2月6日

 ヘビーローテーションで宿直が回ってきて疲れ気味の後輩がいたので、夜は鍋をしようと提案。パンチのある鍋を、ということでキムチ鍋にした。

 元ラガーマンの元気の良い後輩は、キムチ鍋に一家言があるらしく、ごま油が必要だ、などとわめきだしたから一緒に買い物に行った。

 大量の肉類とアルコール類を買い込んでばきばきと切って、キムチ鍋スープに放り込んでできあがり。スープさえ買ってくれば簡単なもんだ。

 肉を入れようとしたら後輩、「キムチと一緒に炒めないんですか?」だと。じゃあ、頼むよと肉とキムチを渡したら、ごそごそとごま油を使って炒めていた。料理って手間をかければそれだけおいしく、気分も特別になるから、まあ、こんなこだわりも捨てたものではないだろう。

 で、アルコールを飲む前にデミオを自宅の駐車場に置いて戻ってきたら、鍋がほぼ出来上がっていた。が、なにやら様子がおかしい。スープが真っ赤っかになっている。「できました」と後輩。放たれるにおいから言っても、かなり危険な状態になっていることが推測できた。だって、赤くてさらに粘りけがあるんだもん。

 スーパーで韓国唐辛子の粉末をいつのまにやら買い物かごに忍ばせていて、それを2袋も入れたのだとか。味見をしろ、というので「それってフツーの人が食べられるの?」とおそるおそる聞くと「何言ってるんですか、そんなに辛くないですよ」。

 この後輩、「マイ一味」の唐辛子小瓶を持ち歩いていて、あらゆるおかずに振りかけているやつなので、「そんなに辛くない」はまったく信じられない。入れた途端にどかーんと辛さが口の中を駆けめぐって胃がびっくりするぐらいに違いない。それぐらいのビジュアルでとろとろと煮える赤い鍋。

 仕方がないので少し皿に取って、ちょうど良い具合に煮えた真っ赤な白菜を、断崖から飛び降りる決意で、ほおばる。唐辛子風味が口の中を駆けめぐり、やばいと思ったが、どかーんが来なかった。ぴりぴりとはするけれど、辛すぎて水を飲まねばならないということもない。というか、ほどよい刺激が絶妙ではっきり言ってうまい。

 キムチスープがうまかったこともあるが、かなりいける鍋だった。ごま風味のする豚肉もおいしい。モツやら牛すじやら鶏肉団子やらを、そして何よりも大量の白菜とネギをこれでもか、というぐらい食べる。ぴりぴりとした刺激を洗い流すビールがこれまた最高だった。

 最後は、今、ちまたでブレイク中のギョウザを鍋に投入。チルドだけどね。キムチ鍋にギョウザってけっこう合っておいしい。皮が溶けない程度で食べないと、ばらばらになって大変なことになるけれど。

 大量のビールに焼酎が加わり、だんだん、調子が上がってきた元ラガーマン。時計を見たら、午前2時前だったので、上機嫌でしゃべりまくっている後輩を放置して帰宅する。