12月31日

 一年の終わりの日に、原因不明のエンジンストールを直そうと、Freedomをいじっていた。

 しばらく前に、全壊全開追い越し中に崩壊してポートに吸い込み、大変なことになったエアクリーナー。ファンネルソックス、と言って、4連スロットルの吸い口に一つずつかぶせるスポンジである。接着剤で形にしてあるので、何度も熱が加わって劣化して、ふたに当たる部分が外れてすぽん、と吸い込んじゃったのである。エンジンブローしたと思ったのだが、幸い、ポートに吸い込まれたスポンジを取り出したら元に戻った。

全壊

 エアクリーナーが崩壊したのが8月だから、5カ月間、ファンネルむき出しで走っていた。シリンダー内と大気がダイレクトに結ばれている状態は、とってもレーシーで音も良く、なんとなく速い気がするのだが、所詮、街乗りしかしない車である。いつまでもむき出しはエンジンに悪いので、マルハモータースに注文する。

 せっかくオーダーを入れるのだから、ファンネルソックスだけじゃ、もったいない。排気ガスが強烈に臭いのは、オーバーラップのせいだけじゃないだろう、と思い、ついでにスポーツ触媒もオーダー。なんと、ちょうどセール期間中だったので、ブレーキパッドも注文。さらに、次のブッシュ交換に備えて、トーコンキャンセルブッシュも頼む。

 結局、なにが主役だか分からない注文をして、どっさりと届いた部品の中から、触媒とファンネルソックスを取り付けた。新品のメタル触媒はすばらしい効果を発揮し、エンジンを始動すると普通の車みたいに水蒸気がばしゅばしゅと吹き出される。吹き出される排気ガスの圧力も増した。

 4連スロットルにハイカムの車なのだから、すごいマフラーを付けているに違いない、と思われるかもしれないが、なんとNA6CEのノーマルマフラーなのである。エンジンを組んだ当初はRSファクトリーSTAGEの2寸管だったのだが、ノーマルエンジンだとジェントルなこのマフラーも、僕のエンジンとのマッチングでは、相当な音量だったから、しばらく前にノーマルに戻した。せっかくのチューニングエンジンも、使い古した触媒とノーマルマフラーで性能にふたをしていた感じだったのである。

 においはやっぱり臭いが、前ほどじゃない。かなり満足度が高い。

 ファンネルソックスを取り付ける前に、4連スロットルにスロットルの口径を絞るカラーを取り付けた。どうも、AE101のスロットルは口径がでかすぎる気が常々していたから。以前も取り付けていたのだが、スロットルの壁面に段差ができるのがいやで外していた。

以前も取り付けていた

 それでも、低回転でアクセルを踏み込んだときのトルクの抜け方がいやだったので、ついでで取り付ける。やはり段差が気になったので、電気ドリルに刃物と砥石で角をとってみた。スロットルにはめてみると、それだけでファンネルっぽい。

 吸気ポートからの吹き返しでスロットルは真っ黒に汚れているので、キャブクリーナーで洗浄する。ファンネルソックスを取り付けて完成。

 スポーツ触媒の効果は絶大で、全体的にトルクの厚みがました。7000回転以上はノーマルマフラーなのでいまいちだが、普段使う回転域ではすばらしいトルクが出ている。やはり、純正触媒がふたをしていたのは間違いない。

 カラーが効いたのか、3000回転付近のトルクも増し、かなり乗りやすい車になった。低回転で踏み込んだときのネガティブ面もかなり薄れた。

 で、ながながと前振りを書いたが、一連の作業後、なぜかアイドリングでだんだんと空燃比が薄くなっていき、エンジンストールしてしまう。アイドリング以外では絶好調な回り方をしているのに。

 で、原因をあれこれ調べてみる。最初、ファンネルをはずしたときに、スロットル回りの配管でも外れたのかな、と思ったが、きちんとしている。おかしい。次に、Freedomのリセット。副作用で、この半年分のセットデータが消えてしまうという被害を出してしまったのに、直らない。なぜだ。

 アイドリング時におかしくなるのだから、アイドル回りのセッティングデータがおかしいに違いないといろいろ調べてみるが、おかしなところはない。

 ISCVかしら、と思い、ISCVをハンマーでたたいてみた。直らない。ベースカウントを手動で変えてみると、ちゃんとアイドリング回転数が変化する。いちおう、ちゃんと動いてみるみたい。

 もう、お手上げ、と思ったのだが、ふと、アイドル回転数が高いときには問題ないことに気がつく。ためしに、ISCVのフィードバックを切ってから、手動で数字を変えてみる。すると、カウント値が60以上だと調子よくアイドリングするのに、カウント値が60以下になると、空燃比がどんどん薄くなってストールすることがわかった。

 原因がよくわからないが、キャブクリーナーで清掃してスロットル周りについたカーボンがなくなり、その分、隙間から空気が入るようになるので、フィードバック制御されているISCVは閉じる。たぶん70〜80ぐらいだったカウント値が30〜40ぐらいになってしまった。これまではカウント値が下がることもなく、問題が出なかったのに、キャブクリーナーで洗浄したために顕在化したトラブル。

 とにかく60以上であればOKなので、回転数のフィードバックを切って手動で60以上の値を入力する。とりあえず、不具合は出なくなったが、アイドリングが1200回転。まあ、良いか。

 大晦日にこんな作業。そして、今は独りで年越し。なんだ、この状況は。