2月10日

 お昼ご飯をごちそうしてくれる、というのでしっぽ振ってある方と会いに行った。

 ほかの人もお呼ばれされていて、僕を除くと、平均年齢は70を越えていた。おじいさま方たちと食べるお昼ご飯も、たまには良いものだ。現役ばりばり社長の人もいて、いかにでっち奉公から立身出世したか、波瀾万丈の物語を聞かせてくれた。20半ばでお店を持ち、僕と同じ年齢のころ、さまざまな人脈が連鎖して生きてきて、勝負に出たらしい。僕ももうちょっと勝負に出るべきかな、などと考えてしまった。

 年取ったおじいちゃんたちなのだが、風格というか、人物から感じる威圧感というものを備えた人ばかりだった。高度成長の時代の日本を担った人たちだ。共通しているのは、戦争を体験して「今あることが不思議だ」と思っている人ばかりだということだ。「死んでいたかもしれないから、いま自分は生かされている。もらった人生だから、人の役に立ちたい」。本当にそう思っている。

 目の前の損得とか、日常の喜怒哀楽から一歩離れた視点を持って生きている人たちは、やっぱりひと味違う。