2月28日

 ものすごいエンジンを作る方が最近発売されたビデオ「ハチロククラブ筑波N2決戦」を見て、プライベーターの作ったエンジンをほめていた。なかなか人のエンジンをほめるのを聞いたことがない方である。それは見なければなるまい、と、間髪入れず速攻でそのビデオを購入して、仕事後、深夜に家人の迷惑も考えずに見たのである。

 どういう内容かと言えば、全国のハチロク愛好家やショップがハチロクの頂点を目指すべく、筑波サーキットに集って車の出来や腕を競うのである。そして、決勝に勝ち進めば、あの土屋圭一がドライブするTRDワークスハチロクと同じ土俵の上で対決できるのだ。確か、前回の決戦については、富山の車屋さんの家で見た覚えがある。結果なんかはあまり覚えていないが、プライベーターの熱い走りを見て、血が騒いだ覚えがある。

 で、ビデオを見たわけだが、なんだか欲求不満が残ってしまった。予選2位に食らいついたプライベーターがどう考えても速いのだから、ビデオを編集する段階で、その人にスポットを当ててほしいのに、ショップの人たちばかり取り上げられて、その人のことがあまり出てこない。少しでも情報を得て、秘密を知りたいのに。

 一方TRDと言えば、1年半前に組んだエンジンのまま、足回りをちょこちょこっと変えたぐらいで出場しやがった。そしてエンジンブロー。集ったプライベーターやショップの夢をうち砕いたのである。こんなことでは、TRDは負けるのが怖いからエンジンをオーバーホールしなかった、と言われても仕方がない。

 そのプライベーターのエンジンの音だけ、レースエンジンの音であるという。僕にはほかのエンジンと音だけでは区別が付かない。やはり、本物を見分ける目は経験に裏打ちされるようである。