月: 2001年7月

7月17日

 シリンダーヘッドを分解する必要に迫られてしまった。

 昨晩、油圧がおかしくなり出したので、出勤前、オイルレベルゲージを外してみると、何も付いていない! これはまずい、とエンジンを組むときに使ったトヨタ純正オイルを注ぎ込むと、半分、約2リットルぐらい入った。オイルが入ってなければ、そりゃあ、油圧だっておかしくなるに決まっている。

 と、のんきに書いているけれど、もう少しでエンジンが焼き付く寸前の、かなりやばい状況だったことになる。機械式の油圧計の表示がおかしくなり出してから、20キロぐらいで自宅に着いたのが不幸中の幸いか。タペット音だって出るに決まっている。HLAに十分に油圧がかかっていなかったんだから。

 どこから漏れているのか、見当も付かない。一度、他の人に乗ってもらったとき、豪快に白煙を出していたのを思い出した。そのときは、エンジン始動直後だったので、マフラーにたまった水分が吹き飛んだんだろう、と楽観視していたのだが、オイル下がりだったらしい。

 しかし、オイル交換してまだ1000キロちょっとしか走っていない。500km/Lが燃費だったら、ものすごいことだけれど、オイル消費だったらしゃれにならない。2サイクルエンジンじゃないんだから。

 マフラーに手を当ててみると、オイルの飛沫が付いた。排ガスはオイル臭くないので、排気側のバルブ回りがおかしいのだろうか。

 バルブシールもきちんと付けたし、どこから漏れているのか全然見当が付かない。排気ポートの肉盛りを削りすぎて、バルブにがたがでてきているのか。すると、バルブとバルブガイド交換となる。

 ヘッドを外すぐらいで簡単に直ればいいけれど、致命的な欠陥を抱えていたら、せっかくパワーの出るヘッドを作ったのに、もう一度最初から作ることになってしまう。

 素人作業だから、こんなものか。しばらくオイル足しながら走るべ。

7月16日

 実は今日も仕事が休みだったのだが、仕事場を見回すと激多忙。独り、のほほんと休みを享受したら、闇夜に襲撃されそうなぐらい殺気だった雰囲気なので、仕方なく「サービス出勤」。

 それでも、午後からは遊ぶのである。下品になったエンジン音を味わいに、午後2時半ごろ、開幌状態で出発。標高2000メートルの峠を越え、東信地域の丘陵地帯を抜ける、いつものコースをひた走る。薄曇りなのがちょうどいい。2日連続で焼いたら、皮膚ガンになっちまう。

 佐久市でふと思い立って、コスモス街道に進路を取る。峠の向こう側は、群馬県下仁田町。なぜか、スライドカムプーリーを手に入れた。一つ6000円。

 カム回りのトルク管理に甘さがあるのは、致命的にまずいことが判明。せっかく、トルクフルな「実用エンジン(涙)」になったのに、壊れちゃったら意味がない。スライドカムプーリーの組み込みとともに、もう一度組み直すことを決意する。今のところ、トルクの出方に不満はないので、しばらくノーマルカムで行くことになりそう。

 帰り道、不安な事態となった。ノーマルの油圧計は、5000回転あたりで、0kg/cm2を指すという致命的な故障があったのだが、大森の機械式油圧計の様子もおかしい。もしかすると、本当にエンジンの油圧が不安定になっているのかもしれない。これは、まずい。

 コンビニに寄り、エンジンを始動したら、「カシャカシャ」っとタペット音がした。こんなことは初めて。やはり、油圧に問題が出ている可能性がある。

 とりあえず、オイル交換。それでも油圧計の表示がおかしかったら、ノーマルの油圧計を正常なものに付け替える。それでも油圧が変だったら、もう専門家に見せるしかない。それまでに、エンジンブローするかも。

 「素人のエンジンチューンは2000キロで失敗に終わりました」ってなことになってりして(涙)。

7月15日

 伊那ツーリングに出掛ける。

 エンジンルームの輝きを増そうと、クスコのアルミインテークパイプを昨日付けた。細かいインプレッションは本編で。しかし、豪快な吸気音がものすごい。必要ないのにアクセルを踏んで「がぼぼぼおぉぉ」という下品な音を出して楽しみながら集合場所へ。

 仲間とともに走るのはやはりとっても楽しい。しかし、刺さるように照りつける日光が厳しい。夏場のオープンは、やせがまん。この車に乗るからには、涼しい顔して、何ごともないようにこなすのだ。

 しかし、ここ2、3日の蒸し暑さは信州とは思えない。外に出れば暑いのだけれど、蒸すことはあまりないのに。夏のさわやかさと引き替えに、冬の厳しい寒さに耐えているのに、これじゃあ、詐欺だ。

 車を運転しながら、スローシャッターで前を走る車を撮ってみた。ワインディングが多く、なかなか撮れない。数枚撮ったが、あまりうまくいかなかったみたい。

 楽しく会話しながらイタリアンな昼飯を喰らった後で、松本に戻る。なぜか、松本城に襲来した小泉総理を迎撃する。主催者によると10000人だが、6000人ぐらいだろう。それでも、大量の人が集まっていた。

 小泉総理の話すことは、いちいちもっともで、筋も通っている。ちょっと具体性に欠けるけれど、リーダーなんて、夢を語れればいいのだ。具体的なことは役人に任せれば、いい。

 しかし、集会に参加した多くの人(うち1000人は自民党の動員と思われる)は、小泉総理の言っていることがきちっと分かって、集まったんだろうか、と疑問に思う。都議選では黄色い声を上げたり、泣いちゃったり、気絶したりした人たちがいたんだとか。「おいおい、相手はビートルズじゃねえぞ」と思う。

 相手は政治家なんだから、言っていることに賛同して集まってほしい。人気があるから、時の人だから、だけで集まっただけ、という人が大部分な気がする。

 これで、投票日に同じノリで投票しちゃう人が多いんだろうな。これが有権者のレベル、とあきらめるしかない。民意は民意。

7月14日

 昨日の夜、安曇野の某所で田中康夫知事を見た。何度か見ているけれど、同じ話ばかりする。集会に集まってくる住民も見たことのある顔が多い。よく飽きないもんだ。僕は飽きました。

 安曇野某所で飲む。車で帰れないので宿泊。宿でもビールを1リットルちょっと飲んだ。

 松本へ戻ってなぜか、高校野球県大会の開会式を見た。丸刈りのすがすがしい表情の選手たちが、堂々と行進していくのを同じ高さから見ていたら、前日の夜更かしで濁った目つき、挙動不審な自分の場違いさがいやになって、思わず、わあ、と叫びながら走って逃げたくなった。

 神聖なるグラウンドに、輝く高校球児に幻惑しながら、のろのろと足を引きずりながら球場を後にした。

 異動する同期が松本に来たので、一緒に昼メシを喰らう。僕は朝メシは宿で3杯もおかわりしていたので、アイスココアのみ。

 あ、仕事してない。

7月13日

 壊れたCoolpix700の後継をあれこれ探してみた。

 いろいろ調べてみて気になったのはミノルタのDiMAGE 7(495万画素)とカシオのQV-4000(413万画素)の2機種。画素数は200万あれば、趣味でも仕事でもどちらでも使えるのであまり問題にはならない。かえって、CCDの大きさがあまり変わらないのに画素数だけ増やすことによる弊害の方が目立ってしまう。クオリティーが欲しければ、フィルムで撮影するし。

 いずれの機種も記録メディアはコンパクトフラッシュで、単三電池4本で駆動できる。最低限の要求は満たしている。

 DiMAGE 7は28〜200mmのレンズがステキ。ほぼ一眼レフのようなマニアックな設定が可能となっている。けれども、でかい。ごつごつしてガンダムプラモみたい。13万円は高すぎ。

 カシオQV-4000のレンズは34〜102mm相当。広角側がもう少し欲しいけれど、最低限は満たしているかな。値段は8万円ぐらいらしい。発売は8月。

 両カメラは、カメラメーカーと家電メーカーによる製品ということで特徴が分けられている。DiMAGE 7はカメラメーカーが「これでもか」と入魂して作ったマニアックな製品。QVは携帯性を重視した上、何も知らなくてもシャッターさえ押せばきれいな画像が得られる感じ。それでも、あれこれ設定をいじることができるようにはなっている。

 普段F90とともに持ち歩くことが多い。まさか一眼レフみたいな物体を2つ下げて歩くわけにもいかないし、値段も高いし、DiMAGE 7は却下かな。QV-4000は、マニュアルフォーカスとしたときに、焦点距離を表す数字もゲージも出ないらしいのが気になるが、普段は何も気にせずカメラ任せに撮ることの方が多いずぼらな人間ので、問題ないか。ピントや露出の狂った写真が多いこのサイトの写真を見ても分かる。

 今、QV-4000に触ることができたら、買っちゃうかも知れない。しかし、8月発売。8月以降はCoolpixの990が使えるようになるかもしれない雰囲気がそこはかとなく漂っている。

 結局990を使うことになるのかしら。

7月12日

 どろどろに汚れたエンジン加工部屋を少しでも整理しようとしたら、パーツクリーナーの空き缶があるわあるわ。500mlから840mlのサイズで、10本近くあった。空になりかけのものも3、4本転がっていた。穴を開けて中の残圧を抜くだけで大変そう。

 調子に乗って吹きまくっていたが、ものすごい量のクリーナーを、吸引していたことになる。だって、音が漏れないように部屋を閉め切って作業していたんだもん。

 脳みそ溶けてすかすかになっていたらどうしよ。

7月11日

 8月以降も松本で過ごすことが決まった。

 実はどこかへ引っ越す可能性が高かった。会社の上層部から来る紙切れ1枚で。松本に来たのが98年8月。だいたい3年が同じ仕事場にいられる周期となる。

 3年となるから、上の人間からどのように希望しているのか、聴取された。冬はちと寒いが夏もさわやか、家から5分で山道に突入、30分も走れば2000メートルの高原に到達するこの恵まれた地から、離れたいわけがない。異動はいい、とこたえてあったので、希望が聞き入れられたことになる。

 あと、1年ほどはこの地で暮らすことになる。いや、クビになったり、ロードスターで谷から落ちたりすれば分からないけれど。エンジン加工部屋がそのまま使えるから、腰下オーバーホールにもすぐ入ることができそう。

 出世街道からは転がり落ちたかも。

 望むところです。

7月10日

 分解は男のロマン。

 なぞと書いたら、分解する気満々になってしまった。近くにあった精密ドライバーで見えるねじを手当たり次第外す。外して外して外しまくる。こう書くと豪快に作業しているように思えるが、実際は長さ数ミリのねじを、なくさないように、ちまちま外しているのである。

 見えているねじと、電池のふたを外したら、外装がまっぷたつになって中身が見えた。どきどきする瞬間。カメラのフラッシュ部分の回路はかなりの高電圧がかかっているので、感電しないかしら、とわくわくしながら開けていく。

 中は配線やらケーブルやらでごちゃごちゃ。切らないように注意しながら、レンズ回りのねじを外す。レンズ部と一体化している子基盤のようなものを外したら、それがフィルムに当たるCCDだった。

 レンズを見てもCCDを見ても、変な汚れはない。一応、綿棒を使って表面をふいてみたのだが、電源を入れてみると、画面上のごみはそのまま。どうやら、どこかがデジタルな壊れ方をしているらしい。こうなると、素人の手には負えない。いや、プロだって、基盤交換となるんだろう。

 画像は修正すれば何とか使えるので、次期デジカメを手に入れるまで、がまんすることにして、組み立てる。

 ねじは余りませんでした。

7月9日

デジタルカメラが壊れた。

現在使っているのは、NikonのCoolpix700。メモ代わりの撮影に使おうと昨年の春に購入した。このページで使われている写真の多くが、このデジカメの画像。ピントが合わなかったり、ホワイトバランスがめちゃくちゃだったりする上、レンズにズーム機能がない。構図を決めるために、撮影者自ら右往左往しなくてはならない(動くのは前後方向だけれど)お茶目なカメラである。

いろいろ不満があるけれど、コンパクトさで気に入っている。仕事でもばんばん使っている。

最近、ある不具合が出た。撮影はできる。しかし、画像に致命的な欠陥が出るようになってしまったのだ。

 写すと地上から変なビームが発射されてしまう。じゃなくて、画面上の同じ位置に、変な線が写り込むようになってしまったのだ。こりゃ使えん。

 CCDに不具合が出たなら、横一文字にデーターの乱れが出たりするんだろうけれど、斜めにぼんやりとした紫色の線が写り込む。デジタルカメラのくせに、ずいぶんアナログな壊れ方をしたもんだ。飼い主に似たか。

 どうやら、レンズ回りに光学的な不具合が出たらしい。見た目ではまったく分からない。ばらしちゃおうかな。

 分解は男のロマン。

7月8日

 暑い。寝苦しくて、どうしても寝続けられなくなり、仕方なく起きたのが午後1時ぐらい。こんな時間までクーラーもなく寝ていられるということは、まだまだ真夏ではないんだろう。しばらく放心状態だったが、外はとっても良いお天気。やはり開幌状態のドライブに出掛けたくなった。

 出掛けたのが午後3時前。美ヶ原林道を通り、標高約1800メートルを経由して武石村に下りる。

 丸子町から北御牧村を通り、千曲ビューラインという、畑の中を走っているくせに、異常に整備されすぎた道を通る。トウモロコシ畑やら、千曲川、断崖絶壁の岩場などを見ながら、小諸市を走り、佐久市に至る。

 甲府の友達に電話したら、今日は暇、ということなので清里を通って、韮崎に出た。標高1300メートルほどの高原は、曇っていたこともあり、気温は20度。肌寒いくらいだ。ヒーターを入れる。

 韮崎にうまいラーメン屋がある、とのことなので、韮崎の近く、竜王町のバッティングセンターで待ち合わせた。バッティングセンターに着いたのが、午後6時半ごろ。しばらく、バットを振った。

 とんこつ味のうまいラーメンを喰らった後はビリヤード。11時すぎに切り上げて松本に向かう。中央道に乗れば1時間ほどだが、国道を通って帰った。

 トルクの増したエンジンは、きわめて楽ちんであることを、再び実感した。燃費はそれほど変わっていないみたい。効率は上がっているはずだが、アクセルの踏み過ぎか。