1日経過してみて、動きづらいほど痛い部分はない。ただ、右のふくらはぎに500円玉大のあざができていた。両膝の車体側と当たる部分は色が変わるほどではないけれど、指で押すと痛む。やっぱりかなりの力がかかっているらしい。あちこちが痛む、というほどではないけれど、やはり一日中体はだるかった。
仕事場の上司に誘われて、金山の「飯場」という居酒屋に行った。昭和30年代を再現したというお店なのだが、あちこちの解体現場から持ってきたのであろうさまざまな古い材料を使って、確かに昔の家「風」の建物になっていた。古い引き戸の入り口やタイル張りの流し、壁には昔の女優のポスターやら昔の成人雑誌から切り抜いたようなヌード写真が張ってある。
案内された部屋は畳敷きで古い勉強机のようなものが置かれ、古びた本が並べられている。テーブルもいかにも30年代、という感じのデザイン。エアコンはたぶん最新型なのだが、たばこのやにで汚れたような感じだった。たぶん彩色したんだろう。窓の外には傘つきの裸電球がともって、股引のようなものが干してある。まあ、すべて作られたものだから、場所の醸し出す「味」から言えば、名古屋の円頓寺商店街の方が格上だ。
メニューなんかも「懐かしの」で統一。こちらも調子に乗って「ホッピー」を飲んだ。昔、東京を中心に、安居酒屋にあったノンアルコールビールで、焼酎を入れて飲むビールもどきである。
こんな具合に「ここまでやるか」というぐらい徹底していた。だが、感心を通り越し、「あざとさ」を感じてしまうのは僕だけではあるまい。居酒屋というよりは、テーマパークだ。何より、通おうとは思わない。物珍しさはあるが、いつも通りの安心感はない。「行きつけ」になれない時点で、居酒屋としては致命的かもしれない。