2月5日

 飲んだくれてしまったのが、いけなかった。

 諏訪の某氏と走りに行ったのが日曜日。夕方、別れて何となく仕事場に寄り、独り寂しく仕事をしていた職場の人を冷やかし、午後8時すぎまでうだうだと過ごしていたら、そりゃあ、飲みに行くに決まっている。

 いつものショットバーで軽く1杯。そのつもりが、ビールが1本、2本、3本。いつの間にか出されていたバーボンに、移行してしまったのは運命のいたずらだったのかも知れない。

 「飲み過ぎ」。マスターにボトルを取り上げられて気が付いてみると、午前2時ぐらいだったか。あまり覚えていない。途中、ストレートで飲んでいたバーボンに火を付けたら、熱でグラスが割れちゃった覚えがある。ようするに、ロクデナシな飲み方をしていたと思われる。

 じゃ、また、とショットバーの階段を下りていて気が付いた。マフラーを置いてきてしまった。藤壺技研の逸品を…、じゃなくて、首に巻く方である。これを忘れるなんて、ちょっと酔いすぎだぞ、と引き返し、マフラー忘れました、とマスターに断って手に取り、首に巻いた。

 その後、なぜか職場の人と鬼ごっこをしていた。追いかけてきたから、走って逃げた。職場の人曰く、「逃げたから追いかけた」。理由は飲み代の分担割合と行ったところか。覚えがない。とにかく、振り向いたら、必死で追いかけてくる姿が見えたから、こっちも必死で逃げた。酔漢2人が松本の駅前大通りを全速力で走っている姿は異様だったに違いない。

 翌朝、案の定、前日の服装のまま、コートを着たまま布団にいた。どうやって帰ってきたのかあまり記憶が定かじゃない。ふと気が付くと、首に巻いていたマフラーがない! タクシーに忘れたか? それとも、一度立ち寄った仕事場? 走っていたときに落ちたのか? 全然分からない。

 この2日間、走ったと思われる道(記憶がない)をたどったり、タクシー会社に電話をかけまくったり、交番に行ったり。さんざん手を尽くしたけれど、どこにもない。馬鹿なことをしていてなくしてしまったから、とっても落ち込んでいるのである。

 何の変哲もないマフラーだけれど、かけがえのない、大事な物なのでした。