したりいたずらしたり、あれこれ楽しもうと思っていたら、うまいこと付かない。99年の正月あたりに買ったCanoScan2700Fである。今となっては旧型すぎるぐらい旧型だが、このサイトに使った写真を取り込むなど、それなりの活躍はした。でも、4万ぐらいした覚えがあるから、元は取っていない気がする。

 うまいこと付かないのは、以前使っていたPCMCIAのSCSIインターフェースカードをWindows2000が認識してくれなかったからだ。ネットをあさってあれこれドライバーを試したが、だめだった。

 仕方がないので東京に行ったついでに秋葉原に立ち寄り、USBをSCSIに変換するコネクターを買ってきて付けてみた。んが、ばかばかしいエラーなのだが、コネクターの形状が違ったので付かなかった。スキャナーに付いているコネクタがマック用SCSIのD-SUB25pinメス。これをアンフェノールハーフピッチ50pinに変換するケーブルを使っていた。昔は王道だったNECのPC9801シリーズで使っていた規格。が、USBからSCSIに変換するコネクターはD-SUBハーフピッチ50pin。これは最近のSCSIに使われている規格。まったく付かない。

 仕方がないから、とアンフェノールハーフピッチ50pinからD-SUBハーフピッチ50pinに変換するコネクタを買ってきた。んが、変換後はD-SUBハーフピッチ50pinのメス。メスメス同士で付きやしない。ケアレスミスに頭に来たが、仕方がないのでアンフェノールハーフピッチ50pinからD-SUBハーフピッチ50pinオスに変換するコネクターを買ってきてようやく使っているパソコンにフィルムスキャナーが繋がったのである。はい、たぶんだれも読んでいませんね。でも、書くのだ。

 んが、繋がった様子があるのだが、うまいこと認識しない。これはおかしい、とこれまで粘ってきたUSB→SCSI変換コネクターはあきらめて、PCMCIAのSCSI-2インターフェースカードを買ってきて付けてやった。

 が、同じエラーが出て、動きやしない。この時点でフィルムスキャナーを使うことをあきらめていたのである。

 で、今日、Jornada728用のATOKを買おうと仕事をさぼって大須の街をふらついていたら、イメージデバイスが異常に安いことを知った。フラットベッドスキャナーなんて、安いものだと7、8000円で買えてしまう。新品なのに。さらに驚いたのが、フラットベッドで35mmフィルムの取り込みに対応していることだ。おお、欲しいかもと思って、廉価バージョンからハイエンドまで見比べてみて驚いた。ハイエンド機には「24枚連続取り込み」の機能があるのである! エントリーモデルは3枚連続で、価格が上がれば上がるほど、一括取り込みの枚数が増える。

 興奮しながら、あれこれ比べてみた。この時点で物欲モード突入。物欲が煮えたぎっている状態である。EPSONのGT-9400UFは3200dpi。dpiなんてけっこういい加減な数値だからほっておくにしても「12枚連続取り込み」が目に入った。うむ、24枚までとはいかないでも12枚も一発だったら、楽だなあ。

 値段を見ると27000円ぐらい。ちょっと高いけれど、手の届く範囲である。いろいろ心の中でせめぎ合ったのだけれど、比較的あっさりと店員さんを呼んでしまった。

 で、CANONのレーザープリンタが紙詰まりでご臨終していたので、プリンターも買うことに。これは会社からインクを%&ることができる、EPSONのPM-740DUに決定。物欲大魔王な自分にちょっと嫌悪感を感じつつも、新しい機械がいじれる期待の方が大きかった。

 ロードスターだったので、助手席に積む。仕事に戻り、路上駐車しなければならなくなった。剥き出しだったら幌をカッターで切られて一発で盗られるだろう。トランクから雨合羽を取り出し、かぶせて置いた。が、箱の形が四角くくっきりでていて怪しい。どうしよう、と思い、おもむろにトランクからヘルメットを取り出して、その上においておいた。これなら、下の箱が未開封のプリンターとスキャナであることは想像すらできないに違いない。

 家に戻ってでかい箱2つ、玄関に置いて、物欲を抑えられなかったそのオサルぶりに、やっぱりちょっと反省した。

11月27日

 なぜだか突然、Freedomとパソコンとの通信ができなくなってしまった。別にセッティングをいじらなければならないわけじゃないし、いいや、と思っていたら、始動性が極端に悪い。ぎゅぎゅん、ぼーんと回っていたのだが、ぎゅぎゅん、ぼぼ、ぶすんとエンストする。それほど気温が低いわけでもないし、おかしい。

 なんだろ、と思っていたら、エアコンを付けて判明した。アイドルアップするはずが、アイドルダウンする。ISCVが動いていない。

 また配線か、と思ってボンネットを開け、スーツ姿のままスロットル下に付けたISCVをいじったり、配線をいじったが、調子は変わらない。カプラーを外すと1500回転ぐらいになっているので、動作はしている様子。これ以上の様子を知りたければ、FCSS上であれこれいじってみるしかない。が、接続できない。Freedomの内部のバージョンとシリアルナンバーすら表示しない状態だからまったくのアウト。

 コネクターの断線だったら、取っ替えればよいからマシ。Thinkpadが悪いのだったら、たぶんもう一度分解して組み直せば直りそう。

 最悪のケースはFreedomの故障…。

11月26日

 仕事で午後4時すぎ、名古屋市内の桜山へ行った。簡単な仕事であったのですぐに終了。4時半にはフリーになる。次の仕事は午後6時30分から。ちょっと時間があったので、たばこの煙が充満した仕事場ですごしているのも馬鹿らしいので、とことこと歩き出す。

 暇つぶしをかねて、アルコールでよどんだ体をリフレッシュするのだ。ずんずん歩いてゆき、御器所。古くからの商店街らしいのだが、ただ店が並んでいる、というだけで街としての一体感はあまりなかった。それでも、古い街並みだったらしく、新しい名古屋を発見した気分である。住宅地のすぐ横にある商店街がもうちょっと元気になると、街全体が明るくなるのに。

 御器所通りの鶴舞線・荒畑駅のわきを北へ横断して、さらに北上する。東畑町というらしい。たぶん、昔は畑だったんだろう。それでも街並みは昭和半ばぐらいに建ったぐらいの店があるから、宅地化は早かったのかも知れない。吹き上げホールを右手に見ながらとっとこ北上。名古屋高速が地下に潜る場所あたりで横切って、さらに北上。ちょっと道が東よりになっていたらしい。新栄辺りに出ようと思っていたら、河合塾本校にぶち当たって驚いた。

 千種駅をすぎ、メルパルクの北側を西に向かって車道。桜通を西に向かい、途中で再び北上し、代官町。真西に向かってテレビ塔の北側を通り、さらに西へ。それからちょっと北上して仕事場に戻った。

 早歩きでちょうど1時間半ぐらい歩いた。だいたい7キロぐらいか。

 栄や今池の繁華街が近いから、住宅地にある地元のお店が元気がまったくなかった。なんだか良くないことのような気がする。一体感を持って地域を愛して、歩き回るには「物語」が必要なのだが、それを伝える人たちが仕事をさぼっている気がしてならない。

11月25日

 午前6時に起きだして、名古屋に向け走り出す。あいにくの大雨。41号沿いのセルフ給油所でハイオクを満タンにしてからぶっ飛ばす。

 旧ネオバはウエット性能に問題があったけれど、新ネオバはまったく問題がないどころか、くねくね山道だろうが恐ろしいスピードで走っていけるのでかえって怖い。新コンパウンドとパターンでよっぽど良くなっちゃったらしい。

 高速道路でも、水がよっぽどたまっていない限りは安心。調子に乗ってぶっ飛ばし、家に戻ってきて車を降りて絶句した。

……。

11月24日

 酔っぱらって「日常」を書いていたら、そのまま寝たらしく、寒いので目が覚めたら富山の車屋さんの部屋のソファーだった。午前3時。慌てて客間の布団に潜り込む。けっこう、冷え込んできているから風邪をひいてしまうぞ。

 起きたら午前10時。久しぶりにきちんと寝た。さっそく作業に入り、まずはROMを焼く。高回転がちょいと濃い、とのことだったので薄くしたものを焼く。このROMは僕の車で空燃比計を使って合わせたROMである。やっぱりエアフロなどなど個体差がある話だから、1種類のROMでは絶対にセッティングは出ない。オークションなどで、さまざまなROMが売っているけれど、基本は現車合わせである。

 洗車して、幌の張り替えを手伝った。僕の車の幌もそろそろ限界だから、かなり参考になった。工場に転がっていたエンジンからヘッド裏のメクラキャップと、サーモスタットからウオーターポンプへ向かうホースをもらって自分の車に取り付ける。苦労して作業していたら、プロの人からさまざまに怒られた。「突っ込みどころ満載作業。なっとらん」と。

 とりあえず、修理はして、たぶん水漏れはなくなった。気温が低くなってきたためか、調子も良い。ラジエーターのファンが壊れてから、矢継ぎ早にさまざまなトラブルが出たが、たぶんこれで完治したはずである。

 のんびりとした時間をすごして夜、回りがビールを飲み出したら我慢が出来なくなった。まあ、いい。明日の朝に戻ることにして、ビールがぶ飲みの宴会に突入。

11月23日

 知多の先端で友だちが泊まりがけの宴会をやる、というので、土曜日に名古屋市内で仕事を片づけてから、向かった。

 バブルのときに完成したような某施設でフグを食べて部屋で宴会。なぜか飲み比べのようなことになり、ビールに泡盛などなどチャンポンで流し込んでいたら、いつの間にか意識を失っていた。朝、全身がじりじりとクソ暑いので目を覚ますと、カーテンすら閉まってなかったので、直射日光を浴びていた。25階の部屋だったので、日間賀島や渥美半島が見渡せてなかなか良い展望だった。

 風呂に入ってチェックアウトし、せっかく知多に来たのだからと正しくミカン狩りをする。食べ放題なのだが、ミカンなんて2、3個も食べれば腹がいっぱいだ。

 半田のすし屋で昼ご飯を食べて、解散。午後2時すぎに予定がなくなった状態になってしまった。

 翌日も休みであるし、予定もない。うむ、どうしようと考えて、富山に行くことにした。

 家に戻ってROMチューンセットなどを持って名古屋インターから東海北陸自動車道で飛騨清美、国道360号、41号で午後7時、富山に至る。2日連続で宴会に突入してしまった。

11月21日

 昼から赤坂で仕事があったので、10時5分ののぞみに乗る。新ダイヤになってから著しく指定席が取りにくくなってしまったので、前日に名古屋駅までわざわざ行き、席取りをしてあった。いつもは大体、本を読んでいたり、ここに出しているくだらない文章を書いていたりするのだが、窓の外のずいぶん見慣れてきた景色をずっと見てボーっとしていたら、東京に着いてしまった。

 東京駅から地下鉄・丸の内線で赤坂見附。仕事をする。なぜか桂三枝や長門裕之を見た。

 仕事を終えて、築地へ行く。名古屋の中央市場のおっちゃんに買い物を頼まれていたのだ。板裏草履というもので、長靴ができる前、市場の人たちが使っていた履き物らしい。文字通り、草履の裏に木の板が張ってあって、ごちゃごちゃした市場でガラス片などを踏んでも大丈夫なよう、さらに草履に水がしみこまないようにする、というものらしい。築地のファッションを発信する平山商店というところで扱っている、という。

 丸の内線から銀座で日比谷線に乗り換えて築地駅まで行く。駅からすぐに市場があった。場外市場がごちゃごちゃと広がり、すし屋がやたらとある。割烹の材料屋だとか、ワサビ屋だとか、鮮魚屋だとか、かまぼこ屋だとか調理器具屋だとかがずらり。狭い間口に良くもまあ、こんなにものを並べるな、と感心するぐらいの店ばかりである。すでに午後3時であり、市場からしたら12時間も時間がずれているわけで、多くの店がシャッターを閉じていた。

 平山商店は場内らしいので、勘を頼りにうろうろ歩く。うろうろ歩いて迷うのが楽しい。歩いてその場の空気や雰囲気を満喫できるから。それにしても、使えるかどうか分からない秤が山積みになっている店だとか、小汚いけれども、味は良さそうな定食屋だとかが雑然と並んでいて、面白い場所である。ここなら毎朝通っても、違った発見があって面白いだろう。

 しばらくうろうろしていたら、平山商店を発見。店を閉める寸前だった。板裏草履ありますか、と聞いたら、「あるけれど出せない」という。たぶん、営業中は店の前の狭い通りまで屋台のようにずらりとものが並んでいるに違いない。順番に片づけていくと、店の中がぎっしりと商品で埋まってしまい、次に開店して順番に出していかない限り、店の中には入れない。板裏草履はどうやら、奥の方にあるらしかった。せっかく足を運んだので、送ってもらうことにした。

 用事をすませてまた場外市場へ。昼メシを食べていなかったので、すしを食べることにした。カウンターに座り、お好みで注文。もちろん、生中ジョッキ。生マグロ、ヤリイカ、アジ、赤貝と2かんずつ食べて、最後に中トロ1かん。ビールもがりもすべて平らげてさっと席を立つ。時間にして15分。

 ほろよい気分で東京駅まで歩く。満腹で幸せ。

 夜に用事があるので、すぐ帰らねばならない。指定席を取ろうとしたら、すべて満席である。金曜午後は、かなり込むみたい。仕方がないのでのぞみ自由席を狙ったら、長蛇の列。とっても座れないのであきらめて、多目的室とかの設備がある11号車に行き、通路で立ちっぱなしで名古屋へ。くたびれた。

 夜はビートルズバンドの練習を見学。リーダーであり、会社の上役でもある人と差しで飲んだら午前2時。

11月20日

 バリバリバリ、とものすごい騒音がエンジンから響き渡った。強烈ノッキングである。ヘッド裏側のメクラキャップをいじった際、クランク角センサーを外したのだが、マーキングもせずに、えい、っといい加減に付けてしまったのでかなり点火時期が進んでしまったらしい。アクセル開度20%ぐらいで盛大な音がこだました。いくら進んでいたとしても最大10度ぐらいだから、ノーマルエンジン+ECUであればそこまでの音が出るほどの異常な進角じゃない。高圧縮ユニットであることを改めて実感した。素人がいい加減につくったエンジンだから、実圧縮出てない、と勝手に思いこんでいたので、新鮮な驚きである。

 アクセル開度20%程度までならノッキングがでないのだから、逆に言えばそこまでの領域はもうちょっと進めることができる、ということでもある。空ぶかしのレスポンスも明らかに良いから、要見直しである。アイドリングも850回転から1100回転ぐらいに上がり、負圧が270mmHgから300mmHgへと上がった。が、非常に危なげな回り方である。なにしろ、idleしていれば良いのだから、がんばってもらったって困る。どろっどろっどろっと、かろうじて回っているぐらいがちょうど良いのだ。

 とりあえず、ノッキングばりばりエンジンでは困るので、点火時期を調整する。わざわざタイミングライトを取り出すのは面倒なので、アイドリングの音で判断。こんなもんだろう、と調整した。少し走ってみたが、7、8度ぐらいのちょっと遅くしすぎた感じである。微調整はタイミングライトでやるしかない。

11月19日

 悪夢を見た。10時までに会社に行かねばならないのに、時計を見たら11時を回っている…。どうしよう、と思ったら目が覚めた。おお、夢だったか、良かった、と思い時計を見ると、9時30分。今日は本当に10時に会社に行かねばならない日だったので、やばい! と、飛び起きた。

 まだ、ラジエーターの水が抜いたままだったのでパジャマ姿のまま外に飛び出し、ボンネットを開けて、ラジエーターキャップを外し、ホースを突っ込む。水がたまってきたところでエンジンを掛けてそのまま放置し、家の中に戻って着替えてまた飛び出した頃にはラジエーターから湯気が上がっていた。リザーバータンクを満タンにしてホースも片づけずにダッシュする。

 ここまで10分。普通の行き方では間に合わないから、東名阪大森インターから楠、名古屋高速に入るという贅沢なルートを選択。が、まだ込んでいたので思ったより時間が稼げない。10分ほど遅刻したものの、だれにも気づかれずに、滑り込んだ。

 昼から、半田へ行かねばならなかったので、ロードスターに乗り込む。きちんとガスケットを交換したんだから、もう減っていることはないだろう、とリザーバータンクのふたを開けてのぞき込むと、、、空っぽ………(ioi)ガーン。

 ラジエーターキャップを開けて覗くと、、、、水が見えない……(ioi)ど〜ん。

 車内に積んであった水を入れると、ラジエーターに1リットルぐらい入った。出社で20キロほど走っただけでこれだけなくなった。リザーバータンクと合わせて3リットルほどがなくなった計算。ガソリンより消費している。

 時間がなかったので、水を満タンにして走り出す。名古屋高速から知多半島道路へ。阿久比のサービスエリアで止まったら、同じぐらいなくなっていた。やばいぐらいの消費量である。ガスケットが原因ではなかった!

 ヘッド裏側をのぞき込んで、スロットルを開けると、じょぼじょぼと出ている。ガスケットは間違いなくきちっと付いているのだから、後はなにがある? ヘッドが割れてる?

 とりあえず半田市内で仕事をする。水を補充して再び知多半島道路に乗り、大府のサービスエリアに車を止める。ボンネットを開けて、おもむろに工具を取り出し、点火コイルを取り外す。とっても熱いから、水をかけて冷ましてからやる。

 こういう作業は普通だったら人目の付かない隅の方でやるのだろうが、一番人通りのある、休憩所の真ん前で始めてしまった。だって、水場から遠くなるんだもん。僕の車の回りを横切る人々。小雨の中、スーツ姿でエンジンルームに頭を突っ込んでいる姿は、奇怪以外のなにものでもない。

 確かにヘッド後ろにクーラントがだだ濡れした跡がある。手探りすると、メクラキャップを発見。そういえば、こんなところに一つあったな、と思いながら手探りすると、湿っている。ぐいぐいともんでみると、じゅるじゅると熱湯が出てきた。水漏れの原因はここのパンクだったのか…。

 とりあえず、尋常じゃない量が漏れているので、ここで応急手当てをするしかない。接着剤や液体ガスケットを外側から塗っただけではたぶん止まらない。キャップを止めているクリップを外そうと思ったら、ラジオペンチがないことに気が付く。どうしよう、と工具入れを覗くと、バイスグリップを発見。クランク角センサーや配線を外して置いて作業スペースを確保する。かなり手こずったがあれこれ工夫してクリップははずれた。

 こういうホースは長年の使用で縮んで変形して、抜けにくいのが常だ。ウオーターポンププライヤで、つまんでぐりぐりやると外れるのだが、そんなスペースはない。仕方がないから、指でつまんでクソ力でぐりぐりと回していたら、徐々に抜けてきて外れた。やっぱり、キャップの頭の半分ぐらいがちぎれていた。そりゃあ、水だって漏れて行くに決まっている。

 これをボンドや液体ガスケットで固めて取り付けても、少し走ったら水漏れが復活する気がする。どうしようか、とトランクをあさると、インマニ回りに使われていたとみられるホースを発見。おお、これを使おう。

 とりあえず、これを取り付けてクリップで固定し、ホースを折り曲げてバイスグリップでつまむ。これで漏れることはあるまい。

 時間を見るとすでに4時30分。1時間ちょっと格闘していたことになる。名古屋高速を走って仕事場に戻ったが、冷却水は減っていなかった。