どうも、「ガラスの喉」らしく、毎年、喉に違和感を感じて「まずいな」と思うと翌日には腫れて発熱してしまう。うがいをこまめにすれば予防できるんだろうけれど、毎年、一度は喉から来る風邪でしばらくぐったりする羽目に。「あなた喉弱いねー」と、かかりつけの医者がカルテを一読して声を上げた。
決してノロウイルスではない。
ノロウイルスが猛威を振るっている。聞き慣れないウイルスで「過去最高の流行」というニュースを聞くと「また新しい感染症が増えたのか」とでも思ってしまうが、そうじゃない。昔から「胃腸かぜ」「感染性胃腸炎」「食中毒」などと呼ばれていた病気の原因が特定できるようになっただけの話である。
ノロウイルスと統一して呼ばれるようになったのも、ここ3、4年の話で、その前は電子顕微鏡で見たそのまんまの「小型球形ウイルス(SRSV)」などと呼ばれていた。ヒトの腸管でのみ増殖するという律儀な性質を持つので、ほかの食中毒のように原因となるウイルスを増殖させて診断することができない。だから、研究が遅れていたという。最近は、簡単な検査キットができたので、ノロウイルスが原因と特定ができるようになった。
インフルエンザと同じで、ひどい症状がでるものの、死に至ることはまれで亡くなるとしても高齢者が主。ウイルスにとっても、宿主が死んじゃったら自分の死を意味するので、そこまでは攻撃しないのだ。タミフルという特効薬があるインフルエンザとは違い、治療法が確立していない。
ヒトの腸管でしか増殖できないなら、排泄されてしまったら終わりな気がするが、下水から河川に流れて海に到達し、二枚貝に取り込まれて再びヒトに取り込まれるというサイクル。が、今年の流行は牡蠣が原因ではなく、ヒトからヒトへの伝染が主らしい。
だが、流行のあおりを受けて牡蠣の価格が暴落してしまい、生産者が困っているらしい。せっかくの冬の味覚なのだから、安いときに存分楽しんでしまえ、と思うのは僕だけだろうか。「やはり心配でおいしく味わえない」というなら、85℃以上1分以上の加熱で感染性を失うということなので、生食は避けて牡蠣フライや鍋なんかで楽しむのが良い。生食は1つ2つでおなかいっぱい。わしわしと大量に食べるなら、フライや鍋だ。