金魚決戦第2ラウンド。多くの人は昼の走行会が勝負だと思うかもしれないが、近くのペンションで繰り広げられた壮絶なバトルは中部ロードスター界の中で長く語り継がれて行くに違いない。
コテージ借り切っての宴会。主役は宴会から参加したRジャンキーの鬼軍曹とRCファクトリーSTAGEのT氏、おりぼーさん。Rジャンキーの角さんも絡む。
鬼軍曹、決戦の賞品のオイルを各方面から集めてくれたり、宴会用に鍋を作ってくれたりと恐ろしく面倒見が良い。ただ、恐ろしく体育会系。エンジンオイルも水平対向用だったり0W-20だったりと、微妙なチョイス。
恐ろしく体育会系微妙な
コテージ入り口のテーブルに陣取って(ストーブが近くにあって暖かかったからだ)「みんなそろったら乾杯ね」という場の空気も読まずにすっかりお客様気分でぷしゅっと勝手に淡麗を開けて飲みはじめた富山勢とT氏。まったりしているところに、鬼軍曹が食器やら野菜やらを持ち込んでテーブル横のキッチンで鍋を作り始めた。みんなのために用意してきてくれたんだ〜、良い人だなと思うのもつかの間、
(ストーブが近くにあって暖かかったからだ)
ちゃけぞえっ! おまえ、なぁ〜に座ってんだ、てめえはお客さんか!!(゚Д゚)(刻んで鍋に放り込むぞ)
ちゃけぞえっ! おまえ、なぁ〜に座ってんだ、てめえはお客さんか!!(゚Д゚)(刻んで鍋に放り込むぞ)(刻んで鍋に放り込むぞ)
とメンチ切りながら、お客さんに交じって缶チューハイ片手に談笑していたRジャンキーの若手特攻隊長をしかりとばす鬼軍曹。もうすでにただことじゃすまない夜であることを覚悟する。
晩ご飯をペンションで済ませて、再び同じテーブルに戻る鬼軍曹と富山勢。飲み直そうとベランダで冷やしてあったビールをテーブルに運ぶとき、がんっ、と1つが床に落っこちた。ありゃりゃ、そんなビール、開けたら大惨事じゃないですか。
がんっ
満面の笑みの鬼軍曹。そのビールをT氏が戻ってくるであろう席に置く。それを知らずにご機嫌で戻ってくるT氏。机の上のビールを早く開けないかな〜とみんなが微妙な笑顔で見守っていたのだが、なかなか開けない。しばらくハイテンションでしゃべっりまくって「ビールは?」と聞くT氏。目の前にあるのはアサヒの本生ドラフトだから発砲酒。T氏はキリン一番搾りを所望している感じだったのだが、周りのみんなは「目の前にあるじゃないですか〜」と、なおも微妙な笑顔でT氏に本生ドラフトを勧める。
ビールは?
T氏も空気を察した感じであったのだが、気を取り直して本生ドラフトをぷしゅっと。が、ぐずぐずぐずっと泡がちょっとだけ出て不発に終わった。時間がたって収まっちゃったみたい。思わず「収まったんだ」とつぶやいたら、横にいた鬼軍曹から強烈な殺気とメンチが送られてきた。
ひとまず、その場は収まってロードスターの話題なんかそっちのけで馬鹿話が進行する。何かが仕組まれていたさっきの気配を覚えていたT氏、「オレ、KYだからさぁ。漢字、読めない」と訳の分からないことを叫びながらトイレに立った。廊下に消えたと思ったら「何もしないでね」と念を押しに戻るT氏。これは「何かしてね」ということだろう。
オレ、KYだからさぁ。漢字、読めない
机にあった2本の本生ドラフトを強烈にシェイクする鬼軍曹と宝石氏(富山勢)。T氏の席にはぱんぱんに内圧が上がった本生ドラフト2本と、普通の淡麗1本が並んだ。
(富山勢)富山勢
戻ってきて3本をのぞき込んだT氏、「これはねーな」と淡麗をわきによける。おお、素晴らしい勘じゃないですか。もう、周りの人間は笑いをこらえるのに必死。隣の席からは逃亡。そんなばればれな状況の中、本生ドラフト2本を前にして、どっちかな〜という感じで見比べるT氏。どっちもぱんぱんであるとは思っていなかったらしい。
これはねーな
しかし、1本を手に取ってもやっぱり開けない。満面の笑みなのだが、プルトップは動かさない。そのうち、ビールに耳を当てて「音が聞こえる」と真顔で語るT氏。
音が聞こえる
「何の音?」と周りがきょとんとする。「ほらあ」と内圧が上がった本生ドラフトを鬼軍曹の耳元に持って行くT氏。「本当?」てな感じで素直に鬼軍曹が耳を近づけた瞬間、
「ばじゅーっっっ」
ばじゅーっっっ
と圧が解き放たれた。耳どころか顔に飛沫がかかって転がり回る鬼軍曹。「血が流れる」と周りはどん引き。阿鼻叫喚とはこのことだ。
血が流れる
「目に入った。滅茶苦茶痛い」ともだえる鬼軍曹。辺りは爆笑しながらも、次に起こる惨劇に備えて身構えているというなんだか良く分からない空気に包まれる。
「目に入った。滅茶苦茶痛い」ともだえる鬼軍曹
そこからはビールのかけ合い。勝者なきビールかけ。何も知らない人たちを連れてきて、ビールを小刻みに振りまくりながら「妖精の声が聞こえる」だとか「エンジンが9300回転でブローして飛び出す音が聞こえる」だとか言って耳元に。角さんたちが犠牲者となる。
妖精の声が聞こえるエンジンが9300回転でブローして飛び出す音が聞こえる
周りはジェントルに車談義を繰り広げている人たちばかりなのだが、完全に机の周りだけ浮いた感じになって、だれも近寄ってこない。腹筋どころか、ほっぺの筋肉も痛い。
なんだか、兄弟みたいな掛け合いのT氏と鬼軍曹。鬼軍曹がコーラを飲んでいるのを見たT氏、良い感じに酔っぱらって壊れているものだから「おまえ、コーラ一気のみしてげっぷしないで九九を言えるか!」というのを間違えて、
「コーラ一気のみしてげっぷしないで四捨五入!」
コーラ一気のみしてげっぷしないで四捨五入!
と叫ぶ。ごめん、Tさん、四捨五入はどうやっても言えないわ。げっぷは我慢できてもそれは無理だわ、と爆笑の渦が巻き起こったのだが、そこで突然、話題を振られたおりぼー氏曰く、
「俺は5を捨てる」だと。
俺は5を捨てる
ええ〜、普通5は繰り上げるだろ、小学生でもちゃんと捨てるのは4までだろう、と爆笑どころか、おりぼー氏の男気を褒め称える声がわき起こる。そうか、オリーブボールでは3.5時間の作業をしてもらっても3時間分の請求になるんだ。それどころか5万円以下なら無料なのかなどなど、周りにいたみんなが次の作業はオリーブボールに持ち込もうと誓ったのであった。
もうね、文章に書いていると訳の分からない酔っぱらいの掛け合いだけれど、その場にいたら本当におかしいの。1年分ぐらい笑った。
走行会から飲み会までこんなに楽しい時間ってなかなかない。また、みんなが集まる機会があるのかどうかも分からないけれど、こんなご縁をつくっていただいた主催者とRジャンキーな方々に感謝します。
第2ラウンドの一こま