2月13日

 なかなか日記更新をしないのは、仕事が立て込んでいるから。仕事でも文章を書いているので、休息の時間にまたぱちぱち打つ気力がなかなかわかないの。

 12月の割れた右側の親知らず抜歯に続き、左側の親知らずも抜歯した。1月29日のことだ。

 僕の親知らずは、斜めに生えるタイプだったらしい。人によっては水平方向に生えるタイプもあるみたい。12月の割れた親知らずの抜歯では、割れたのがちょうど下側だったので、斜めに生えていても隣の歯が干渉することもなく、すんなり抜くことができた。ちなみに、抜歯はペンチみたいな器具でぎゅっと引っ張ってやるものだと思っていたのだが、歯と歯の間に器具を押し込んで脱臼させて取り除くみたい。引っ張るのではなくて押す感じ。

 で、左側の親知らずは虫歯にはなっていたのだけれども、まだ形がきちんとあるので、隣の歯に干渉してそのまま抜けない。ということで、歯を分割することに。丸のこみたいな形の道具ではなくて、ポート研磨に使う超硬バーの、超細い版みないなダイヤモンドバーでカットするのだ。

 歯医者が気を利かせて、麻酔前に笑気ガスを吸わせてくれた。甘いにおいのするガスで、シューっと吸っているうちに、だんだんと酔っぱらったみたいになってくる。酔っぱらうと、気が大きくなって細かいことが気にならなく、陽気になると思うのだけれども、まったく同じ感じ。ガスを吸い続けて、なんとなくくらくらするって感じになってくると、何となく陽気で可笑しくなってくる。これから始まる悲劇的な場面を前に、ふふふ、とにやけているのはだいぶ不思議な光景ではある。「はい、効きましたね」と歯医者さんが、すかさずぶすっと麻酔を注射する。痛くないわけじゃないけれども、あまり気にならない、みたいな。ガスが止まるとあっという間にさめるのも新鮮。

 右側みたいにすんなりと抜いてくれるものと期待していたのだが、どうも様子が違う。2分割にして取り除いて終了、ではなく、分割してまた分割してさらに分割、みたいな感じ。どうも、歯根が3つ又になっていて、クレーンゲームのクレーンのようにぎゅっと握った感じになっていたので、苦労したみたい。まな板の上のコイ状態のまま、脳みそに近い場所で、がんがんと切削する振動が伝わるので、けっこう怖い。麻酔の時間を除いて30分ぐらいかかって取り除かれた歯は、ばらばらになっていた。

 それでも、普通の歯科なら歯茎を切開して取り除くと思うのだが、頭が少しだけ出ていたぐらいの歯を、カットするだけで取っちゃったのだから、手品みたいだった。かなり腕が良い歯医者で幸運だった。

 で、右側と同じように今回もそれほど後を引くこともないのかな、と楽観的に考えていたのだが、ちょっと違った。土曜日に抜いて、日曜日の休みを1日置いて、月曜日から仕事、と思っていたのだが、抜いた場所が腫れて熱っぽくて風邪を引いたときみたいに体調が悪い感じでなかなか仕事に集中できない。火曜日も、力が入らない感じ。水曜、木曜は痛みで仕事に集中できない感じ。金曜日も痛みが気になる、みたいな感じ。どうも、親知らずが押していた隣の歯も、圧力から解放されてかなり自由を謳歌していたみたいで、歯の根っこの部分がけっこう痛んだ。早めにロキソニンを飲んでしのぐ。

 おまけに困ったのが、口が開かないのだ。人差し指の先しか入らないぐらい口が開かないから、ご飯がいつものように食べられない。朝ご飯なんて、いつもはご飯におかずを載せてかき込む感じなのだが、口が開かないから少しずつしか食べられない。少量を素早く運ぶピッチ走法みたいな食べ方でしのぐしかなかった。食べた後は、傷口をぐりぐり動かした形になるので、抜いたところが腫れて痛くなって憂鬱になる感じ。

 1週間たった土曜日も痛みはあったのだけれども、だいぶ楽になった。そして、半月以上たった今は口は指2本分開くようになったけれども、まだ完調じゃない感じ。でもだいぶ、日常生活に戻った感じ。

 だいぶ、口内環境改善は進んでいるのだが、まだ道半ばで治療が一段落するまでにはまだまだ時間がかかりそうなのだ。