12月4日

 ぱちん、が嫌いなのである。

 この季節特有の静電気。昔は気にしていなかったのだが、いつからか、この衝撃が嫌いになった。それほど痛いわけではないのだが、気になりだしたら、いやらしい電気的な衝撃におびえるようになってしまった。

 一度、嫌になり出すと、とことん嫌になるもので、松本に来たぐらいから、外を移動するときは車のキーを手に持つことが多くなった。

 車を降りるときの静電気が一番強い。雨の日以外はほぼ、100発100中でドアを持つときに衝撃が手を走る。そこで、エンジンを切って抜いたキーをそのまま手に持ち、キーでドアを固定する車体側の金具を、かちん、とたたいてやると放電する。強烈なときは、かなり大きな静電気が飛ぶ。夜だときれい。ロードスターの皮シートに座っているときは、ほとんど発生しないから、ジムニーのシートは静電気が発生しやすいのかも知れない。

 最近は、嫌さ加減が最大になり、車を降りた直後はキーを持ったまま歩き、仕事場やコンビニ入り口のドアの取っ手に、かちん、と触れてから手で握るようになってしまった。ここまで来ると、病的ないやがり方かも知れぬ。

 ある日、お店のレジで店員からおつりをもらったとき、ぱちん、と衝撃が走って「ハッ」と顔を見合わせたら、きれいなおねいさんだった。残念ながら、電撃的な恋に落ちることはなかったのだが、ちょっと得した気分。

 気分的な問題だね。