月: 2001年6月

6月20日

 今日は休み。エンジンを仕上げねばならない。が、やらなきゃならない仕事もあった。

 最近無理をしているので、8時に起床。配線やら配管やらをどんどんつないでいく。11時に仕事があったので、着替えてそちらへ。終わったらすぐにまた舞い戻り、作業を続行する。スーツ姿でハードに車をいじっている姿は異様で周辺住民は恐怖を感じたに違いない。

 昼過ぎ、どうやらやることがなくなった。まずは、クランク角センサーのコネクターを抜き、スターターを回す。プラグは付けていないので、シュココココココとものすごい勢いで回る。セルモーターが空回りしているのかと思った。しばらくすると、純正と後付の油圧計が同時に反応。2kg/cm2ぐらいまで、ちゃんと油圧がかかった。

 さて、興奮の始動である。はやる気持ちを抑えて、手をぷるぷるふるわせながらプラグを装着。深呼吸して、スターターを回す。

 ぎゅんぎゅんぎゅんぎゅん、と圧縮が上がったため苦しそうな音がする。

 ぎゅんぎゅんぎゅん…。始動しない。クランク角センサーのコネクターをつなぐのを忘れていた。

 気を取り直して再びセルを回す。ぎゅんぎゅん、ぶぶぶん。回転が上がらずエンスト。もう一度、ぎゅんと回したら、ぶうううんと始動した。思わず、ガッツポーズ。

 カカカカカカカカ、とHLAのタペット音がものすごい。そのうち、収まるだろうと思いながら、冷却水のエア抜きのためラジエーターを見ていると、エキマニあたりから煙が…。あわててエンジン停止。オイルのにおいでもないし、一瞬ガスケットが吹き抜けちゃったのかとも思ったが、漏れた冷却水がエキマニにかかって蒸発した煙だった。

 室内のヒーターに冷却水を導く管がとっても薄く、ホースを外すときにつぶしてしまっていた。管はなんとか形を整えて、ホースを付けるときに漏れ止めを施してやったのだが、やはり漏れた。もう一度、念入りに組む。再び仕事があったので、作業を中断して向かう。

 2時間弱で戻り、エンジンを始動。漏れた個所をじっと観察。どうやら、水漏れは止まったみたい。冷却水を何度か替えて、クーラントを入れ、エア抜きをして作業は終了。もう煙は上がらない。タペット音も収まった。完璧。

 そのまま試乗に出発。ぜんぜん問題ない。ヘッドを替える前と変わらず走る。拍子抜けするぐらい。パワーが上がったのかさえ、あまり感じない。1mm面研だけのチューニングじゃ、がらりとは変わらないのか。

 腰下のオーバーホールと違って、それぞれなじんだ部品を同じように組み立てただけだから、回しても問題はなかろうと判断。というか、我慢できずに、いつもの山道で高回転にチャレンジ。6000回転ぐらい回しても、まったく問題ない。物足りなかったので、えいと8000近くまで回しちゃった。車を止めてエンジンをチェックしたが、問題はなかった。

 全体にトルクが出ているけれど、期待したよりは変化が少なかった。ROMを書き換えて、点火時期や空燃比を調整すれば、また違うのかな。

6月19日

 昨日、零時頃まで飲んでいたのに、今日は午前5時に起床。急いで作業をしなければならないのだ。

 「ガレージ雅」というタイトルだけれど、ガレージなんて持っていない。砂利をまいただけの空き地に青空駐車。「ガレージが欲しいな」という願望を表したタイトルであって、住んでいる家以外、恵まれた環境にいるわけではない。

 だから、「梅雨の晴れ間」のうちにある程度作業を進めないと、阿鼻叫喚な状態となってしまう。ピストンがむき出しのまま雨が降ったら、いくらボンネットは閉まっているといっても、いかにもエンジンに悪そう。

 だから、晴天だった昨日、ヘッドを装着。カムシャフトがむき出しのまま一晩すごした。夜中はちょっと雨が降ったようだが、大したことはなかった。大雨が降る前にカムカバーを閉じておきたかった。

 で、連日の早起き。仕事前の数時間を作業に当てた。そのかいあって、今はいくら雨が降っても大丈夫なところまでたどり着いている。今、外は大雨洪水警報が出るほどの大雨。間に合って良かった。

 でも、体はぼろぼろです。

6月18日

 土曜日は足りないガスケットやらパーツクリーナやらをかき集めて一日すごし、マツダスピードスポーツファクトリーの店長と1時間ぐらい話して、ヘッド周りの構造についてレクチャーを受ける。

 夜、ルマンを見ながら、作業。いつの間にか、午前5時45分だった。明るくなったので、外で作業。愛するロードスターを不動車にしてしまった。フェンダーに少し傷が付き、ブルーな気分となる。昼頃、一休みしようと家に入ったら意識を失う。午後4時ごろ、再び作業開始。夜11時ぐらいに再び昏睡状態となるまで続いた。

 飯を食べるのを忘れていた。この日はアクエリアス2リットルで命をつないだ。

 朝、5時起床。仕事前にやっておきたいことをやる。何たって梅雨だ。ピストンむき出しのまま雨が降ったら最悪の事態となる。

 仕事をさぼって作文。体中が痛い。

6月16日

 ロードスターが車検から帰ってきた。フロントに1.8のブレーキが移植され、リアもオーバーホールで不安はなくなった。完璧な状態である。

 工賃を見ると、なぜか異様に安い。一番心配していたブレーキオーバーホール。オーバーホールキットは3590円で、ブレーキフルードが1リットル2400円、マツダスピードのブレーキパッドがフロントとリアで3万円となっている。これは固定された料金。しかし、オーバーホールには所要時間が1カ所1時間強、2カ所で2〜3時間かかると思われるので、1カ所1万円で2万円を予想していた。しかし、請求書では5200円。何と。ただみたいな値段でオーバーホールやってもらっちゃった。自分でやろうかなとも考えていたが、この値段ならやってもらった方がいい。

 キャリパーとローターの移植作業は8000円。なぜかこちらの方が高くなっている。プロポーショニングバルブの交換は2000円。これだったら、絶対自分でやらない方がいいぞ。自分の素人作業で整備したブレーキなんて、安心して踏めない。

 一つ一つの値段は安くても、一気に請求されるとびっくりする額となる。タイヤ交換やヘッドガスケットセットなども含め、26万円ちょっと払った。ブレーキの不安がなくなったり、タイヤが新しくなったりで、とっても満足なんだけれど、一方で車にこんなお金つぎ込んで良いのかいな、という思いもある。

 でも最近、そのちょっとした「後ろめたさ」が気持ちよかったりして。変態です。

 さあ、ルマン見ながらヘッド組み立てよ。

6月15日

朝、納税証明書を送ってもらった仕事場へ向かう。午前中に仕事場に行くなんてなかなかないことだ。速達でちゃんと届いていた。

封筒を開封すると、納税証明書とともに、和紙の便せんが出てきた。なにやら筆ペンで文字が書いてある。曰く、

飲んだら乗るな  

   乗るなら飲むな

部品ためるな   

 金貯めよ 

         じゃあねぇ〜

 だって。親の言葉です。なんという親だ。

6月14日

 昨日の夜、ロードスターの納税証明書がないことに気が付いた。現在は松本に住んでいるけれど、実家は愛知。ナンバーはまだ「尾張小牧」(格好悪い)で、自動車税の請求は実家に行く。お金を渡して払ってもらったのだけれど、証明書を取り寄せておくのを忘れた。今日の朝一番に速達で送るように親に頼む。

 工場には午前中連絡。車検ラインの予約がキャンセルとなった。迷惑をかけて本当に申し訳ない。あやまらないと。

 証明書を仕事場に送ってもらったので、受け取って明日の昼までに工場に届けないといけない。ちゃんと届くかな。

 車の書類関係は面倒なことが多い。しかし、それは車一台を保有することの社会的責任を意味するから、仕方ない。ちゃんとそろえておかなかった自分が悪い。

6月13日

 昨日の夜中、ごそごそとエンジン加工部屋を探し回って、1.8前ブレーキのローターとキャリパー、Pバルブをかき集める。さらに、シリンダブロックに突き刺さっている油圧センサーを外して、準備完了である。

 朝、仕事に出ているふりをして、9時にマツダのディーラーを襲撃。どんな作業をやってもらうか事細かに指示した。15日には終わるのではないかとのこと。結構早い。

 しかし、マツダスピードスポーツファクトリー松本の移転統合で、ディーラーがとんでもなく遠くなった。松本市の北部から渋滞する中心部を横切って、南部にあるディーラーに行かなくてはならない。今までより2倍は時間がかかる。不便。けれども、元店長がいるから、ここの店に任せるのである。

 車を工場に入れて、帰りはディーラーの人に自宅まで送っていってもらう。前の場所だったら、ちょっとした仕事だけれど、遠くなったため、それだけで1時間はかかる大仕事になってしまう。不便だ。

 長野のマツダディーラーは最近、統廃合が急ピッチで進められた。この店「長野マツダ松本村井店」は塩尻市にあったアンフィニと松本市北部にあったスポーツファクトリーの3店が合併した店だ。車で送ってもらった人はアンフィニの塩尻店の元店長。アンフィニ系と旧信濃マツダ系のディーラーの人間はやはり育ちが違うので、やりにくいことが多い、とのこと。

 塩尻の客は店が遠くなったので、多くが離れてしまったという。「営業マンの人のつながりだけでやっているようなものですよ」という。にもかかわらず、マツダは「1足す1は3だ」などと、数字を求めてくるらしい。「馬鹿なことを言っちゃいけない。1.5ぐらいにしかならないよ」と、元塩尻店長。話題はマツダが希望退職を募った話になり、「そんなことをしたら、自分に自信がある人はみんなやめてしまうに決まっている。何を考えているのかねえ」。

 希望者が殺到しすぎてあわてて締め切ったぐらいだから、よっぽど魅力がなくなっているのかな。ジムニーを運転しながら、ロードスターやRX7の行く末に考えが巡り、ため息が出た。

6月12日

 ロードスターを車検に出さなければならない。平成4年式を平成9年に買って2回目の車検。ついでにいろいろやってもらおう。

 まず企んでいるのが、ブレーキの完全1.8化。現在リアのみ1.8用のキャリパーとローターになっているのだが、フロントも移植してもらう。別にブレーキの効きに不満はないのだけれど、不良在庫のまま放置して腐らせてしまうのはもったいない。また、左後ろのキャリパーが固着しているので、リアのみオーバーホールしてもらう。ブレーキパッドや工賃で5万円オーバー決定(涙)。下手するとキャリパー交換。こちらはどうやら部品を分けてもらえそうなので、それほどの出費とはならない。これで、ブレーキの不安はしばらく解消する。もう11万5000キロだし、仕方のない出費か。

 純正の油圧計が壊れている。アイドリングだと1kg/cm2ぐらいを指している。走行中にへろへろっと0近くを指すこともある。大森の機械式が付いているので不具合はないのだが、いつも目に入っているものだけに、鬱陶しいので直したい。メーター側を交換したものの直らなかったので、センサーがいかれているものと思われる。部屋に転がっているブロックからセンサーを取り外して替えてもらおう。ついでに、大森の機械式油圧計もエンジン停止状態で0.2kg/cm2を指している。その分を差し引いて数字を読めば問題ないのだが、できれば直してもらいたい。

 「ピヨヨヨヨ」と鳴く虫がすんでいるクラッチは今回は涙を飲んで放置しよう。クラッチ板はまだ使えそうな感触。どこかのベアリングが鳴いているらしい。腰下を積み替えるときに、フライホイールとともに交換することにする。

 オルタネーターは次の車検までは大丈夫かな。「他には」といろいろ考えたが、タイヤも替えたことだし、直すところはないみたい。足回りはエンジンをやった後の課題として、今シーズンは見送ろう。

 思ったよりも手を入れなくても大丈夫そう。検査途中で深刻な故障が発見されない限りは。あ、排ガス検査に引っかかると困るので念のためROMはノーマルに戻しておこう。触媒は付いたままなので問題ないと思うけれど。

6月11日

 昨日は富山のジムカーナ大会を観戦。これが最高に楽しかった。「タイムをコンマ1秒でも削るぜ」というまじめな人ばかりではなくて、「滑らせてなんぼ」と最初から最後までぐるぐる回っている人もいる。それぞれがそれぞれの楽しみ方をしている楽しい大会だった。これまでドライブ中心であまり競技に目が向いていなかったけれど、開眼しました。機会があったら積極的にトライしよう。運転下手だけれど。

 このページを見てくれている人にも何人か会って、どうやら僕は「磨きマニア」で通っているらしいことが判明。別にマニアなつもりはなかったんだけれど。

 何か違うかな、と違和感を感じたけれど、すでにインマニがぴかぴかなことを思い出し、やはり端から見れば「磨きマニア」であるな、と苦笑した。富山インター近くの「カーマホームセンター」に寄って、磨き道具も買っちゃったし。今朝起きてまずしたことがヘッドカバー磨きだったし。堕ちていく…。

6月9日

 職場の人と晩飯を喰らい、ちょっとのつもりでバンドの生演奏があるショットバーに行ったら、しこたま飲んじゃった。朝、意識を回復すると仕事場のソファの上。まだ景色がぐるぐる回っていた。

 午前中はバルブのすりあわせ。午後、少し用事があったので外出。ナワテ通りという商店街でまつりが開かれていて、がまの油売りやバナナのたたき売りといった大道芸が繰り広げられていた。

 これから富山に向かう。またお酒を飲む予定。こんなただれた生活で良いのだろうか。昼は天気が良かったのに、今雷鳴がした。夕立か。せっかくオープンで気持ちよく走っていこうと思ったのに。