2月4日

 知事選挙に行った。自転車でぴゅーっと投票所に行き、送られてきた券を提出して投票用紙をもらい、鉛筆でささっと候補名を書いて、半分に折って投票箱に入れる。ここまで、投票所に入ってから30秒以内。すばやく外に出ようと思ったら、「ありがとうございます」と立会人や市職員から声をかけられた。

 一瞬、何のことか分からなかった。投票をするのは有権者の権利の行使であって、だれのためにやることではない。強いて言えば、いまの政治状況についての考えの表明である。それなのに、なぜお礼を言われなければならないんだろう。選挙管理委員会としては、投票率を上げることが至上命題であるから、それにちょっとでも貢献したことに感謝されたんだろうか。「ご苦労様でした」と声をかけられたらこちらも「お疲れ様です」と声をかけられるのだけれど。

 で、その知事選、結果は現職の神田氏が当選した。正直言って、愛知県のようなちょっと都市化が進み、民主党が強い県で、さらに柳沢発言もあって投票率が50%を超えたのに、それでも現職が勝ったというのは正直、意外。この結果は、有権者の「いまの県政でよろしく」という強い意志が感じられる。

 名古屋駅周辺にニョキニョキと高層ビルが建つし、ニュースでは「元気愛知」ともてはやされるし、ほかの地域に住んでる人には感じられないかもしれないが、この地域って結構、明るい雰囲気なのだ。ちょっと、社会を見る目があれば、儲かっているのはトヨタ関連企業ぐらいで、それほど庶民に恩恵が行き渡っていないことはすぐ分かるのだけれど、テレビやラジオがじゃんじゃんと調子の良いことを言えば、「ほかの地域よりはましなのだ」と、そのつもりになってしまうのは仕方がない。

 結果はどうであれ、県民が選んだのだから、これから4年間は神田さんにがんばってもらうしかない。たとえ選挙で別の候補に投票したからって、よりよい県をつくるためなら協力を惜しんではいけないのだ。