月: 2003年4月

4月30日

 朝から自宅で仕事に取りかかる。昼過ぎから、家の近くで仕事が入っているものだから、わざわざ名古屋の真ん中まで行って戻って来るのでは時間の無駄である。うだうだとパソコンに向かって過ごし、昼ご飯を食べて出発。

 そして今度は仕事を提出する時間までに余裕がないから、家で仕事をすることになった。再びパソコン前に座って1時間半ほど。インターネット経由で仕事を提出し、電話を入れて夕方からは昨日の用事の続きで豊橋に向かうことにした。いちおう、ボスに断りの電話を入れる。一度も出社しなくたって、仕事はできる。いつもこれができたら、エンジン製作もはかどるのだが。往復2時間を拘束されるのってけっこう時間がもったいない。

 思い立ったら、缶コーヒーを買いに、富山のO山町のローソンまでふらり行くことができるぐらい距離感覚が麻痺しているので、豊橋なんて近いものである。親父のクラウンで出発し、帰りはジムニーに乗って帰ってきた。やはり、高い車は運転が楽であった。

4月29日

 部品が届いていなくて作業ができないと思っていたら、午前中に相次いで届いた。これでヘッド回りの組み立てに入れるのである。

 とりあえず必要なものを買い出しに、ホームセンターに向かう。いろいろ買い込んできて戻ってきて、さっそくヘッドと対面する。いちおう、今の状態を写真に撮っておこうとじっくり見ていたら、吸気ポートが気に入らない。シートリングを打ち込んだときの微妙な段差にシートカットをしてできた段差。これは捨て置けない、と回転砥石を取り出してがりがりと削った。病気だ。

 一通り削って、表面を適当に磨いてやった。鏡面化はあきらめているので気が楽である。せっかく洗浄してあったのに、元の木阿弥になってしまったので、車に積んで洗車場に行き、強烈スチームをぶっかけて洗ってやった。燃焼室を狙うと、吸排気ポートから豪快に水が噴射する。前後の水穴にぶち込むと、各水穴から噴射する。これは面白い。

 水を付けてしまうと、シートリング、バルブガイドはあっという間に錆び出すのですかさずパーツクリーナー&CRCをぶっかけて錆び止めをする。この前は、湿度の高い日に、パーツクリーナーを大量にかけて洗浄したら、クリーナーによって冷えたヘッドに結露して、ものの10分ほどでシートリングやバルブガイドが錆び出していた。注意が必要なのである。

 さて組み立てに入ろうか、と思ったときに思わぬことが起きて、母を連れて豊橋に走ることになってしまった。その後、奥三河まで行って、再び豊橋に。帰ってきたときは午後11時半。ということで作業がまったく進まなかった。

4月28日

 午後3時半に堂々と出勤した。すでに夕方であるからして、席に座ってそのまま立ち上がって帰りたい衝動に駆られたが、夜にちょこっと用事があったのでそういうわけにもいかなかった。

 昨日はヘッドカバーの加工をした後、夕方6時から仕事。終わったのが午前3時半だったから、遅い出勤も文句はないだろう。

 エンジン製作は部品がそろわないとこれ以上の作業が進められない状態。明日は休みにして作業に打ち込もうと思っていたのだが、どうやらかなわないようである。そんなときに限ってタイミング良く、仕事が入る。次の3連休は富山でエンジン組み立てをしようと企んでいるのだが、果たして行けるのか?

4月27日

 この土日はエンジン製作の詰めの作業をしていた。まず燃焼室容積測定。注射器ではお話にならないぐらい誤差があるのが悩みだったのだが、名古屋駅の東急ハンズで10mlのピペットを発見! 2回測ってもその差が0.1〜0.2ccだからかなり正確に測れているとみていいだろう。

 シリンダーもボーリングが終了し、ピストンとともに届いている。ノーマル78mmから81mmのものを組み込み、排気量は1722ccとなる。出し惜しみをしようとも思ったのだがここで公開しよう。選択したピストンはこれだ!

 エスコートというメーカーの鋳造ピストン。ピストンのスカートの形に注目。ピストン自体とピストンピンの軽量化を目指して、こんないかした形をしている。ピストントップはNB2のピストンのような形を想像していたのだが、思ったよりも出っ張りが少なかった。インテーク側の出っ張りがスキッシュの近くまで及んでいるので、ヘッド側燃焼室のスキッシュとの段差を削ったのは正解だったかもしれない。

 このピストン、ピストンリング込みで40000円ちょっとだからとっても安い。ノーマルを買っても25000円ぐらいするから。トヨタやホンダの純正品を流用する手もあるが、ピストンやコンロッドの加工代がかかることを考えると、このピストンの方がコストパフォーマンスが高い。

 燃焼室容積の平均は37.1ccだった。削りすぎて39cc近くになっていたと勘違いしていたのだが、正確に測れていないだけであった。容積の差は0.2cc程度で豪快に加工した割にはかなりぴったりとそろっていた。人間の勘も馬鹿にできない。

 ブロック側の燃焼室の容積も計測する。ここで問題になるのが、ロードスターのB6エンジンはピストンがブロックからちょいと飛び出しているへんてこな設計になっていることである。エスコートのピストンがB6エンジンのピストンの寸法をそのままコピーしたのであれば、同じように飛び出してしまう。

 1番気筒だけピストンを仮組みしてみたが、どう目を凝らしてもピストンがツライチより少し下がっている。指で触っても確認できる。飛び出しているとどれだけ飛び出しているのかを測る羽目になる。ガスケットも戸田レーシングの0.8mmの薄いものを選択していたから、まずは一安心である。あまりに隙間が狭いとカーボンをかみ込んで異音の原因になるのだ。

ピストンを3mm下げて、14.3ccほど入った。3mm下げた体積は15.45ccである。ガスケットは戸田の0.8mm分が4.17cc(81.5mm)。すると燃焼室の容積は、37.1+4.17cc-1.15=40.12cc。シリンダーの体積は430.57cc。すると圧縮比は(430.57cc+40.12cc)/40.12=11.73。誤差を考えても、11.5は確実に確保している。鋳造ピストンだし、これくらいがちょうど良いかもしれない。でも説明書にはピストントップで燃焼室容積が-2.8ccぐらい(うろ覚え)になると書いてあるんだよね。今回自分で計測して出した数値だが、説明書通りだとすると、燃焼室容積が38.47ccということになり、12.19という圧縮比になってしまう。ま、どっちでもよいけれど。

 部品がそろうまでに、やることがなくなってきたので、ヘッドカバーを加工する。タイミングベルト剥き出しだぜい。

4月25日

 市場のおっちゃんに昔、自動車部でラリーをやっていた人がいる。今でもランクルやジムニーに乗り、山道に繰り出すぐらいの車好きで、僕のマニアックなエンジン話の内容が分かるだけでなく、うれしそうに聞いてくれる。つい、仕事の話から脱線して、今作っているエンジンについてあれこれと話してしまう。

 久しぶりに一緒に昼メシでも喰らいましょうと、誘った。午前1時ごろから活動している市場のおっちゃんにとっては夜飯に当たる。市場ビル最上階の卸売会社の共同食堂に行き、いつもただでもらえる食券で日替わりのランチを選ぶ。

 今日は、トロの刺し身であった。通常なら1枚で1食食べられるのだが、このトロは2枚の食券を要求する。つまり高級品なのである。その高級品を選んで、ほくほく顔でいたら、おっちゃんがさらにもう2枚の食券を出して「天ぷらもくれー」。もちろん、1人で2皿喰らうのではなく、僕に1皿くれるのである。結果、お盆の上にはトロと天ぷらの盛り合わせとみそ汁とご飯とが満載になり、いつも軽い昼メシを喰らっている僕にとってはかなりヘビーなものとなってしまった。

 「食べられましぇん」などと野暮なことは言ってはいけない。ありがたく頂戴し、胃袋がオーバーフロー寸前でも笑顔で詰め込んで、ごちそうさましなければならぬ。ま、社会人で人付き合いしていれば良くあることである。

 トロもさすが市場の人間のための食堂で出される本格的なトロであり、とってもうまいのだが、とっても脂っこい。おいしいのはだいたい2切れまでで、それ以上は惰性で食べるしかないのだが、この日は天ぷらもあって、かなり口の中が脂ぎっしゅになって胸焼けもする。でも笑顔でおっちゃんと話しながら楽しいランチタイムを装う。車談義自体は楽しいのだが。

 そうして仕事場に戻ると、春の定期健診であった。自慢ではないが、松本時代は再三にわたって健康診断を拒み続け、一度も行ったことがない。主義主張で行かないのではなく、ただ面倒くさいからなんだけど。

 行きたくはないのだが近くにいる上司に名指しで「絶対行け」と言われれば行かざるを得ない。何が嫌かと言えば、昼メシをあれだけ大量に喰らった状態で体重を量らねばならないのである。

 ベスト体重からはほど遠く、だんだんと重くなっていっており、ライトウエイトな車を愛する人間にとっては大変不本意ながら、さらに増えていた。昼メシの分だけ増えている、ということではなさそうである。

4月24日

 午前5時半に起きて市場へ。相変わらず、フォークリフトや軽トラにひき殺されそうになりながらも何とか無事に仕事を終えた。

 昼過ぎからは新幹線に乗って渋谷へ。午後6時ごろ、仕事を終えて友人と待ち合わせて晩飯を喰らうことにする。

 川崎の下宿に泊めてもらおうかとも思ったが、明日は午前10時から再び市場での仕事がある。9時半には名古屋駅に着いてなければならず、逆算すると午前7時すぎには電車に乗らないと間に合わない。2日連続早起き、しかもアルコールを摂取しての早起きはさすがに無理なので午後10時の最終のぞみで変えることにする。

 もう一人、友人を呼びだして浜松町で飲んだ。行き帰りの新幹線の中では寝て過ごす。ワープしたみたいでなかなか面白い。

4月23日

 浜松ではなぜか60ぐらいの医師5人との飲み会。僕一人でのこのこと出かけていったら、袋だたきに遭うだけの「いじめ」である。上司を誘って二人で乗り込む。

 食べられちゃうこともなく無事解放されて、午後11時ごろ浜松駅南のホテルにチェックイン。2人でフラフラと駅北側の繁華街に繰り出す。さすがにバイクと楽器とウナギの街であり、人口も60万もあるからして、夜の街も地方としてはなかなかにぎやかである。怪しい客引きやおねいさんたちとはなるべく目を合わさないようにしておき、勘を頼りに歩いたら健全そうなショットバーがあった。

 バーボンロック3杯をがぶ飲み。普通のお店より多めに出してくれたのはいいのだが、そのせいでかなり酔っぱらった。ホテルでぶっ倒れて朝起きたらまだ地球の自転を感じた。

 ひかりに滑り込んで酒臭い息を殺して我慢すること30分ばかり。もう名古屋駅である。自宅から通勤するよりも近い。

4月22日

 表を歩いていると、光の具合でもう春がすぎつつあることに気づく。ロードスターに乗っていて、一番良い季節を、一回も開幌して走ることなく無為に過ごしてしまうことになった。朝晩はヒーターを付けるぐらいの季節が一番気持ちがよい。5月に入れば昼間はすでに強烈な日差しが待っている。誠に残念。

 そろそろ禁断症状が出てきた。ロードスターで走りたい。

 一刻も早くエンジンを積みたいのだが、日曜日、残念ながら仕事が入ってしまった。これで再び富山でのエンジン製作が延期されることになってしまった。あとはこちらでヘッドを組み立てるぐらいしかやることがなくなってしまう。一刻も早く作りたい時に限って休みがない。それでも今月は3日は休んだか。

 このまま時期が延び延びなってしまうとまずいことが2つある。なんとしてでも行っておきたい軽井沢ミーティングに行けなくなることと、なんと6月に車検があるのだ。セッティングも取れていない車で車検を通すなんて到底無理。面倒なことが増えてしまう。

 これからなぜか浜松で飲み会。仕事なのに飲み会。

4月21日

 3月に免許を更新したときにもらった「安全運転自己診断」という紙が、カバンの中でくちゃくちゃになっていたのを見つけて、やってみた。30の設問に「はい」「いいえ」でこたえて、その結果から運転の傾向を判断するのだそう。ドラテク診断みたいなものだな(違う?)。

 「自分のペースを乱されると、とてもイヤな気分になる」→「はい(山道ではすいすい走りたい)

はい(山道ではすいすい走りたい)

 「運転が下手な人は遠慮して走るべきだ」→「はい(のろのろふらふら走っている人ほど、後に10台ぐらいの車が詰まっていても気づかないんだよね)

はい(のろのろふらふら走っている人ほど、後に10台ぐらいの車が詰まっていても気づかないんだよね)

 「他の人の運転に腹を立てることが多い」→「はい(追い越しかけられたら、まず追いかける)

はい(追い越しかけられたら、まず追いかける)

 「多少の速度オーバーは、しかたがないことだ」→「はい(見通しの良い道を40キロなんかで走っていられない)

はい(見通しの良い道を40キロなんかで走っていられない)

 「前方が開いていると、ついスピードが出てしまう」→「はい(うれしくなってつい)」。

はい(うれしくなってつい)

 

  「イライラ運転をしていませんか」。はあ、どちらかというと。

イライラ運転をしていませんかイライラ運転をしていませんかイライラ運転をしていませんかイライラ運転をしていませんか

 

 「いつでも早く行きたいという気持ちが強い」→「はい(遠距離の移動となると特に)

はい(遠距離の移動となると特に)

 「渋滞にぶつかると、抜け道に入ることが多い」→「はい(名古屋人の特徴だ)」。

はい(名古屋人の特徴だ)

 

  「あらっぽい運転をしていませんか」。別にそうは思っていないけど…。

あらっぽい運転をしていませんかあらっぽい運転をしていませんかあらっぽい運転をしていませんか

 

 「どちらかといえば、運転に自信がないほうだ」→「いいえ(遅いけど、普通の人よりは)

いいえ(遅いけど、普通の人よりは)

 「判断に迷って、どう動けばよいかわからないことがある」→「いいえ(予測外の挙動を示さない限りはなんとか対応できるゾ)

いいえ(予測外の挙動を示さない限りはなんとか対応できるゾ)

 「進路をゆずってもらうと、あわててしまう」→「いいえ(虎視眈々とスキを狙っているから、サンキューとぶち抜いていくハズだ)

いいえ(虎視眈々とスキを狙っているから、サンキューとぶち抜いていくハズだ)

 「ハンドルを切ってから、まわりの車に気づくことがある」→「いいえ(いくら何でもそれはない)」。

いいえ(いくら何でもそれはない)

 

 「自信過剰運転をしていませんか」。うるさいよ。

自信過剰運転をしていませんか自信過剰運転をしていませんか自信過剰運転をしていませんか自信過剰運転をしていませんか

 

 なんだか怒られてしまったみたいだけれど、まったく外れているかと言えば、そんなこともない。なかなか良い線を突いているかもしれない。安全運転にはよろしくない4タイプの性格のうち、3つに該当してしまったのである。反省。

4月20日

 大失敗してしまった。燃焼室を調子に乗って削りすぎてしまったのだ。どのくらいの失敗かと言えば、せっかく面研1mmでシリンダヘッド側燃焼室の容積を減らしたのに、ノーマルと同じぐらいになってしまった。もう0.8mmぐらい削ってやろうかしら。

 せっかくの日曜日だというのに、昼ごろに起きて、何となく見返したくなったホットバージョンを見て、ガレージに引きこもって燃焼室の加工の詰めをやっていた。自分でもあきれるぐらい、車漬けの日々である。

 今日一日かけて燃焼室の加工も終わり、磨き込む前に燃焼室の容積を測定した。しかし、道具が注射器、しかも、プラスチック製のシリンダにゴムパッキンがついたピストンのものなので、正確な計測は望めない代物である。注射器2本と3ccまで測れるピペットを使っての測定。どの気筒も38.5cc前後。面研したときは35.5前後だったから、3cc分も削り込んでしまったことになる。

 燃焼室はこんな感じ。まだ、バルブも燃焼室も仮磨きである。別にこのまま組んでしまってもかまわないのだけれど。