ツーリングで同じ趣味の人たちと一緒に走るのは、とても気持ちがよろしい。
僕の周りには同じ趣味の人がいない。ジムニーと2台持っていることがばれたりして、いつも肩身の狭い思いをしていると同時に、車のことを相談したり、「談義」したりする人がいないので、変なストレスがたまってしまう。
だって、女の子もいる酒席で、「悩みうち明けタイム」となったときに、
「僕のロードスター、高回転のパンチ力がもっと欲しいんだよね。カムを変えるほどの回転数まで使うわけじゃないし、いっそのこと、カムスプロケットのキー溝をちょっと削ってオーバーラップを…」
なんて語り出したら、次から声をかけてもらえなくなっちゃう。いくら、僕が高回転のパンチ力について純粋に真剣に悩んでいても、関係ないのである。やはり「車好き」は、「音楽好き」「映画好き」とは違って、社会的に認知されていない。いや、それどころか「反社会的」な見方さえされることがある。「音楽好き」「映画好き」はマニアックな話をすると周りから尊敬されることが多いから、うらやましい。
ところが、ツーリングに行って、初めて会った人に、
「僕、ヘッドを加工しているんだけれど、燃焼室の形状をどうするか悩んでるんだよね」
とうち明けたら、多くの場合、僕の勝ちである。いくら僕のロードスターが遅かろうが、運転が下手であろうが、「何となく」優位に立ってしまうのである。優位に立つとはいえ「どちらの方がより変態か」という尺度だからあまり自慢にならないんだけれど。所詮、自己満足の世界だから、お互いの自慢をし合って、お互いに「よくぞそこまで堕ちた」と讃え合えばいいのだ。
このページを作り始めてから、そういう知り合いができはじめたのでうれしい。どんどん仲間を増やさなきゃ。