12月9日

 風邪を引いているのに怒鳴ったのがいけないのか、それとも、酒を飲んで夜遅くまで遊んでいたのがいけないのか、とにかく、朝起きたら喉がメルトダウン状態。まともな声が出ない。

 こんな日に限って、電話番のような仕事なのだから困ったものである。仕方がないから、親父が病院でもらってきたトローチをポケットに詰め込んで、大量に投与してやった。喉が粉っぽくなった。

 なんだか、ダンディーな声色になったのだけれど、電話の相手からしてみたら聞きにくいったらありゃしない。迷惑を掛けたかもしれないけれど、風邪だから、許せ、というしかない。

 それにしても、今シーズン、馬鹿は風邪をひかないはずなのに、こんなに引いてしまうのは隣に座っている人のせいに決まっているのである。ヘビースモーキングな人なのである。これだけじゃ言い足りない、ヘビーヘビースモーキンな人なので、僕は一日中彼の副流煙を吸い続けている。僕は生まれてこの方1本も吸ったことはないのだけれど、たぶん彼のおかげでピンク色の美しい肺が、タールで薄汚れてしまったことは間違いない。

 仕事場で座っていると、夕方辺りになると意識が遠のくのだ。息苦しくて。これも社会でもっとも遅れた意識のままの職場が悪い。一番最後にようやく後追いで改革する、化石のような仕事場なのだ。