起きたら正午前。このまま2日間、まったくなにもせずに過ごしてしまうのもよいかもしれないな、と、ふと思ったのだが、どうも僕にはそれを許してくれない、悪い虫がすんでいるらしい。悪い虫がうずいたのである。走りたい。
さっと朝昼兼用のカレーライスを喰らい、スタッドレスタイヤを15インチのネオバに付け替える。電動インパクトレンチを駆使すれば、15分で交換終了だ。起きてから40分ほどでタイヤ交換までして出かけたのだから、その慌てぶりが分かると思う。
ヘルメットを積んで出発する。東名阪をひた走り、亀山で降りる。たどり着いた先はここだ! ぶっ飛ばしていけば、1時間ちょっとでたどり着くことが判明した。
コース上では、ドリフターズがタイヤのスキール音を響かせて、躍り回っていた。多くの車はパワースライドでぐちゃぐちゃやっているだけであった。中には、スピードが乗ったまま恐ろしい勢いでコーナーに突っ込んでいく車もあったけれど。公認でドリフトができるサーキットはそれはそれで楽しいが、その後に走るものとしては冷や冷やするだけである。コース脇を耕して、土をまき散らしてくれるから。
3時から走れるかを聞いたら、まだ余裕があるとのこと。5000円と計測器代1000円を払って、エントリーする。同じ時間枠でエントリーしていたのは、同じロードスターにFD、S2000と、スターレットターボ、パルサーターボであった。
初めてであるので、コースの説明と旗の説明を受けて、いよいよ緊張のコースインである。やっぱり、初めて走るコースは緊張する。
コースはこんな感じ。100mと書いてあるところがピットである。線が引いてある場所がタイムを計測する場所。コースインするのは、この線の少し先になる。
タイヤを温めるため、最初はゆっくりと走る。コースの下見をする。120mと書いてあるところがホームストレートに当たるのか。ぐるりと外周を回って、150mと書いてあるバックストレート?に入り、内側のセクションに入る。15Rが二つ書いてあるところはかなり狭い道。
とりあえず10Rというところを立ち上がると、計測ラインをまたぐので、1速にたたき込んで思いっきり加速する。
短い100mストレートを加速し、2速に入れるとすぐに10Rのヘアピンである。そういえば、ブレーキパッドをプロジェクトμのHCに変えてから1発めのフルブレーキであった。気が付いたのは、簡単にロックしてしまったから。「ギョキョ」とタイヤがなるも、コントロールがしやすいので、難なくロックを解除が可能。制動力の立ち上がり方がこれまでのパッドから比べると抜群に良い。さらに、踏み込んだ後のコントロールの幅もある。なんだか新鮮な感じのするパッドである。高くなければ文句がないのだが。
ヘアピンを抜けて、見た目ではかなり長く見える120mのストレートを加速しようとアクセルを踏み込み、あることに気が付く。かなりの上り勾配が付いているのである。これは非力なロードスターにとってはつらい。30Rはゆるやかなので、加速態勢を維持できる。2速が吹けきるかどうかのところで、ブレーキング。その後の2つの20Rは1つの高速コーナーのようなものである。アクセルコントロールで車を曲げていくのが楽しいコーナー。広いから、多少リアが流れても怖くない。一番気に入った。
高速コーナーのスピードの乗り方で、その後の200mストレートのスピードの乗り方が変わってくる。シフトアップポイントが明らかに違ってくるから、高速コーナーでいかにアクセルを踏むかが最高速の出方を左右する。ちなみに、少し下っているストレート。コース図では最後のところで曲がって書いてあるが、そのまままっすぐ走るだけである。3速に入れて少し加速すると、ブレーキングポイントとなる。
ヘアピンを抜け、150mのストレート。ここもなんと上り坂である。非力なB6ではとってもつらい。2速がなかなか吹け上がっていかない。とってもいらいらするが、3速に入れることもなく、内側のセクションに突入する。
150mのストレートから一度右に折れて、さらに深く曲がった後に15Rが立ちふさがる格好。ドリフターズにとってはスピードも乗っているから格好の見せ場となる。最初の軽く右に曲がったところを抜けた辺りでブレーキングし、次のコーナーでよいしょと車を右に曲げる。これで終わったと思ったら、さらに15Rが待ちかまえている、というちょっと意地の悪いレイアウトになっているので、最初はどうしても突っ込みすぎてしまう。最初はストレートの延長のような形で進入してきて、右15Rの前にもう一度、ブレーキングをやり直す形になってしまう。
そして、ようやく15Rを曲げたと思ったら、次にきつい左15Rがやって来る。またかよ、と思ってようやく曲げたと思ったら、極めつけの右10Rがやって来るという形で、あまり気持ちよく走れない。いくらライン取りを気を付けてスピードを乗せていこうと努力しても、最後に右10Rがあるから、それなりの速度で進入するしかない。最後の10Rは結局ストップアンドゴーに近くなってしまうから、なんだか、努力が報われないレイアウトである。気持ちよく走るには、ドリフターズのように最初の15Rからリアを流しっぱなしでスライドコントロールしながら各コーナーを曲がっていくしかない。
10Rで立ち上がって1周が終わる。
のろのろ走っているうちに、後ろからFDがやってきた。仕方がないから150mストレートで先に行かせてあげる、、と考えている間にものすごい勢いでぶち抜いていった。ターボパワーがうらやましい。
それでも、ブレーキング勝負で、最初の15Rでぴったりと追いつくことができた。少々突っ込みすぎたので、じわりと間隔が開いたものの、左の15Rの出口では再びぴったりと、10Rの進入ではきもち、早めにブレーキを掛けるぐらい。けっこう追いつけるものだな、と思ったら、100mストレートで暴力的な加速であっという間に遠い存在になってしまった。いくら次のブレーキングで勝負しても、追いつかない。上り坂もなんのその、ぐいぐいと車間が開いていき、あっという間に遠くにいってしまった。内側だけだったら勝負になるのに。
2人乗りのスターレットターボにも軽くぶち抜かれてしまった。かなりの屈辱である。それでも、仕方がない。馬力差だけは、いくらストレートでがんばっても意味がない。
クールダウンしていたら、白いロードスターに抜かれたので、「パワーで勝っているのはお前しかいないよ」と、不埒なことを考えながら、ぴったり付いていき、120mストレートで勝負をかけたら、まったくの互角な加速。2速8000回転まで回しても、まったく同じ車間距離。仕方なく、体をぶんぶんと前後に振って車を押し出そうとしても、まったく同じ車間距離。こっちはファイナルが4.1になっているから、多少は馬力が出ているのかもしれないが、本当に付かず離れずの加速しかしない。それどころか、なぜか走っていたプジョーの206とまったく同じ加速である。さすがにコーナーでは相手にならないが、荷物も積める車と同じ加速ってどういうことよ。
なんと言っても、スピードが乗る2カ所のストレートのはじめが上り坂であることが、NA6CEにとってはつらいかも。S2000にも追いつけなかった。プジョーを除き、走っている車のなかで一番遅かったのではないだろうか。車と腕がどちらとも悪ければ、何ともならないのは道理なんだけれどサ。これほどまでに情けない思いをしたのも久しぶりかもしれない。
50分間の走行で5000円だから、かなりがんばって走った。これまでも頭を悩ませてきた水温は、こんな季節になってもまだ僕の頭を悩ませ、3周全開で走ると簡単に105度を超えてくる。1周クールダウンを入れれば95度まで下がって再び3周走れるのだが、これはもうラジエーターを交換した方が良いかもしれない。というか、することに決定。
結局、50分間で42周も走った中で、ベストラップは9周目である。初めて走って9周目のタイムが一番良いなんて納得いかない。走りは絶対にこれに近いタイムが出ている最後の数周が良いに決まっているのだが、エンジンやタイヤがたれてしまって何ともならない。完全にエンジンを止めて冷やさないと、HLAのたれって直らない気がする。やはり、のんびり車を休められる富山の我がホームコースの方が良いかも。
先日、富山勢が出したタイムを考えると、ちょいと遅すぎるかも。成績表を見て、やっぱり遅かったことを確認、絶句した。
追記
追記
翌朝、たまたま通りかかったプジョー206を見たら、昨日走っていた車と違うことに気が付いた。あまりしげしげとは見ていなかったので勘違いしていた。そういえば、濃い赤だったので、アルファロメオかしらん、と思いWebで調べるとどんぴしゃ。アルファ147でした。こいつは2リットル150馬力の強力エンジンを積んでいるから、同じ加速になるわけだ。ちなみに車重は1300キロ近くあるみたい。
翌朝、たまたま通りかかったプジョー206を見たら、昨日走っていた車と違うことに気が付いた。あまりしげしげとは見ていなかったので勘違いしていた。そういえば、濃い赤だったので、アルファロメオかしらん、と思いWebで調べるとどんぴしゃ。アルファ147でした。こいつは2リットル150馬力の強力エンジンを積んでいるから、同じ加速になるわけだ。ちなみに車重は1300キロ近くあるみたい。