夜、仕事場で座っていて、生ぬるい殺気を後ろから感じて、はっと振り向くと、後輩が立っていた。
「行きませんか」と一言。飲みへの誘いである。
とにかく飲むのが好きな2年目の後輩。元ラガーマンなので、とにかく良く飲む。何となくこちらも同じペースで飲むから、食事が終わるころには相当酔っぱらっている。で、後輩から出てくる言葉が「次、行きましょう」。
「もう無理」と正直思うのだが、いつもなんとなく付き合ってしまう。で、気がついたら桜木町の怪しげな店で寝ていたことも。
と、一緒に飲みに行くとだいたい失敗しているので、まず「今日はどうしよう…」と言葉を濁したり、目線をそらして無視してみたりするようになった。後輩も先輩を立てて「じゃあ、今日は帰りますか」といったん話が終わる。が、あきらめが悪い後輩は、帰るまで隙あらば生ぬるい殺気を投げかけ続けてくるので、かなり手強い。強い意思で望まないと負けてしまう。いや、けっこう負けている。
冷え込んだ上に雨だったので、意を決して断る。それに、昨日トマトソースを作ったから食べなきゃならないのだ。
昨日と同じトマトパスタを作るのでは飽きてしまうから、野菜をぶち込んだスープを作ってみることに。ブロッコリーとか丸ごとぶち込んだら、大量のスープが完成。うまかったが一人では食べきれない。
ということで、3日連続、トマト風味の食事が続くのであった。