月: 2001年11月

11月10日

 ロードスター乗りとで集まって、バーベキュー。屋根のある場所で、午前中から肉を焼き、喰らう。普段できない、マニアックな話に興じることができて、素晴らしい。「コンロッド削りすぎちゃったんですよ」なんて会話は、普通の集団ではできない。コンロッドはブロックに穴が開いた夢を見るくらい精神衛生上悪いので、いま動いているエンジンから1本拝借することにした。

 スロットル以外は吸排気系もすべてノーマルのNA6CEに乗った。他の人は「動きが軽い!」と驚いていた。確かに踏み込んだ時のレスポンスは良いのだけれど、トルクが薄すぎる。ノーマルってこんなだったのかしら。レスポンスが良いから楽しくはあるけれど。

 今日は200キロほど運転した。これから名古屋に向かうと再び200キロほど走ることになる。途中、我がチューニングヘッドが載って1万キロを突破する予定。

11月9日

 起きたら正午だった。もちろん、今日は出勤日。職場のボスから2回電話があった気がするが、何を話したのか覚えていない。というか、2回目の電話は保留にしてしまった。電話の向こう側でも、まさか相手が布団の中だとは気付いていないだろう。ばれなければいいのだ(本当か?)。

 昨日、午後10時ぐらいから職場の先輩といつものショットバーに飲みに行ったのだ。「お帰りなさい」とマスター。他の客から変な目で見られる。いつもの席に座り、半分ちょっとをアルコールが占めるバーボンの封を開け、ストレートでかぱかぱ飲んでいた。腹が空いていたので、野菜を大量に出してもらってばりばり食べ、気が付くと、いつしか他の客がいなくなっていた。マスターが心配そうな声をかけてきたので、ボトルを見たら、指2本分ぐらいしか残っていなかった。飲み過ぎ。

 でも、記憶は飛ばなかったな。 

11月8日

 一眼レフカメラのF90が壊れた。スイッチを入れたのに電源が入らないので、おかしいなと思い、電池ボックスを外したら、落としてしまった。単三電池をまき散らしながら、電池ボックス崩壊。電源がなくなると、撮影したフィルムを抜き出すのでさえ困ってしまう。軟弱だ。FM2かFM3でも買ってしまおうかしら。どうせマニュアルでしか使っていないし、オートフォーカスも壊れている。同じことだ。

 仕方がないのでカメラ屋へ。さすがに電池ボックスの在庫はなかった。F90の拡張部品で、電池ボックスを下側に増設して、縦位置で撮影する場合のグリップとなるものが売っている。15000円くらい。3年あまりにわたる激しい使用で、三脚を取り付けるねじ穴の周辺が崩壊し始めているし、それを保護するつもりで買ってもいいかも知れないな、と思った。見た目がF4やF5みたいに渋くなるし。しかし、8万円ちょっと出せばFM3が買えてしまうのだ。

 困った顔をして立ちつくす店員の前で、カタログとにらめっこ。10分ぐらい悩んだ。電池ボックスだけでもたぶん2000円くらい取られる。この際、拡張してしまおうか…。いや、そろそろ限界が近いカメラにこれ以上お金を使うのも…。

 結局、3年間のメシの種として働いてくれた愛着にはかなわず、注文した。しかし、部品が届くのは週明け。心臓が止まったかのごとく、F90は、週明けまで沈黙することになる。手持ちのデジカメでごまかすしかない。

 カメラがない、となると、なぜか不安である。裸で歩いているみたいだ。

11月6日

 某巨大電話会社の関連会社から「突然で失礼」(引用)なメールがやってきた。バナー広告掲載の勧誘である。

 「とても優れたコンテンツをお持ちで、 今後さらに発展するページだと感じました」のだそうだ。作者の心をくすぐる、実にうまい勧誘の言葉である(笑)。たぶん、アクセスカウンターを解析して、ある一定の基準を満たしたものに手当たり次第にメールを出しているのだと思われる。NTTのISDNやテレホーダイ、光ファイバーのBフレッツなどがそのバナーを通じて契約されたら、最大5000円の報酬が出るんだそうな。5000円もらえるのはISDN64回線を引いた場合。いまどき、インターネットやりたさに回線を引くのに、ISDNを導入する人もいないだろうから、これは客寄せパンダ的な意味合いが強いのだろう。まあ、フレッツADSLで3000円だから、もし契約が取れれば、割りのいい広告だ。

 まあ、クラブのページに張っておいて、クラブ員が契約する場合に、そこから申し込んでクラブ運営費としてプールする、という使い方ならいいのかもしれない。読者にメリットがあるなら、張ってもいいのだが。

 しかし、某巨大電話会社の広告のしつこさにはいつも閉口する。マイラインの勧誘では月に2回ぐらいダイレクトメールがやってきた。あまりにもしつこすぎて、必要もないのに他社とマイライン契約をしちゃおうか、と考えるぐらい。膨大な回線をにぎっているのを利用して、ダイレクトメールを送るのはちとやりすぎな気がするのだけれど。昔は国営で公社だったのだから、通知が来たら契約しなければならない、と勘違いしているお年寄りもいるんじゃないか。

 圧倒的に強いところより、弱くてもがんばっているところを応援したくなる、判官贔屓な僕でした。

11月5日

松本も最低気温が0度台となってしまった。たまたま寒気が入り込んだだけでまだまだ暖かいと感じる日もあるだろうけれど、外で作業するにはつらい気温に間もなく突入しそう。

はかりを貸してもらった富山の車屋さん(いつもお世話になってます)で、余ったハイカムをもらってきた。このハイカム、出所が不明で、なかなか怪しくて素晴らしい品物であった。吸排気側とも、264度の作用角を持つ。リフト量は、車屋さん曰く「不明」ということだった。264度くらいのストリートカムに毛が生えたくらいのものだと、B6エンジンの場合、リフト量はだいたい8.7mm前後というものが多い。まあ、それくらいのリフト量だろうと思って今日、確かめてみたら、「264」という数字の横に、「9.0」と書いてあった。しかも、手書きで引っ掻いたような刻印なのが、怪しくて素敵。

何と、9mmのリフトなのであった。ノギスで測ったから間違いない。戸田レーシングでHLAを使うカムで264度の9.0mmがあるけれど、やはり8mm台のリフトが多い。戸田にはもう一つ、同じ作用角で8.5mmリフトのものもあるから、やはりリフトの違いで低速のトルクの出方が変わってくるのかも知れない。でも、せっかく棚ぼたで手に入ったカム。激しい方がうれしい。

さて、これを組んで、カムとバルブががっちんこしないかな。確かめなくては。9mmリフトであることの興奮から、今日は一気にコンロッド、ピストン回りを組んだ。

そろそろ、ヘッドを下ろすことも考え始めなければ。

11月4日

 昨日の雨で、北アルプスが雪化粧した。美ヶ原もうっすらと白くなっていたから、息抜きドライブコースもそろそろシーズンオフである。美鈴湖までのコースも、あと1カ月ちょっとぐらいで終わりか。ビーナスラインの早朝ドライブは、もうあきらめた方がよさそう。

 本格的な冬の到来の前に、アウトドアでちゃんちゃん焼きをやろうと、仲間で集まった。ちゃんちゃん焼き、とは、鮭の切り身にもやしやキャベツなどの野菜を載せ、味噌と砂糖などで作ったたれをかけて、アルミホイルでフタをして蒸し焼きにする料理である。

 松本市の薄川(すすきがわ)の橋の下に陣取り、炭火をおこす。2つ火をおこし、ちゃんちゃん焼きと鶏の丸焼きをする。真っ正面に白くなった乗鞍。背後には美ヶ原の台上を控え、なかなかの景色の中、ビールを片手に、うちわを扇いで火力を保つ。僕はちゃんちゃん焼き担当。野菜から出た水分と味噌が混ざって鉄板にたまり、ぐつぐつとうまそうな音を立てる。最初に溶かしたバターのにおいがたまらない。

 絶妙な味に仕上がったちゃんちゃん焼きと、鶏肉を食べ、全身を弛緩させて午後を過ごす。

 夜、テレビを見ながら、クランクシャフトのラッピング。ファンヒーターがある部屋でパーツクリーナを多用し冷や冷やである。勢いで、クランクをブロックに組み付けた。

 古いメタルより新しいメタルの方がオイルクリアランスが広いのだけれど…。

11月3日

お化けパワーのB6エンジンが載ったNA6CEを運転した。腰下オーバーホール前で200馬力近く絞り出した嘘八百エンジンである。

カムは288度。戸田レーシングのφ81mmピストン1722cc。圧縮比は13.1!ぐらい。ウエーバーαのインジェクションシステムで、4連スロットルを制御している。はっきり言って、乗りにくいんだろうな、と思った。乗りにくい、とは運転者にスキルを要求する、という意味である。乗り手を選ぶ、と言ってもいい。

50キロほど、併走して走ったが、音がものすごくいい。バイクの音みたい。まだ慣らし中なため、5000回転ぐらいしか回していなかったようだが、かなり気合を入れて走らないと、離されそうだった。ある一直線のトンネルでは、ぐぐっと離されてしまった。

乗ってもいい、とのことだったので、はやる気持ちを抑えつつ、運転席に座る。クラッチはメタルが入っているというが、レガシーに比べれば軽い。キーをひねると、簡単に始動。バラッバラッバララという大作用角特有のアイドリング音が素晴らしい。雨だったので、気を付けないといけないな、と思っていたので、クラッチをつないだときは拍子抜けした。難しいことは何もなかった。

まだ慣らし中のエンジン。6500回転まで回すことを許された。1速で軽くアクセルを踏んで6000回転近くまで回すが、山も谷もないトルク。それでは、と2速に入れ、少し踏み込んでみる。3000回転ぐらいから力強い加速。がーんと回って6000回転に近くなった途端、シートに体が押しつけられる。パワーバンドに乗りかけ、やばい加速をしそうになったのだが、残念ながら慣らし中。製作者は「もう高負荷をかけても大丈夫」とはいえ、人の車。やはり、遠慮する。

普通に6速(NBミッションを移植してある)に入れ、2000回転で走っていても、きわめて普通である。よく「低速がすかすかになる」と言われるけれど、さすが圧縮比が高いこともあって、乗りやすい。アクセルを踏み込めば、どの回転数だろうが、たくましく加速する。

作った本人は「フラットすぎて」気に入らないみたいだが、僕のようにあまり腕がないドライバーなら最高。高回転の凶暴なパンチを体験できなくて残念。

はかりを借りてピストンとコンロッドも削ったし、充実した一日でした。

11月2日

仕事場の人のレガシーを運転した。ツインターボで280馬力のやつ。

まず、クラッチが重い。さすが大パワーとそれなりの車重を受け止めているだけある。渋滞だと滅入りそうなくらい重い。踏み込んで、シフトレバーを1速へ。操作するだけで楽しくなってくるロードスターのシフトと比べるまでもない。おもむろに、アクセルを踏むと、極めて普通に走り出した。ハンドリングはニュートラル付近の反応はあまり良くないが、少し切るとスッと方向が変わる味付け。重い割りにはいい部類に入るのかも。

軽く踏みながら、6000回転ぐらいまで回すと、意外に静かだし、スムーズに回る。同じ4気筒でも直列よりボクサーの方が、フィールはいいかも。街中を普通に走ると、2000回転ちょっとぐらいのトルクが薄い気がする。3000まで回すと、1段目の加給が始まってぐっと加速し出す。もう少し、スムーズな方がいい気がするのだが。

許しを得て、急加速してみる。2速でアクセルを半分以上踏み込む。3000回転ぐらいでトルクがうわっと出て、4000回転をすぎて、トルクカーブは一度谷に落ち込む。再び5500回転近くから2発目のタービンが働き出し、凶暴な加速を始める。ピークは6000を越えたくらい。重いワゴンのボディーがべらぼーな加速をする。いわゆるどっかんターボだ。これはシャレになりません。

どうも2リットルで280馬力という数字にこだわりすぎた味付けな気がする。市販車のしかも、ワゴンにしてはピーキーすぎるのでは。はっきりいって普通の人は高速道路の加速でもない限り、6000回転オーバーまで回すことがないんだから、もう少し下の回転数からトルクを厚く持っていって、谷をなくしたフラットトルクの方がいい気がするのに。雨の日の発進なんて、ちょっと危なくないかしら。こう考える僕の方が間違っているのか。

もしかすると、そういうピーキーなエンジンを好む人向けの車なのかも知れない。乗りやすさなんてクソ喰らえ、男は凶暴ピークパワー! とメーカーが考えていたとしたら、スバルもすごいメーカーだ。そういう考えなら、激しく同意する。

難癖付けているようだけれど、いい車です。

11月1日

 クランクシャフトのリアオイルシールなど、足りない部品をマツダのディーラーに取りに行ったら、お姉さんに「スーツを買わない?」と聞かれた。一瞬、何のことか分からず、2、3回聞き返してしまった。どういうことだ。

 説明によると、毎年この時期にスーツを販売しているのだという。渡された封筒の中の説明書きには「新生長野マツダ1周年記念」と銘打っている。「特別価格でご提供」とも。紳士服メーカーがディーラーを会場に販売会を開くらしい。フロントのお兄さんは、接客担当のため販売ノルマが多く割り振られ、もし売れないと自分で買わないといけないらしい。このご時世、車を売っているだけではディーラーでは勤まらないのか。大変だ。

 友人の結婚式やジムニーの車検に加え、ロードスターの任意保険の請求が来ているので、今、究極にお金がない。値段を見ると、仕立てスーツが5万円ぐらい。これは、かなりの出費だ。

 けれども、用もないのにふらふらと出掛けていって、店長とマニアックな話に興じ、出されたコーヒーを、あ、いつもすいませんね、などと恐縮したふりをしながら、遠慮なくがぶ飲みしてしまい、挙げ句の果てにはここから1台も車を買ったことがなく、営業成績にはほとんど貢献していないのだから、このディーラーには迷惑をかけているのである。スーツ1着ぐらい買ってあげないと、申し訳ない。ちょうど、冬用のを1着欲しかったところだし。

 だから、前向きな返事をしたのでした。