月: 2003年10月

10月10日

 リンゴが嫌い、という人は珍しいかもしれない。少なくとも、これまで聞いた事がなかった。その人曰く、「あのしゃりしゃりいう食感がたまらなくいや」とのこと。しゃりっと食べて、蜜がじゅるっと出てくるリンゴっておいしいじゃない、と思うのだが、その人に取っては論外の食べ物。地球上から消えてなくなってほしい、というぐらい嫌いなんだそうだ。やっぱり変わっている。

 アダムとイブが食べたり、ニュートンの目の前で落下したりしているのだから、有史以来、とても親しんでいる果物なんだろう。それを「この世からなくなってほしい」というのだから、やっぱり笑える。

 で、このリンゴ嫌いの人が、市場の果実担当なのだから、そのおかしさは10倍にもなる。これまでリンゴ担当はやったことがない。「担当になったら、会社辞めるもの」というぐらい、嫌いなんだそうだ。じゃあ、試しに来週僕がリンゴを目の前でしゃりしゃり食べてみたら、どう思いますか、といったら「だめ、吐いちゃう」。昔、歯磨き粉の宣伝でリンゴをかじって歯茎から血が出ない、というやつやっていたじゃない、という話題を振ると「そのつどチャンネル変えていた」。徹底している。

 そんな馬鹿話をしながら、仕事は終わり、早めに切り上げて8時ごろ家に戻った。晩飯食べて、おもむろにロードスターの洗車を始める。ここ数カ月、洗車した覚えがない。さすがに水垢でどろどろになってきた。

 洗車場で高圧放水を浴びせかけて、ボディーの細かいほこりをぶっ飛ばしてから家に運び、ホースで水をかけながら、カーシャンプーで洗う。もちろん、真っ暗な中やっているから、犬の散歩とかで通りかかった人は、なるべくこちらを見ないようにして前を通ったに違いない。

 それから親父の車を車庫から追い出して、水垢クリーナー兼ワックスでパネル一枚一枚丁寧に磨いてゆく。こんな作業をしたのは何年ぶりだろう。ミーティングに行くときはさすがにきれいにしないと、周りの車はぴかぴかなのに、一台だけどろどろだとあまりにも我が愛車が不憫だ。

 ボディーをきれいにして、次はワイパーを取り替える。もうゴムが固くなって、雨の日の特に夜は、対向車のヘッドライトでぎらぎら光って危険な状態だった。取り替えるついでに、ワイパーアームのつや消し黒の塗装がはげて錆びてきていたので、ペーパーで磨いてからつや消し黒で塗装する。黒い場所をきちんと黒く見せるのが、ポンコツ車を普通の車に見せる秘訣である。

 点火プラグもIRIWAYの8番に。明日は6時には市場に行かねばならないのだが、夜の12時ごろまで作業は続いた。

10月9日

 今日まで、真剣に悩んできたのだが、そろそろ決着を付けなくてはならない。

 F1鈴鹿グランプリと中部ミーティングが同じ日である、というこの不運。すでに20000回転、900馬力に達しているという、F1のエンジンの音が聞ける、というだけで鈴鹿に駆けつけたい気がするのに、佐藤琢磨まで走るというのだから、行きたくて行きたくて仕方がないのである。

 まだ指定席が取れるのだが、25000円+9000円。高い。ちょっと迷ってしまう。しばらく前から行くつもりなら、あれこれ工夫したのだろうが。

 中部ミーティングはまだ一度も行ったことがない。2年前、ミーティング会場横で騒いだことがあるのだが、会場入り口で誘導係の人に手を振ってもらったにもかかわらず、そのまま素通りして帰ったという極悪非道な行いをしただけだった。

 家から下道で1時間半の場所で開かれるのに、行かないのはもったいないかも。奥三河事情は良く分かっているので、猿投グリーンロードも通らず、瀬戸、藤岡、足助と抜けて、国道153号線の伊勢神トンネル5キロ手前ぐらいで合流できる。有料道路を通らず、込む足助の街中も走らないルートなのだ。

 F1と中部ミーティング。かなり迷う選択。が、今年はあのマルハが緊急出展するという話ではないか! F1とMTとの綱引きは、かなり中部MT側に引っ張られ、めでたく行くことに決めたのである。事前申し込みしていないから、お弁当持って行かなくちゃ。

10月8日

 僕にしては珍しく、夜になってもがちゃがちゃと仕事をしていたら、上司が右斜め後方に立っている気配がした。だいたい、何が言いたいのかが分かる。飲みにさそいたいのだ。

 行きつけという栄のとあるお店へ。以前も行ったことがある店だと気が付いて、ちょっと暗い気分に。

 コンセプトとしては、素材を生かした小料理と、おいしいワインをはじめとしたお酒をそろえて出す店なのだろう。切り盛りしている夫婦は、食材やお酒についてさまざまな知識があることはある。が、そういう知識は客が「これはうまい」と言ったときに「それは、どこどこで取れたこんな食材です」とさりげなく伝えてほしい。

 ここお店は違う。夫婦そろって、がんがんべらべらと、いかに良い食材かを不必要なほどにひけらかす。それを聞いているだけで、うんざりするのだが、さらに、自分たちのそろえた食材がいかに良いかを伝えるのが目的なのか、性格なのかは知らないが、人のことを辛辣にけなすのである。

 僕はお酒を飲むに行くときには、差しで語らいながら静かにがぶがぶ飲みたい。そのお店に行くと、ほかの客がいないこともあって二人で話す、ということができない。非常に鬱陶しい。

 それでも、素晴らしく適切な調理で、リーゾナブルなら、食事に行ったと思えば我慢はできる。が、救いがたいのは、素人目に見て疑問符が付く料理で、しかも高いのだ。

10月7日

 名古屋駅の券売機でいつも通り、新幹線の回数券を入れると、1時間先ののぞみまで指定席が埋まっている状態だった。最低でも11時24分ののぞみに乗らないと約束の時間に間に合わない。ちっ、と舌打ちし、操作をキャンセルしてホームに駆け上る。

 ちょうど、11時12分発ののぞみが入ってくるところであった。ホームを走って自由席禁煙の2号車に駆け込むと、がらがら。窓側の席にゆったりと座って東京に行くことができた。

 10月1日から、びぃあんびしゃす、だとかなんとか、訳の分からない宣伝をして、品川駅ができて新しいダイヤになったことを売り出している東海道新幹線であるが、会社の金使ってのぞみしか乗らない僕にとっては、不便になった気がしてならない。改正前ののぞみは全席指定席だったのだが、改正を機に15両中3両が自由席になって指定席が大幅に減った。けれども、本数は増えたので「のぞみが便利になった」としきりに宣伝している。

 んが、のぞみの料金が少し下がったとはいえ、安かったひかりの本数が減り、事実上のぞみに強制的に乗せられることが多くなるのだから、多くの利用客にとって事実上の値上げなのである。ひかりからのぞみになったからといって、東京に着くのが30分も早くなるわけではない。せいぜい10分少々の差である。さらに、これまでよりのぞみが込むようになったのだから、これまで会社の金でさんざんのぞみを使ってきた僕にとっては、名古屋駅で10分後ぐらいに出発するのぞみの指定席を取って駆け乗る、という芸当ができなくなってしまい、1時間後の指定席しか取れなくなってしまった。最悪の場合、自由席に座ることもできずに立って東京に行く羽目になってしまう。不便だ。

 そんなくだらないことを考えつつ、新幹線の中でまでパソコン使って仕事をする有能なビジネスマンのふりして6日付けの「日常」を書いて携帯電話を使ってアップしていた。あっという間に東京に到着。

 八重洲方面で仕事。5時からは皇居前で仕事だったので、その空き時間に松本時代の友人と会って昼メシを喰らう。一緒に2年前のF1鈴鹿グランプリを見に行った仲なので、話は自然にF1談義となり、モンちゃんなど鈴鹿でどんな波乱があるかをネタに盛り上がる。

 皇居前に行き仕事。その後、最近まで松本のホテルマンをしていて、仕事をやめて練馬の実家に戻っていた友人Kと会って、新幹線の八重洲口にあるメシやでビールを飲みつつ、馬鹿話をしていた。

 ただいま、22時発最終のひかりに乗って帰宅の最中。

10月6日

 18日の決戦に向けて密かに気合を入れて準備する今日この頃。

 その気持ちを抑えつけることができず、というか、雨が降っていて歩いてバス停に行くのがおっくうだったのでロードスターで出勤してやった。

 うだうだうだ、っとすごして夕方、そろそろ仕事もいやになってきた頃、某所の掲示板でヒントを得て新しいセッティングのアイデアを得たので、試してみることにした。

 現在僕は4連スロットルを負圧で制御するDジェトロで動かしているのだが、負圧というのは一定していないから、標高やスロットルの閉まり具合などでころころセッティングが変わっていく。別に困るほど空燃比がずれるわけではないのだが、一度セッティングしてしまえばあまり変わらないLジェトロROMチューンの安定度を味わっている(標高による空気密度の変化にはまったく対応していないが)ので、やっぱり気になるのである。

 4連スロットルは負圧だけでは厳密には制御できない。アクセル開度30%と100%でほとんど同じ負圧の数値になってしまうのであって、スロットルポジションセンサーで修正することが前提になってしまうのである。

 だったら、負圧による制御は最小限にし、スロポジにて制御してしまえば良いじゃない、というのが普通の人の考えだ。FreedomではDジェのほかにスロポジ制御もできるようになっている。しかし、勝手なイメージとしてなんとなく「おまけ」的な存在であり、真剣に開発されていない気がするので、僕は今までDジェを使ってきた。

 それでも堪忍袋の緒が切れた。飛騨や松本などけっこう標高の高いところにしょっちゅう行く僕の使い方だと、いくら時間を費やしてもばっちり、ということがないからである。いやになっちゃったから、あることを試すことにした。Dジェトロなのだが、スロポジ制御、という奇妙な制御である。

 具体的には、Dジェトロの基本である噴射量マップを一度殺す。マップ上の数字をすべて1.000にしてしまうのである。で、スロットル補正マップで燃調が合うようにつじつまを合わせる。燃料噴射に限ればスロポジ制御と同じ理屈になるはず。

 仕事にばりばり打ち込んでいるふりをしながら、ばりばりとマップを作っていた。さんざん噴射量マップをいじってきた経験があるから何回転のアクセル開度何%にどんな数値を入れればよいのか、だいたい想像が付く。ま、うまくいかないのが、素人作業の常なのだが。

 マップを作ったらさっそく新しい方式でエンジンを回してみたい。そう思って、仕事場を抜け出し、路上駐車をしてある我が愛車に乗り込み、新しい方式でつくったファイルをFreedomに転送する。

 緊張の始動。ぎゅぎゅぎゅん、ぶぉん。とエンジンはちょっと様子がおかしい気配がするがかかった。と思ったら、ぶすぶすぶすぶすと回転が落ちていき、ストール。おかしいな、と思い、もう一度ぎゅぎゅぎゅんと掛ける、ぶぉん。再びぶすぶすっと来たので、スロットルをあおってやったら、ぶぉんぶぉんと普通にふける。が、アクセルを離すとぶすぶす言い出す。エンストしたので再びエンジンをかけたら「バンッ」とインマニ側でバックファイヤーの音がした。歩道を歩いていた人がこっち見てびくっとした。

 NEKOの空燃比計は電源オンから1分たたないと空燃比を表示しない。2000回転ぐらいを維持して待つと、2000回転では適当にマップを書いたにしてはまともな空燃比なのだが、スロットルを離すとたちまちRICHになってストールする。

 ここで気が付いた。Dジェトロ制御の場合、スロットル補正が入るのはアイドルオフの場合なのだ。アイドル中はスロットル補正はカットされるに違いない。スロットル補正されない、ということは、噴射量マップ上の1.000という数字がそのまま噴射量に反映されてしまう。アイドリング時のマップ上の数値は普通0.150〜0.250ぐらい。異常な量のガソリンを吹いてしまっているのだから、そりゃあくすぶるに決まっている。

 だめか、と思うがあきらめきれないので、いろいろあがく。アイドルで調子が悪くなるなら、アイドル状態と判断させないようにすればよい。まずスロポジのアイドル接点をなしに変更。さらに、アイドルON開度とアイドルOFF開度をいずれもマイナスの数値を入れてやる。これでFreedomはアイドル状態を認識できない。

 一応、アイドルするようになった。が、調子が悪い。アイドル安定化補正だって入っていないのだから当たり前。空気の量が少ないようだったので、ISCVを開き気味に調整する。点火時期も10度にならないから、マップ上で10度にしてやる。いろいろあがいたが、やはり調子が悪い。

 走ってみると、重大なことに気が付いた。インジェクションであれば、一定回転数以上でスロットルを閉めると、燃料カットが入るようになっている。Freedomのデフォルトなら1800回転。が、スロットルオフが認識できないのだから、そのまま燃料を噴射し続ける。キャブみたいだ。何ともならないので、元の状態に戻した。実験は完全な失敗に終わっちゃった。

 断っておくと、平地ではすこぶる調子が良い。4連スロットルにハイカムという条件だと、いろいろ面倒なことが起きてくる、ということ。標高の高いところでも、燃調がちょっと狂うぐらいで普通に走るぐらいならまったく問題はおきない。ではなぜあがいているのか、といえば、ただあがきたいから。

10月5日

 東京の池上というところは、なかなか面白いところで、知らなかったのだが、日蓮宗の四大本山の一つの本門寺がある場所で、小高い丘全体が寺になっていて、その周辺にもお寺が密集していた。仕事自体は実相寺であったのだが、面白そうだったので本門寺に上がる坂道をとことこ歩いていく。

 古くからあるお寺の境内には、長年切られずに残った森がある。「鎮守の森」と呼ばれて、なんとなくおどろおどろしいうっそうとした森である場合が多い。

 本門寺周辺も鎮守の森が残っていて、宅地化し尽くされた土地にぽっかりとオアシスのようにミニチュアのような森が残っていた。丘を登り切ると、大きなお寺の建物が見えてくる。お寺には特に用事があるわけではなく、時間も迫っていたので、お墓を横切る階段を下って実相寺へ。周辺の建物の中にも、古い木造で味のあるソバ屋だとかが突然姿を現したりする。同じような建物がずらりと通りに並んでいた門前町だったのだろうな、と勝手な想像が頭に浮かぶ。

 実相寺では朗読会を見る。仕事か趣味か遊びか分からなかったのだが、仕事の立場上ぜひ来てくれ、と言われ、さらに会社に交通費を出してもらっているのだから、仕事なのだろう。さすがに、朗読の世界にぼうっとふけっていたらまずいかと思い、写真を撮っておいた。

 9時半ごろ終わる。帰ることができないのは分かっていたので、中板橋の某氏のところに転がり込む手はずをしてあった。新婚ほやほやの家に転がり込むのだから、大変迷惑な話なのである。本当は来てほしくないのだが、電話があれば「かまわないですよ」と社交上の挨拶するのが人の常であるが、僕には通用しない。「あ、そうですか。ではありがたく」と、転がり込むのである。

 歩いて、東急池上線池上駅を目指す。だが、来た道を戻ったつもりだったのだが、なぜか駅に着かない。すでに午後10時前なのだから、焦る。おかしいおかしい、と思い、かなりの早足で歩いていたら、線路に出た。様子がおかしい。ちょっと線路の幅が広い。と思ったら、列車が通過。東海道本線だった。頭の中がパニック。そんな中、京浜東北線も通って地理をまったく知らない僕はいよいよ、訳が分からなくなった。

 半ばべそかきながら、線路沿いを東京方面へ歩く。蒲田に着くだろうと思ったのだが、これが失敗だったみたいで、いくら歩いても駅に着かない。歩いて歩いていやになったから、タクシーに乗ろうかとも思ったのだが、こういうときに限って通らない。歩いて歩いて足が棒のように感じるようになった頃、ようやく大森駅に到着した。まったくあさっての方向に歩いていたことが判明する。東京の街って方角がまったく分からない。

 1時間後、中板橋に到着して、新婚宅に転がり込み、新郎だけ引っ張り出して居酒屋でビールをがぶ飲みする。困り顔の新郎をさしおいて、一人、軽く3杯飲んだところで、はっと思うところがあって、新婚宅に戻る。戻ってシャワーを浴びたら、すぐに意識を失った。

10月4日

 いつの間にか髪が伸び放題になって無秩序になってきた。と、この前もこんなことを書いたな、と思い、過去の日常を調べてみたらこの前切ったのは6月中旬だった。3カ月も放置していれば、伸び放題になるよねえ。このペースだと年4回。1回1500円の床屋だから、髪の毛の処理に年6000円しか使っていないことになる。オイル交換1回ぐらいしかコストをかけていないのか。仮に僕がおしゃれさんだとして、1回4000円の美容室に年12回通ったとすると、48000円。すごい金額だ。

 とにかく床屋に行って頭髪を処理してきた。もう少し寒い時期まで粘ったら、頭が冷えて寒かったに違いない。すっきりした頭に違和感を感じつつ、帰る途中にホームセンターに寄り、オイルを捨てる箱とアルミ板、金切りばさみを買う。

 帰宅すると親父がジムニーを洗車していた。今から僕が寝っ転がろうとする場所が水浸しである。何するんだ。

 親父が洗車を終えるまで、点火時期の調整をすることにする。ノーマルコンピューターであれば、TEN端子をGNDに落として…、とやるのだが、Freedomであればリアルタイムに点火時期を見ることができるので、まったく必要がない。

 なぜ今さら点火時期調整なのか、と言えば、ノッキングが出まくるのは点火時期のイニシャルが狂っているんじゃないか、と甘い期待があったからである。

 エンジンルームにパソコンを持ち込んで、FCSSで点火時期を確認しながら、タイミングライトで確認する。現在の850回転アイドルでは、どろどろと回転が一定していないから、10度で点火しているのかどうか、じぇんじぇん分からない。

 仕方がないから、アイドル回転数を上げる。1100回転にしてみるも、まだまだマークの位置が一定しない。むかついたので1500回転。見事に10度の位置に一定するようになった。ということは、点火時期はきっちり合っていたわけで、ノッキングが出まくりなのは、エンジンがダメダメ、ということである。

 親父の洗車が終わったので場所を変えてジャッキアップ。埼玉の某氏にもらった寝板でごろごろと車体の下に潜り込み、オイルを抜く。ここで、ここ2年ぐらいの懸案となっていた作業に取りかかることにする。

 2年前の夏にオイルクーラーを付けた際、あまりにも巨大なコアだったため、バンパーの開口部とラジエーターを結ぶ導風板を付けることができずに、丸ごと外してあったのだ。バンパーの下側が丸ごと隙間になっているので、せっかく開口部から入ってきた風も、下に抜けてしまってあまりラジエーターを抜けない。油温は下がるようになったのだが、今度は水温が上がり気味になってしまった。特に問題となるのが、気温が高いときのミニサーキットで、油温は90度ちょっとなのに、水温だけ110度まで上がってしまう。真夏だと連続5周ぐらいが限界。

 だから、この大穴を塞いでやろうと思った。この前、富山で作業したときに、段ボールで大体の型を取ってあったので、それに合わせてアルミ板を切る。アルミ板は一番薄いのが0.3mm厚だったけれど、アルミ箔に毛が生えた程度で風が当たった途端にぐにゃぐにゃ曲がりそうだったので、0.6mm厚を選択。

 金切ばさみではなかなかうまく切ることができない。端っこはぎざぎざ、いびつな形になってしまったが、見える場所じゃないから良いだろうと、簡単にサンドペーパーで角を落としておいただけ。固定はアンダーカバーのボルト穴と、バンパーの下側にあるボルト穴を使う。一度、アルミ板をあてがって、下からマジックでマーキング。ドリルでボルト穴1カ所につき2個の穴を開けて、固定する。固定は…、、タイラップである。素人作業のセオリー通り。

 タイラップ止めではびびり音が出るかと思ったが、エンジンを掛けた限りでは音はしなかった。バンパーの下側とアンダーカバーだから、もともとゆるゆる、ぶるぶるしている場所だから、問題はないだろう(本当か?)。

 こんなことをやっているが、仕事があるのである。夕方に、東京・池上に行かねばならない。いつの間にか時間は午後3時。親父に駅まで送ってもらい、ぎりぎり間に合った。

10月3日

 やっぱり電車で出勤するのがおっくうだったので、ロードスターに引っ張り出してもらうことにした。今ぐらいの気候が走るには一番良い。

 市場にて仕事をして、夕方までうだうだとすごす。職場なんかにいたって、隣からの受動喫煙に苦しむだけだし、しまいには気管支や肺が痛くなってきたので、馬鹿らしくなって抜け出すことにした。

 18日の筑波に向けていろいろやりたいことがある。まずは点火プラグを交換したい。IRIWAYの7番が付いていて、まだ一万キロも使っていないが、同じIRIWAYの8番にしてみたい。別に交換してもさほど変化はないだろうけれど、まあ気分的なものだ。あとは、まともなドライビングシューズでもないかしら、と思った。

 会社近くのオートバックスに行ってみると、IRIWAY8番は2本しかないようだった。ドライビングシューズも派手派手なものしかないのでちょいと気が引ける。普段履きできるようなものがないのか。

 目的の物さえ買えなかったので欲求不満。それでは、と港区のスーパーオートバックスへ。そう、西部警察が事故をやってしまったあの場所である。

 やっぱり、大きいだけのことはあって、IRIWAYも大量在庫。しかも2本4000円から3200円に値引きしてあった。4本で1600円もお得である。さらに、2階のビレッジバンガードを冷やかしていたら、作業に使うつなぎを衝動買いしてしまった。これまでは、ワークマンかどこかで4年ほど前に買った激安つなぎ作業着だったのだが、明らかに安物で、薄汚い代物だったので、きちんとしたのが欲しかった。まあ、買った物も安物なのだが。

 ドライビングシューズは、ベネトンのものやFETのもの、スパルコのものが並んでいた。くるぶし当たりまで縛ってしまうものじゃなく、普通の形のものが欲しかったのだが、なかなか良いものがない。FETのものが大人しいデザインで良いかとも思ったが、でっかく「Racing」と刺繍してあるのがちょっと恥ずかしかったので敬遠。

 そういえば、ワイパーもしばらく交換していないことに気づき、購入。ソケット工具のエクステンションもなくしたので購入。足踏みの空気入れも480円と安かったので購入。こんなところにくるとあれこれ買いすぎてしまう。

 しかし、港区周辺は地理感がないし道もわかりにくい。行きも迷ったが帰りも迷ってあれこれ走り回って、ようやく仕事場に戻ったときには午後9時前だった。スーパーヘビースモーカーも帰宅していたので、心おきなく仕事に取り組める。

10月2日

 知らない人も多いと思うが、僕のエンジンは3月中旬にノーマル腰下+1mm面研ヘッド+264度HLAカムの仕様があるトラブルによってぶっこわれてしまい、寝る間もおしんで作った1722cc圧縮比11.7in272ex288カムwithインナーシム4連スロットルエンジンを5月中旬に載せて、現在そのエンジンで4カ月ちょっと経過したのである。

 で、先日、新エンジンによる初サーキット走行を無事に終え、どうやらぶん回しても壊れないことが判明。秋の気温ならば、ヒーターさえ付けていれば水温90度、油温110度は上回らないことも分かった。オイルは多少減るみたい。

 たぶん、濃い空燃比によるオイルの希釈があるのだと思う。吹きすぎた燃料をシュゴッと吸い込んで、液体のまま燃焼室に到達したガソリンがそのままピストンリングをすり抜けてオイルに交じってその分が揮発しちゃうのだ。たぶん。いや、そうであってほしい。

 濃くなっちゃうのはFreedomを使っていると致し方がない症状で、いろいろな補正を掛けると、ある拍子に異常に濃く吹いたりする。詰めればうまいこと行くかもしれないけれど、ま、素人仕事だからそこそこ空燃比がそろっていれば良いのだ。

 で、その新エンジンでもう13000キロも走っちゃった。月3000キロペースで距離が伸びていく。遠くても新潟・柿崎や六甲山、志賀高原、伊豆・石廊崎までしか行ったことがないし、いつも通っている富山や松本なんて隣町みたいなものであるから、なぜここまで距離が伸びちゃったのかは不明であるが、エンジンを組んだ当初に決めた寿命である10000キロはすでに越えているのである。なぜ、10000キロかと言えば、前回腰下まで組んだエンジンが10000キロでシリンダーが偏摩耗して壊れたから。

 何を言いたいか、といえば、すでに僕のエンジンは耐久テストにさしかかっているということである。今月18日には筑波サーキットで、一部には有名な筑波決戦に参戦する。そこまでエンジンがもてば万々歳ということであろう。

10月1日

 仕事で一宮へ。JR快速で10分少々と車で行くよりもかなり近く感じる。

 仕事を終えて再び趣味の街歩き。繊維の街として栄えた一宮も、やっぱりかなり寂れている感は否めない。メーンは本町商店街。でっかいアーケードで七夕まつりが有名な商店街だが、最近まで営業していたらしいシャッターに破産を告げる張り紙。あまり景気がよい感じではなかった。

 確かに名古屋に10分ちょっとで行けるのなら、僕でも高島屋や松坂屋やパルコに行っちゃうかもしれない。